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LINE Pay が作るキャッシュレス社会の未来【特別掲載】

私たちにとって身近なコミュニケーションアプリLINE が提供するモバイル送金・決済サービスLINE Pay。このキャッシュレス時代にLINE はLINE Pay というサービスを通して一体どのような社会を創造していくのでしょうか。【お金の教養フェスティバル2019/ LINE Pay 株式会社取締役COO の長福久弘氏講演より要約】

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2019.◯.◯

日本がキャッシュレス化しなければならない理由

私は不動産会社からキャリアスタートをしましたが、20 代の間はアイスクリーム会社の経営をしていました。その後ライブドアに入社しインターネット業界に足を踏み入れ、2017 年からLINE の決済事業のLINE Pay に移り現在に至ります。私のキャリアは金融業界で形成したものではありません。そして、現在、キャッシュレス決済、LINE ほけん、LINE 家計簿、資産運用、今後は銀行業への参入など、フィンテック分野に大きく舵を切ったLINE 株式会社の本業も金融業ではありません。だからこそ、強みがある、ということをお話ししたいと思います。
さて、現状を整理すると、日本のキャッシュレス比率は18.4%ということで、他国と比べると非常に低い水準です。この数字だけフォーカスすると、日本ってキャッシュレス化が遅れているとされますが、実はキャッシュレス化するポテンシャルは非常にある国なんです。クレジットカード、デビットカード、電子マネーの所有率では、一人当たり約8 枚程度持っているというデータもあります。クレジットカードは一人当たり2,3 枚保有している。キャッシュレス化は進んでいないが、キャッシュレス化するインフラは十分にできているというのがこの国だということです。さらに、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック、2025 年の大阪万博でインバウンド需要が期待されます。このときにキャッシュレス化は一気にすすむでしょう。
キャッシュレスのよいところを5つほどあげてみましょう。
・利便性と生産性が向上する
・インバウンド対策ができる
・現金維持コストの改善
・税収率の向上
・決済データの活用で適切な情報発信、サプライチェーン改善
人口減少が止まらない日本では、労働者も消費者も減っていきます。経営者は収益が小さくなる上に労働者の確保が困難になっていきます。キャッシュレス化が進めば人が行わなけれればならない作業は減ります。また、国も現金を製造したり流通させたりするためのコストや労力もカットしていきたいでしょう。
キャッシュレスは日本の必須事項であると言えます。

LINE Pay の利便性

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LINE の現ユーザーは7,900 万人ですが、その中で決済サービスを使っているのは3,000 万人です。
LINE Pay は、LINE で決済や、送金のサービスを提供しています。LINE を立ち上げると、右下(iOS の場合)にウォレットというお財布のマークのタブがあります。それをタップするだけで、LINE のお財布のページに移行し、LINE Pay の残高確認や支払い、友だちに送金できるというような機能が使えます。LINE 内から利用できるサービスなので新しいアプリをダウンロードする必要はありません。
また、各社のキャッシュレス決済は、クレジットカードをその◯◯Pay に紐付けて支払うというのが基本的なサービスの建て付けですが、LINE Pay はクレジットカードを紐付けてチャージする機能はありません。LINE Pay というこのバーチャルなお財布に自身の銀行口座を紐付けていただいてデビットに近いような形で自身の銀行口座から都度必要な分をチャージをしていただくといったような形になっています。
クレジットカードでのチャージ機能がない大きな要因は、我々は「送金機能」に非常に注力をしているからです。クレジットカードチャージですと実はこの送金機能が本当の意味で送金にならないのです。
LINE Pay は「昨日の飲み代5,000 円支払ってね」と気軽にコミュニケーションでき、メッセージを送るように簡単にお金も送れるところが大きな魅力です。
もちろん、お店でスマホ決済もできます。今年の7 月末までは、QR コードもしくはバーコードを使って決済していただければ+3 %ポイント還元としていますので、使えば使うほどポイント還元率が高くなり、最高5 %還元を受けることも可能です。このお得感で利用を促進していきます。

