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1分でわかる信用取引18【信用取引戦略】現物取引と賢く使い分ける(その2)

 株を買おうとする際、現物取引で買うのと信用取引の買い建てとではどちらが有利なのかについて、前回は「時間とコスト」に焦点をあてて見てきました。

信用取引,トウシル
(画像=トウシル)

信用取引では金利が日々発生し、建玉の保有期間が長くなるほどコストの負担が増えるため、比較的短期志向の取引に向いていると言えますが、それとは別に、信用取引が短期取引との相性が良い理由に、「回転売買が可能」というものがあります。

回転売買とは同じ銘柄を日計りで何度も売買することです。現物取引ではいわゆる「差金決済」が禁止されており、この回転売買ができません。

例えば、ある銘柄Aを100万円で買って、その日のうちに110万円で売却したとします。株式取引の受渡し日は取引成立日(約定日)から数えて4営業日目になりますが、受渡し日に購入代金の100万円を払うと同時に売却代金の110万円を受け取ることになります。実質的には購入金額と売却金額の差額(10万円)をやりとりすれば良い事になります。

この差額だけの受渡しで決済することを差金決済と言いますが、別の言い方をすれば元手の100万円がなくても取引できてしまうことになってしまいます。そのため、「きちんと元手の購入資金を確保していますよ」ということで、購入代金の前受け制をとっているネット証券などでは、日計り取引を行った時点で100万円を拘束し、再び銘柄Aの買い注文を発注するとエラーになります。また、対面証券でも受渡し日の前日までに100万円を入金することを求められたりします。同じ日に再び銘柄Aを買うには、別途購入代金が必要になります。

実は、信用取引でも現物株と同様に、以前は日計り取引に使った保証金を当日中の別の信用取引に使うことができませんでした。これが2013年1月に解禁されて、現在では同じ保証金を何度でも回転売買に利用できるようになっています。また、信用取引の回転売買で発生した利益もすぐに保証金に反映され、次の信用取引に使える点も資金効率の面でメリットです。ただし、日計り取引を繰り返す度に1日分の金利が発生する点には注意が必要です。

ちなみに、現物株取引で禁止されている差金決済ですが、同一銘柄に限られています。つまり、銘柄Aを日計りした後に、その代金を使って別の銘柄Bを日計りすることは可能です。これは「乗換売買」または「ループ取引」などと呼ばれています。

土信田 雅之(どしだ まさゆき)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト
1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。国内証券会社にて企画や商品開発に携わり、マーケットアナリストに。2011年より現職。中国留学経験があり、アジアや新興国の最新事情にも精通している。

(提供=トウシル

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