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ICOで調達も 歯に特化した仮想通貨デンタコインのポテンシャル

2017年は仮想通貨が盛り上がり、2017年下旬からは第二のビットコイン(Bitcoin)について騒がれ、イーサリアム(Ethereum)やネム(NEM)などの仮想通貨が徐々に台頭してきました。2018年には信頼性や安全性の観点からも着目されている仮想通貨ですが、意義のある取り組みも生まれています。特に、医療の分野では、これまでの治療から予防治療を提唱するICOのプロジェクトが増えました。その一つには日々の生活に欠かせない「歯」に関する取り組み、ICOを通じて新しい歯科医療のプラットフォームを提供しようとするDentacoin(デンタコイン)があります。

医療の意識は治療から予防に変わっている

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(写真=J.Score Style編集部)

日本は国民皆保険のもと、どの人もある程度手厚い診療を受けることができます。健康診断や人間ドック、インフルエンザの予防接種、がん検診など、思い当たる「予防」は多いのではないでしょうか。2013年6月に安倍政権が発表した「日本再興戦略」によれば、国内における予防医療関連産業の市場規模は2013年の16兆円から2030年まで30兆円に拡大すると試算されています。

なぜならば、日本では高齢化と生産年齢人口の減少が進行しており、健康寿命を伸ばすことが課題のひとつとなっているからです。内閣府が2018年に発表した「平成30年度版高齢社会白書」によると、1950年には4.9%だったのにもかかわらず、2017年には27.7%に達しています。また、また2065年には65歳以上の高齢者の割合は38.4%になると言われているのです。

なお、生産年齢人口は1995年に8,716万人でピークになりましたが、その後は減少し続け、2065年には4,529万人とほぼ半減する見込みです。こういった事情もあり、シニア層も健康で働けるよう、予防に力を入れるべきとされています。

こういった治療から予防へ舵を取る動きは海外でも見受けられます。海外における予防医療の分野は2013年の163兆円から2030年まで525兆円に拡大すると見積もられており、今後の成長産業として位置付けられています。

日本よりひと足早く予防治療に力を入れているアメリカでは、予防検診や早期治療早期発見の意識が強いことでも知られています。例えば、日本は大腸がんの罹患率が上昇傾向にありますが、アメリカでは定期的に内視鏡検査を受診することで保険料が安くなる仕組みを導入して罹患率を減少させることに成功させています。普段の生活の中での健康意識や行動、そして定期的な検診でのチェックを行っているといえます。

ワークアウトの推奨やカロリーコントロールはもちろんのこと、サプリメントなどの栄養補助食品を摂取し、バランスの良い食事を心がけるなど、国をあげて健康に対する意識が高いことがうかがえます。こういった予防の動きが世界で広まる中で、歯科医療についても治療から予防に力を入れるべく、歯科医療の医療プラットフォームを作り、歯科医療の発展を願うDentacoin(デンタコイン)が誕生したのです。

Dentacoin(デンタコイン)は歯科医療向上のプラットフォーム

デンタコインは総発行枚数が8兆枚の仮想通貨です(2018年10月30日現在)。イーサリアムをベースにして作った仮想通貨で、デンタコインの開発チームであるDentacoin Foundaitonは2017年にICOで200万ドル以上の資金調達に成功しています。

このプロジェクトではデンタコインが提供するプラットフォームを介して歯科医院のレビューやアフターケア、保険の適用の有無・歯科治療に関する疑問解消など、歯に関するさまざまな情報交換が可能です。なお、ブロックチェーンの技術を使って匿名性が保たれ、改ざんが出来ないので歯科医院のレビューをしても自分の情報が他に知られることはありません。歯科医師にも生の声がフィードバックされるので、歯科医療の向上にも繋がります。

なお、歯科医師に関するレビューを行うとデンタコインをもらうことができます。デンタコインは2018年現在、70以上の歯科診療所や研究所とパートナーシップを締結しており、そこではデンタコインを使って支払いをすることもできます。日本ではまだ利用できる歯科医院はないのですが、今後出てくる可能性もあります。

今後、デンタコインは国内外で受診した治療記録・管理も可能になる予定です。国を超えて歯科医療を提供ができれば、歯科治療に関する信頼性の向上にも繋がり、患者と歯科医師双方の相乗効果も期待できるようになります。

デンタコインが解決を試みる歯科業界の課題

デンタコインが解決しようとしているのは、予防が可能な歯科治療に毎年4,000億ドル以上が浪費されていると試算されている問題です。それらは下記の3つが原因と考えられています。

  1. 歯科医と患者の金銭的インセンティブが一致していないこと
  2. 患者が日々の予防を怠り、治療が必要な状況になるまで放置すること
  3. 患者を獲得するためのマーケティング費用がかかること

ブロックチェーン技術を利用すれば、個人に関する秘匿性の高い情報を安全かつ安価に管理することができ、また第三者を仲介することなく契約を履行することができます。デンタコインは、このブロックチェーン技術のもつ優れた特徴を利用することでこれらの問題解決を目指しています。

歯科医療の世界は今後10年間で大きな変化が生まれる

デンタコインが広まると、私たちの生活にどのような変化をもたらすのでしょうか。ブロックチェーン技術を用いたレビューサイトを参照することで、嘘のない信頼できる口コミから優良な歯科医を見つけ出せるようになります。また、スマートコントラクトを通じて第三者を介さない医師との自動契約が行われるようになり、アプリを介して予防医療を受けることができるようになるでしょう。

医療業界におけるブロックチェーン技術の活用はまだ動き出したばかりですが、デンタコインだけでなく、ブロックチェーンベースの電子カルテネットワークを保護するPatientory(ペイシェントリー)などの開発が進んでいます。Frost & Sullivanの調査によれば、今後10年間でブロックチェーンの導入が進み、医療業界だけでも数十億ドルのコスト削減につながる可能性があるともしており、ブロックチェーン技術が医療、ひいては私たちの生活に大いに役立つ変化も期待できそうです。

これは、これまで参入障壁が高く資格を持っていなければ業務を行えなかった士業の世界に、AI(人工知能)などのテクノロジーを持つ会社が参入し、シェアの奪い合いが起きている状況と似ているかもしれません。

士業の先生が信頼のおけるアドバイザリーができる人ならばその分報酬を支払いますし、自分で考えるという人はクラウドサービスを活用して自分で会計やリーガルチェック、社会保険の手続きを行ってしまうこともできるのです。価格には大小がありますが、より良いサービスを提供し、顧客満足度が高いところに人が集まる流れが、今後歯科医療始め、医療の世界でも起きる可能性があるのです。

デンタコインは世界の歯の真の健康を目指す

世界的に意義があると考えられるデンタコインですが、世界中の人からのレビューを通してより健全な価格競争が行われるようになるはずです。この動きがより活性化されれば、患者それぞれのライフスタイルに合わせた治療が可能になりますし、予防医療への取り組みが増える可能性も出てくるでしょう。

世界中の良い歯科医院でデンタコインを活用し、しかも安価に治療を受けられるようになれば、途上国の人も先進国の人も同じ水準の医療が受けられる、そんな日も遠くないかもしれません。

私たちの生活が治療から予防にシフトして、生活習慣病や寝たきり状態、精神疾患を予防できるようになれば、病気による機会損失も防げるはずです。費用面でも時間面でも予防は私達の生活には大きな意味があるはずです。その一翼を担うのがデンタコインかもしれないのです。(提供:J.Score Style

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