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入園時に「債券」として10万円以上集金の実態も 破産を通知した川崎市の認可外”幼稚園”「A.L.C.貝塚学院」

川崎市川崎区にある認可外”幼稚園”「A.L.C.貝塚学院」が3月26日、破産と事業の停止を保護者らに通告した問題で、同園は入会金や月謝以外に「債券」として保護者から預り金も集めていたことがわかった。

 

 

面接で持ちかけられた「債券」

ハフポストの取材に応じた同市のある保護者は、2歳の長女を今年4月から同園に通わせる予定だった。 「債券」は、入園のための面接試験の最中に持ちかけられ、その場で申し込みをする仕組みだったという。

同園からは「月謝の支払いなどが滞った時に補填するための預り金」との説明だったが、同時に「満期となる3年後には銀行よりも高い利息を付けて返す」とも伝えられ、2口(10万円相当)以上を預けてほしいと依頼された。

英語や算数、体操の教育などに力を入れており、地元では知られた存在。入園の選考時期になると、SNSでも情報が飛び交うような人気の園だった。

そのため、「面接が少しでもいい印象になるように」と、この保護者は面接中に提示より多めの3口(15万円)を申し込み、合格後の2018年9月に預け金を支払った。

この保護者はその他にも初期費用として入会金・設備費・教材代などを支払い、債券との合計額は40万円になるという。

「お金のこともそうですが、子どもはお友達と園に通うのを毎日心待ちにしていました。それができなくなってしまい、本当に辛いです」と話している。

 

4月8日が、楽しみにしていた入園式の予定だった。

また、同園に4歳の長女を通わせている同市の別の保護者も、同様の方法で「債券」として10万円を支払い、園に預けたままだという。

この保護者の場合は、すでに卒園した長男の入園時にも「債券」を預けた。その際には満期の3年後、利息1.9%に相当する1900円を加えた金額がきちんと戻ってきていた。「お友達の家は100万円も預けたままと聞いた。債券のお金も戻ってくるのかどうか」と懸念している。

 

認可幼稚園では「聞いたことがない」

「A.L.C.貝塚学院」は、学校教育法に定められた「幼稚園」にはあたらないが、通称として、認可外”幼稚園”あるいは「幼児園」と呼ばれている。

神奈川県私学振興課の担当者は、県内の認可幼稚園では「債券」のような預り金制度は「聞いたことがない」という。

「A.L.C.貝塚学院」を運営しているのは有限会社アメリカン・ラングエイジ・センター。同園の通知によると、園の創業は1976年という老舗の施設だ。英語や幼児教育に力を入れている大規模な園で、保護者によると、現在300人近くが通っている。 

この認可外”幼稚園”以外にも川崎市内でスポーツ教室や英語教室、学童クラブ2施設を関連会社が運営していた。同社からはこれらに通う子どもの保護者らに対しても、3月26日付けの文書で「事業継続を断念した」との通知が郵送されている。

同社は保護者らに対する通知で、少子化に加えて「認可幼稚園無償化の影響があった」と報告しているが、帝国データバンクの調査によると近年は債務超過状態が続いていた。