LINE のキャッシュレス戦略

2 つのプレイヤー、「ユーザー」と言われているそれを使う人、そして決済で支払える「お店」側、この2 つのプレイヤーに対して両輪で推進していかないとキャッシュレス化は進まないと、我々は考えています。
ユーザーにはポイント還元というメリットがあります。お店側についても考えなければなりません。そこで、2018 年の6 月、中小規模のお店へのLINE Pay 導入促進のため、3 年間「初期費用0 円+決済手数料0%」にすることを発表させていただきました。
お店側がキャッシュレス化をためらう一番大きな要因は、決済手数料が高いということが挙げられます。
例えばお店が、なぜクレジットカードを導入しないかといえば、クレジットカードや電子マネーの端末が、高価だからというのがひとつあります。普及が進まない理由としては初期費用が高いという要因がありましたので、まずそれを0 円にしました。
さらに決済手数料については、お店側の気持ちも非常にわかります。現金1,000 円でもらえればそのまま1,000 円もらえますが、クレジットカードで支払われると、クレジットカード会社の手数料が引かれて996 円とか995 円になってしまう。ですので、LINE Pay 決済は手数料も0%にしますよということを大きく発表させていただきました。

金融業でないからこそアグレッシブにできる

なぜ我々がこんなダイナミックな戦略を取れるのか?そしてなぜ今まで既存の企業ができなかったか?ということですが、それは、我々の本業が「決済」ではないからです。決済事業者は加盟店からもらう加盟店決済手数料というものがビジネスの種になっているため、そこを0%にしてしまったら会社経営ができなくなってしまいます。ではLINE ではどのように事業にしていくのか? 我々は「決済データ」というものが今後ビジネスの中で非常に重要になると考えています。
我々やその他広告事業をやっているIT 企業は、このデータを広告効果の向上に使うことができるのです。広告とは、企業が自社の商品を買ってもらうために、メディアに対してお金を支払うものですよね。今、インターネットの広告事業では基本的に広告効果によって単価が決まるようになっているので、効果が高くなれば広告の価値も上がります。
決済データを活用できれば、お客さまがどんなところでいくらぐらいの買い物をしているのか、ということがわかりますので、買い物の傾向ごとにパーソナライズ、つまり個々のお買い物スタイルに応じた、適切な広告を配信することができるようになります。
我々は加盟店決済手数料でビジネスをするのではなくて、本業であるコミュニケーションでビジネスをしていこうと思っているから、このようなアグレッシブな戦略が取れるのです。

ライフデザインを描く会社になる

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我々はこのキャッシュレス事業において、生産性向上という切り口でさまざまなことを見ています。QR決済を普及させたい、という単純なことではなく、私達の生活自体をよりよく“リデザイン”していきたいと思っています。コンセプトは、「コミュニケーション☓テクノロジー」です。
例えば、「スマートシティ構想」。いま、福岡市とLINE とで簡単に粗大ごみの申込みができるサービスを作っています。「福岡市粗大ごみ受付」のLINE アカウントと友だちになれば、会話するように申し込めます。自治体のホームページで粗大ごみ申込みの項目を必死で探さなくてもいいんです。まだ実験段階ですが、今後、LINE Pay で料金支払いも会話の流れで可能にして、すべてLINE で完結できるところまでもっていくつもりです。
さらに、海外に行く日にスマホひとつで手続きできる保険や、テーマで選べる投資、また今後はローンなども予定しており、LINE 上での金融サービス拡大も始めています。LINE Pay でのお金のやりとりが活性化してくると、金融サービスを使ってみるハードルを下げられるのではと考えています。キャッシュレス化は国を挙げて推進しているテーマなので、今後もさまざまな規制緩和が行われるでしょう。給与のデジタル通貨支払いなども、もうすぐ実現しそうです。キャッシュレス化やスマートシティ化が進めば、各種税金の納付や還付などもさらに便利になるでしょう。
キャッシュレス化推進を目前の目標に、LINE Pay はコミュニケーションとテクノロジーで社会をリデザインし、日本経済を盛り上げていきたいと思います。
長福久弘

長福久弘

LINE Pay株式会社 取締役COO。
2005年、株式会社アドバンテージ入社。マジックアイスジャパンを経て、2009年ライブドア(現LINE株式会社)に入社。2013年、店舗・企業向けLINEアカウント「LINE@」ビジネス拡大の為、LINE Business Partners株式会社に出向。営業、マーケティング、サポート部門を統括。2014年に同社代表取締役社長に就任。2017年、LINE Business Partners株式会社とLINE Pay株式会社が合併し、LINE Payの取締役COO就任。

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