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iDeCo(イデコ)に加入しているが、勤務先で企業型DCが導入されたらどうなる!?

所得控除による税負担の軽減効果にメリットがあると感じ、個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))に自分で加入をしたとしよう。ところがその後、勤め先の企業が新たに企業型確定拠出年金(企業型DC)制度を導入することになった。もしそんな事態が生じた場合、今まで積み立てていたiDeCo(イデコ)の資産はどうしたらいいのだろうか。このまま積み立てを続けることはできるのだろうか?

iDeCo(イデコ)から企業型DCへの資産移換

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(写真=g-stockstudio/Shutterstock.com)

勤務先が企業型DCを導入した場合、iDeCo(イデコ)と並行して掛金を掛けることはできない。そのため、基本的には、iDeCo(イデコ)の「加入者資格の喪失手続き」と、勤務先の企業型DCにiDeCo(イデコ)の資産を移すための「移換手続き」が必要になる。

iDeCo(イデコ)の資格喪失については、加入している金融機関(運営管理機関)のコールセンターなどに連絡し、必要書類(加入者資格喪失届等)を取り寄せて記入し、返送すればよい。また、iDeCo(イデコ)から企業型DCに資産を移換するための書類(個人別管理資産移換依頼書)は、勤務先のDC担当部署(総務・人事部門など)から入手し、勤務先に提出すれば手続きは完了する。

手続きが済めば、iDeCo(イデコ)の資産は企業型DCに移換される。移換金は、企業型DCでの運用商品ラインアップの中から新たに指図することになる。なお、移換金の運用対象となる商品をまとめて指図してしまうと、リスク分散(時間分散)ができない恐れがある。そこで、最初はいったん定期預金などの元本確保型商品に移換金を全額プールして、後で複数回に分けてスイッチングすることでリスクヘッジを図るのも一つの方法だ。

企業型DCの規約によっては同時加入できることも

先程、iDeCo(イデコ)の資産を企業型DCに「基本的に移換手続きが必要」と書いたが、例外がある。じつは、企業型DCの規約(年金制度の実施・運営に必要な事項を定めたもの)でiDeCo(イデコ)との同時加入を認めている場合に限り、企業型DCとiDeCo(イデコ)に同時に加入できるのだ。この場合、iDeCo(イデコ)の資産を企業型DCに移換せずに、iDeCo(イデコ)で積み立てを継続することができる。同時加入できるかどうかについては、勤務先のDC担当部署に確認するとよい。

ただし、企業型DCとiDeCo(イデコ)の掛金額には、法令上の上限がある。同時加入が可能な場合、勤務先の企業年金制度が企業型DCだけであればiDeCo(イデコ)の拠出限度額は月額2万円、企業型DC以外にも企業年金制度(確定給付企業年金や厚生年金基金など)があればiDeCo(イデコ)の拠出限度額は1万2,000円となる。

なお、勤務先の企業型DCでマッチング拠出(企業型年金加入者掛金)が導入されている場合は、企業型DCとiDeCo(イデコ)には同時加入できない。勤務先に確認しよう。

iDeCo(イデコ)の運用指図者になることも可能

2018年5月1日以降は、必ずしもiDeCo(イデコ)の資産を企業型DCに移換する必要がなくなった。この場合、iDeCo(イデコ)の加入者ではなく「運用指図者」となる。。運用指図者とは、掛金の拠出をせず、今まで積み立てた年金資産の運用のみを行う人をいう。

この場合、iDeCo(イデコ)で貯めてきたお金は運用指図者としてiDeCo(イデコ)の口座で運用の指図だけを行い、勤務先の企業型DCでは加入者の立場で新たにお金を積み立てていくことになる。ただ、iDeCo(イデコ)では口座管理に係る費用がすべて自分持ちなので、コスト面を考えれば、企業型DCに移換して一本で運用したほうが効率的であると言えるだろう。

iDeCo+(イデコプラス)は企業型DCではない

最後に、iDeCo+(イデコプラス:中小事業主掛金納付制度)についても考えておきたい。iDeCo+(イデコプラス)は、企業年金を実施していない従業員100人以下の中小企業で、iDeCo(イデコ)に加入している従業員の加入者掛金に対して、事業主が掛金を上乗せ(追加)して拠出できる制度である。

個人で払い込んでいるiDeCo(イデコ)の掛金(加入者掛金)が給与天引きになり、会社からの事業主掛金が上乗せされて積み立てができる。iDeCo+(イデコプラス)は、会社が関わっているものの、分類としてはあくまでもiDeCo(イデコ)となる。くれぐれも企業型DCと勘違いしないようにしよう。

勤務先で企業型DCが導入された場合、現実的には、今までのiDeCo(イデコ)の資産は企業型DCに移換し、まとめて管理・運用することとなる。また、ごく一部ではあるが、確定給付企業年金でも規約でiDeCo(イデコ)の資産受け入れを可能と定めていれば、iDeCo(イデコ)から確定給付企業年金(DB)への資産の移換ができる。この点も、企業の担当部署に確認しておくのが望ましいだろう。 (提供:確定拠出年金スタートクラブ


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