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株価の不安定性へのヘッジには、安定配当株のP&G株が最適だ

過去10年間において、成長戦略に対して保守的で慎重すぎる大型株を保有している投資家が、優位に立っていた場面は少なかっただろう。むしろ、未だかつてないほどの株価上昇局面を迎えていた新興テクノロジー株のほうがかなりの人気を集めていた。

しかし、不確実性が多く存在し、先読みすることが難しいため、今までとは違った観点からの投資戦略が必要になっている。景気循環株が、こういった不確実性の影響を受けている一方で、堅調な生活必需品セクター株は株価がアウトパフォームしている。

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(画像=Investing.com)

生活必需品をグローバルに展開する、P&G(Procter & Gamble) (NYSE:PG)は市場株価が大きく変動しており、投資家が定期的な配当による着実なインカムゲインを求めるときに、我々が推奨する銘柄である。我々が初めてP&G株を推奨したのは5月28日であったが、その時から株価は29%上昇し、現在は52週間の最高値である96.89ドル付近の92.77ドルで取引を終えている。

過去6ヶ月間で市場のボラティリティが最高潮に達したとき、市場では高成長の景気循環株への売りが加速し、P&Gのような安定株も買いが入る動きが鮮明に表れていた。同社株価がアウトパフォームしていたことから、安定配当株を複数組み入れたポートフォリオの構築が堅実であることがよくわかる。安定配当株は株式市場の乱高下に強く、市場が低迷している中でも良いパフォーマンスを出してくれるのだ。

事業戦略が業績に表れる

P&G株へ投資する場合、現在の株価は52週高値からわずかに4%下回っている水準ではあるが、同社株の絶好の買いのタイミングであると考えられる。それは、世界最大の消費財メーカーである同社の、新しい事業戦略が功を奏し始めている兆しが見られるからである。同社はペーパータオルの「バウンティ(Bounty)」、髭剃りの「ジレット(Gillette)」、洗剤の「タイド(Tide)」といった、世界中で良く知られているブランドを複数保有している。

これらのブランド事業の昨年度の売上高は、650億ドルを上回り、コア営業利益率は22%と、業界最高水準となっている。業界トップの位置付けではあるが、消費者嗜好が変化している中で、同社は売上高の緩やかな成長トレンドをどう打ち破るか苦戦してきた。

成長戦略の一環として、同社は5年間でブランド数を175から65ブランドへと縮小させ、利益率が最も高い10製品に注力してきた。また、ブランドの統合や売却、工場の閉鎖を通じて3万4000人のリストラを行い、100億ドル以上のコストカットを行ってきた。

しかし、アクティビストのネルソン・ペルツ氏はP&Gの事業戦略をより抜本的に行うよう求めた。P&Gのデービッド・テイラーCEOは、新事業の買収や既存商品にエコバージョンを追加することで、ネルソン氏の要求に応えてきた。そういった企業努力が、直近の四半期決算で功を奏したことがわかる。

第1四半期における、買収や為替の影響を除いたオーガニックグロース(既存事業による成長)は4%上昇し、同社はアナリスト予想を2倍以上上回ったと10月に発表した。同期の予想外の好業績は、オレイ(Olay)やSK-IIスキンケアといった、既にアジア市場で人気を博している製品の米国市場における販売増によるものである。

こういった同社の事業戦略の成功によって、主要投資銀行は同社株を「売り」から「買い」へと見通しを変えている。モルガン・スタンレーのアナリストは先週に、P&G株のレーティングを中立から買いに変更し、目標株価を15ドル引き上げ、106ドルへ変更した。

モルガン・スタンレーのアナリストはクライアントにこう説明している:

「P&Gは幅広い市場でシェアを伸ばしており、粗利率の改善が見込まれること、そして強い収益を生み出せる力を考えると、競合他社のバリュエーションと比較して、それらが十分に株価に織り込まれていない」

コルゲート・パルモリーブ(Colgate-Palmolive) (NYSE:CL)のPER(株価収益率)が26倍であるのに対して、P&Gは25倍となっている。

要点

過去を遡ってみると、P&G株は消費財セクターにおける高配当銘柄の1つである。食器洗剤のドーン(Dawn)や歯磨き粉のクレスト(Crest)などのブランドを持つ同社は、61年間連続で増配を続けている。また、いかなる経済状況であろうとも、過去127年間で一度も無配当となったことがないのである。

現在の配当利回りは3%を下回る低水準であるため、同社株の長期保有に最適である。数々の低迷期を乗り越えた後の成長加速であるため、我々は同社株にはまだまだ成長の余地があると考えている。(提供:Investing.comより)

著者:ハリス アンワル