富裕層・投資家の「今と先」を伝えるキュレーションサイト

iDeCo(イデコ)の投資先・金融機関を変更する方法

2017年1月から原則的に20~60歳の全国民が加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo)であるが、2018年には加入者が100万人を突破し、認知度の高まりがうかがえる。制度改正から約2年が経ち、現状の運用方法に満足していない人もいるだろう。iDeCoの投資先や金融機関を変更する方法についてまとめてみよう。

投資先の変更 配分変更とスイッチングとは?

イデコ,スイッチング,銀行,変更,証券会社,口座開設,ideco
(画像=ESB Professional /Shutterstock.com)

多くの人にとってiDeCoは、長期間に渡る運用となる。経済環境や投資目的、リスク許容度の変化などによって、投資先の見直しを行うことが重要だ。

iDeCoにおける投資先の変更には、大きく分けて2つの方法がある。配分変更とスイッチングだ。iDeCoを見直し、投資先の変更を行うにあたっては、まずこれらの違いを理解する必要がある。

配分変更とは、今後買い付ける資産の割合を変更することを指す。現状の保有資産の売却は伴わない。例えば、リスクを抑える目的で次回買付より株式型の割合を減らし、債券型を増やすといった変更を行う。

一方スイッチングとは、現状の保有資産を売却し、その代金での新規資産の買付を行い、資産比率を変更することを指す。例えば、株式の値上がりに伴ってリスク資産の割合が高まっている時に、株式型を利益確定し債券型の買付に充てるといった具合だ。

投資先の変更にあたっては、配分変更とスイッチングの違いを必ず押さえ、投資方針に基づいて配分変更、スイッチング、またはその両方を正しく選択すべきである。

配分変更の方法は?

配分変更の方法は、iDeCoを開設した金融機関によって異なる。基本的には、各金融機関のホームページやコールセンターで行うことができる。また、確定拠出年金の記録業務を行う日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー(JIS&T)やSBIベネフィットシステムズで直接行う方法もある。iDeCoを開設した金融機関で確認を行おう。

また、配分変更のタイミングも金融機関ごとに定められている。iDeCoは原則的に毎月26日に掛金の引き落としが行われ、その13営業日後に買付を行う。配分変更の締切は、引き落としから買付までの間で金融機関毎に設定されている。配分変更には手数料がかからず、締切までの間であれば何度でも変更できる点も押さえておきたい。なお、掛金の金額変更については、年1回までとなる。

スイッチングの方法は?

スイッチングの手続き方法も、iDeCoを開設した金融機関によって異なる。配分変更と同様、各金融機関のホームページやコールセンターで行う方法や、JIS&T、SBIベネフィットシステムズで直接行う方法がある。こちらもiDeCoを開設した金融機関で確認しておこう。

スイッチングの回数や締切時間についても、各金融機関によって定められている。いつでも何回でもスイッチングが行える金融機関もあれば、1日1回までなど、一定期間内で回数制限を設けているケースもある。3ヵ月に1回以上のスイッチングを行えるよう法律で定められている。頻繁にスイッチングを行う場合は、自分の口座がある金融機関における回数制限も確認しておきたい。

また、スイッチングにおいては、保有商品の売却と新規買付商品の選択を同時に行うこととなるが、投資信託によって売買約定のタイミングが異なる。iDeCoのスイッチングでは、売却の約定をもって新規商品の買付が行われるため、スイッチングの指図から買付約定まで、数営業日のタイムラグがある点にも注意したい。

スイッチング自体には手数料はかからないが、商品によっては売却時に信託財産留保額がかかるケースもある。そういった商品を保有している場合、頻繁なスイッチングはコスト増加につながってしまうため、コスト管理にも気を配る必要がある。

配分変更やスイッチングはどのような時に行うべき?

iDeCoにおける投資先変更の2つの方法、配分変更とスイッチングについて説明を行ってきたが、これらを検討すべきタイミングはどのような時だろうか。

まずは、ライフステージが変化するタイミングだ。自身のリスク許容度を今後のライフイベントと照らし合わせ、判断していきたい。結婚や住宅購入などのライフイベントに応じ、60歳以降の生活に必要な金額も変わる。それに対してiDeCoで用意すべき金額を計算し、リスクを取るべきか、安定的な運用を行うべきかを判断し、投資先の見直しを行いたい。

また、保有資産に大きな価格変動があった場合も、投資先の見直しのタイミングと言えるだろう。例えば株高となった場合、ポートフォリオ内の株式型資産の比率が意図せず増加してしまうケースもある。そうした場合、株式型資産の一部を利益確定し、安定型資産の配分を増やす方法が考えられる。ポートフォリオ内では資産価格の変動により、リスクの度合いは日々変化していく。自身のリスク許容度と、ポートフォリオの資産配分が大きくかけ離れないようにしたい。

これらを踏まえると、少なくとも年に1回はポートフォリオを見直す時間を設けるのが望ましい。もちろん、毎年スイッチングや配分変更を行う必要がある訳ではないが、ポートフォリオの現状を把握しておくことは重要だ。iDeCoは長期の資産形成のための制度なので、放置している人も多い。現状を知った上で放置するならいいが、知らないままで放置することのないようにしたい。

金融機関の変更 手続きは簡易だが、コストも掛かる

iDeCoでは、1つの金融機関を運営管理機関として選ぶことになる。複数金融機関でiDeCoを行うことはできない。では、一度選択した金融機関を変更したい場合は、どのような手続きを踏めば良いのだろうか。

金融機関を変更する理由としては、購入したい商品が別の金融機関にしかない、口座管理手数料が割高、サービス内容に不満があるなど、様々だろう。運用を始めてみて分かることもある。そういった事態にも対応できるよう、iDeCoでは金融機関の変更も認められている。

金融機関変更の方法はいたってシンプルであり、新しく口座開設を行う金融機関に問い合わせ、「加入者等運営管理機関変更届」などの必要書類を提出すれば良い。現在口座のある金融金融機関での手続きは基本的に不要なので、強引な引き留めに合うことはない。書類に不備がなければ、国民年金基金連合会の審査などを経て、iDeCo口座が移管される。

ただし、金融機関の変更には次の点に注意し、慎重に判断を行う必要がある。まず、移管の際には、現状の資産はすべて売却され、現金が移管される点だ。相場状況によっては、損失が出てしまう可能性もある上、売却に伴い信託財産留保額などがかかるケースもある。

また、国民年金基金連合会の審査などを経て、資産・記録の移換処理が完了するまでに2~3ヵ月程度かかり、その期間中は運用や掛金の拠出ができない。さらに、移管元の金融機関によっては、移管時に手数料を取られるケースもある。多くの金融機関では数千円程度であるが、移管を行わなければかからないコストだ。

このように、iDeCoの金融機関変更にあたっては、種々のコストがかかることがある。金融機関の変更を検討する場合は、これらのコスト負担も加味した上で総合的に判断する必要がある。

文・MONEY TIMES編集部/MONEY TIMES

【関連記事 MONEY TIMES】
40代からiDeCo(イデコ)を始めるのは遅いのか
iDeCo(イデコ)の7つの落とし穴
iDeCo(イデコ) 金融機関選びの4つの基準
iDeCoの初期設定が「定期預金」は何がマズイの?
40代から始めるiDeCo(イデコ)の基礎知識