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1分でわかる信用取引17【信用取引戦略】現物取引と賢く使い分ける(その1)

 株式市場で利益を得るための取引手法は多種多様です。

信用取引,トウシル
(画像=トウシル)

 例えば、企業の価値(バリュー)が、株式市場での株価(プライス)と比べて割安な銘柄を探して買って、ひたすら上昇するのを待つとか、あまり企業の中身は見ずに、日々の値動きの中で取引を繰り返して利益を積み重ねていくなど、「三者三様」、「十人十色」といった言葉の通り、それこそ投資家の数だけ投資手法が存在するとっても過言ではありません。

 これまでにも紹介してきたように、信用取引には約3倍のレバレッジをかけられる、売り建てを利用して相場の下落局面でも利益が狙える反面、返済期日(制度信用取引の場合)や、金利などが発生するなどの「時間とコスト」の制約があります。確かに、「信用取引を始めたいが、初心者なのでまずは少額から・・・」というのは王道ではありますが、大事なのは、信用取引が単なる現物株取引の延長線上にあるわけではない事と、自分の投資スタイルを把握することです。

 割安銘柄を拾ってじっくり保有するスタイルの投資家が、現物取引と同じように信用取引で買い建てをしても、なかなか思ったように株価が上がらずに、返済期限が近づいてしまうことはよくありますし、また、ズルズルと建玉を保有しても、建玉を保有する時間が長いほど金利などのコストが積み重なっていきます。そうなると、コストに見合う以上の株価上昇が見込めないと不利になってしまいます。そのため、信用取引は基本的に短期投資向けと言え、逆に、短期的な取引を志向する投資家にとっては、信用取引との相性は比較的良いと言えます。

 とはいえ、企業価値重視のじっくり取引派が信用取引を活用できないかというと、必ずしもそうとは言い切れません。じっくり取引派にとっては、「いかに安く買うか」がポイントとなります。2016年の株式市場は続落でスタートしましたが、こうした相場の下落局面は買い場を探るタイミングでもあります。

 いわゆる「押し目買い」と呼ばれるものですが、下げ渋ったところで買いを入れても、目論見通りに株価が反発して戻り基調を辿るかもしれませんし、再び下落し始めてしまうかもしれません。そんな判断に迷った時に、現物取引ではなく、信用取引の買い建てを活用するわけです。

 ひとまず中長期的な下落トレンド局面での短期的なリバウンド(反発)をねらうものですが、別に現物取引で行っても良い気がします。ただし、信用取引は取引したい金額の30%の保証金で行うことができるため、残った現金で他の割安銘柄があれば、それを買うことができるなどの余裕が生まれます。あくまでも様子見のための「打診買い」ですので、取引の選択肢を多く用意しておくことは重要です。また、予想以上に株価が本格回復した場合には、相場のトレンドが下落から上昇に転じたことになりますので、コストが積み重なる信用建玉を現引で現物株に変えてじっくり保有することも可能になります。

土信田 雅之(どしだ まさゆき)
楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト
1974年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。国内証券会社にて企画や商品開発に携わり、マーケットアナリストに。2011年より現職。中国留学経験があり、アジアや新興国の最新事情にも精通している。

(提供=トウシル

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