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iDeCo(イデコ)と住宅ローン控除の関係、どう判断すればいいか

住宅ローン控除を受けている方の中には、iDeCo(イデコ)の節税メリットはどれだけの効果があるのか、疑問に思っている方もいることでしょう。住宅ローン控除もiDeCoも節税効果が大きい制度です。どちらの制度も節税効果が大きいゆえに、両方を併用するとかえって節税効果を発揮できないのではないかと思われがちです。しかし、2つの制度を併用しても節税効果は大きいケースは多々あります。モデルケースを例に節税効果を検証してみました。

住宅ローン控除とiDeCoの節税の仕組み

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(写真=William Potter/Shutterstock.com)

まず、節税効果を検証する前に、税金の仕組みを知っておく必要があります。住宅ローン控除は「税額控除」、iDeCoは「所得控除」という性質を持っており、どちらも「控除」という名前がついていますが、種類は異なります。

・ 税額控除とは、税金そのものの金額から決められた金額を差し引くことで、ダイレクトに税額を減らす効果があります。

・ 所得控除とは、所得から決められた金額を差し引くことで所得が減り、その結果、税額を減らす効果があります。

なお、税金を計算するにあたっては、所得控除から先に計算をします。

モデルケースで節税効果を検証

下記のAさん家族をモデルケースとして、節税額を検証してみましょう。

夫:会社員 年収500万円
妻:パート 年収120万円
子ども:小学生2人
住宅ローン名義:夫
ローン残高:4,000万円

住宅に住み始めたのが2014年1月1日から2021年12月31日までの場合、住宅ローン控除額は年末住宅ローン残高の1%で、限度額は40万円です。Aさんの場合、年末の住宅ローン残高は4,000万円ですから、住宅ローン控除額は40万円になります。さて、税金を計算してみると、下記の表の通りになりました。

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住宅ローン控除前の所得税は、①10万円、住民税は②20万円です。この税額に住宅ローン控除が40万円適用されますから、まず、所得税から40万円を差し引きます。すると、所得税は③ゼロになります。しかし、40万円のうち、適用できた金額は10万円だけですから、30万円分が控除しきれず残っています。そこで、住民税から残額を差し引きます。しかし、控除できる金額には上限があります。上限額は13.65万円ですから、 20万円−13.65万円=約6万円、住民税は④6万円となりました。

次に、iDeCoを始めたケースを考えます。企業年金などがない会社に勤めている場合、iDeCoの掛金上限は年間27.6万円です。そこで、上限額の27.6万円を拠出するとします。iDeCoの掛金は全額所得控除できますから、税金の計算の元となる課税所得の金額が27.6万円減ります。すると、所得税と住民税は⑤と⑥の金額になりました。

そして、ここから先ほどと同じ要領で住宅ローン控除額を差し引きます。すると、所得税は⑦ゼロ、住民税は⑧3万円となりました。iDeCoを始める前の税金が住民税6万円ですから、iDeCoを始めることによって 3万円が減りました。

所得税だけを見ると節税メリットはないように思われますが、住民税も含めて考えると節税メリットはあります。住宅ローン控除は年末残高が減ると節税額も減りますし、期間も最長10年です。一方、iDeCoは60歳まで拠出し続けますから、iDeCoに加入することで得られる節税メリットは、住宅ローン控除があったとしても大きいと言えるでしょう。

節税効果がないケースとは

もしAさんが年収400万円であれば、住宅ローン控除だけで所得税と住民税はゼロになります。したがって、iDeCoを始めたとしてもそれ以上の節税メリットはなく、同じく税額はゼロです。ただ、年収400万円の方が4,000万円を借り入れているということは、金利1%で考えた場合、借り入れ可能額いっぱいでローンを組んでいることになります。

このようなケースにおいては、iDeCoをする、しない、というより収入に占めるローン返済比率が高いため、まずは借り入れ内容から改善する必要があるかもしれません。一般的には、このように借り入れ可能額をめいっぱい借り入れている方は少数派(住宅金融支援機構の調査を参考)のようですから、多くの人にとって、住宅ローンとiDeCoを併用したとしても節税メリットはあると言えそうです。

自分でできる確認方法

もし、住宅ローン控除があるためにiDeCoを始めることをためらっているなら、住民税をチェックしてみてください。納めている住民税があるなら、iDeCoを始めることでさらに節税できる可能性があります。(提供:iDeCo online

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