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SG会田アンダースロー(クイック)雇用市場に1970年代以来の変化が起こっている

シンカー:日本の労働市場は引き続き強い人手不足感をともない改善を続けていると判断する。その中で、日本の労働状況には大きな変化が起きつつある。高齢化と後継者不足による零細事業の縮小、そして人手不足による企業の雇用者の囲い込みなどにより、日本の自営業者の雇用者に対する割合は趨勢的に低下してきた。しかし、IT技術の発達と普及などにより、雇用されなくても自分で仕事ができ、しかもウェブなどを通してフランチャイズを広げることができるようになってきた。主婦・高齢者・若年層が、企業に雇用されるより、時間をフレキシブルに使うため、自宅で起業する動きも増え、雇用者の独立も以前と比較し容易になってきたとみられる。結果として、自営業者の雇用者に対する割合は、11月は12.1%で、前年差+0.4%と3ヶ月連続で上昇している。季節性が大きいため12ヶ月移動平均をとると、11月の前年差は+0.03%となり、1979年5月以来の上昇となった。IT技術の発達と普及、そして人手不足と労働改革によりフレキシブルな働き方を許容する環境になり、数十年単位の大きな変化が起こっている可能性がある。この動きが続けば、時間の拘束と働き方の自由度、そして自己実現への方法論などでの束縛の強い雇用者という形を避ける労働者が増えるとみられる。企業の雇用者の採用活動は更に困難を増し、まさしく束縛の補償(コンペンセーション)としてのプレミアムの上昇が、賃金の上昇につながってくることもあろう。

SG証券・会田氏の分析
(画像=PIXTA)

11月の失業率は2.5%と、10月の2.4%から若干上昇した。

8・9月は台風や地震などの自然災害の影響を労働市場も大きく受けた。

経済活動が阻害されることで、就業者数には下押し圧力がかかる一方で、職探しを延期する労働者が労働市場から一時的に退出することにより労働力人口にも下押し圧力がかかった。

7月にX%であった失業率は、9月までにX%までテクニカルに低下した。

10・11月にはその巻き戻しが起こり、失業率は元の水準に戻ったことになる。

10・11月には就業者はしっかり増加していることは、悪い失業率の上昇ではないことを示している。

10月の有効求人倍率は1.62倍と、9月の1.64倍から低下し、6月の水準に戻ったのも、同じ理由で、求職者が戻った影響が大きい。

11月には戻った求職者が順調に職を得て、好調であることが期待された年末商戦に向けた求人も増加し、1.63倍へ上昇した。

日本の労働市場は引き続き強い人手不足感をともない改善を続けていると判断する。

その中で、日本の労働状況には大きな変化が起きつつある。

高齢化と後継者不足による零細事業の縮小、そして人手不足による企業の雇用者の囲い込みなどにより、日本の自営業者の雇用者に対する割合は趨勢的に低下してきた。

しかし、IT技術の発達と普及などにより、雇用されなくても自分で仕事ができ、しかもウェブなどを通してフランチャイズを広げることができるようになってきた。

主婦・高齢者・若年層が、企業に雇用されるより、時間をフレキシブルに使うため、自宅で起業する動きも増え、雇用者の独立も以前と比較し容易になってきたとみられる。

結果として、自営業者の雇用者に対する割合は、11月は12.1%で、前年差+0.4%と3ヶ月連続で上昇している。

季節性が大きいため12ヶ月移動平均をとると、11月の前年差は+0.03%となり、1979年5月以来の上昇となった。

IT技術の発達と普及、そして人手不足と労働改革によりフレキシブルな働き方を許容する環境になり、数十年単位の大きな変化が起こっている可能性がある。

この動きが続けば、時間の拘束と働き方の自由度、そして自己実現への方法論などでの束縛の強い雇用者という形を避ける労働者が増えるとみられる。

企業の雇用者の採用活動は更に困難を増し、まさしく束縛の補償(コンペンセーション)としてのプレミアムの上昇が、賃金の上昇につながってくることもあろう。

ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部
チーフエコノミスト
会田卓司