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非農業部門雇用者数が20万人増以下であれば、ドル売りになりそうだ

前日は、中国の通信機器大手ファーウェイの幹部が米国の要請でカナダ当局により逮捕されたことが大きく影響し、米中貿易摩擦に対する警戒が強まったことから、リスク回避の円買い、ドル売りが優勢となりました。また、米雇用統計の前哨戦となる米・11月ADP民間雇用者数が市場予想19.5万人に対して結果は17.9万人、米・10月貿易収支については貿易赤字が10年ぶりの高水準となり対中赤字が過去最高となったことも、ドル売りを誘発する材料になりました。

その後に発表された米・11月ISM非製造業景況指数が市場予想59.0に対して結果60.7となり、一旦下値から反発する動きにはなりましたが、ドル円は113円を回復する動きには至っていません。NYダウについては、後半に大きく下げ幅を縮小する動きがあり、本日の日経平均株価も小幅高にはなっていますが、ファーウェイ幹部の逮捕の影響は、一時NYダウが780ドル超下落するほどの動きがあったことからも、非常にインパクトのある事柄だったことがわかります。米州貿易摩擦については、楽観論が主導する展開ではありましたが、再度マーケットの注目材料として意識される可能性が高そうです。

前日のADP民間雇用者数の数字もそうですが、規失業保険申請件数に関しても23.1万件と市場予想の22.5万件よりも悪化しています。4週間移動平均においても、労働市場の景況感がポジティブな時は一時20.6万件という強い内容でしたが、足許では22.8万件まで増加しており、FRB高官から好調な労働市場という言葉自体は聞かれているものの、経済指標の数字自体は下火になっており、本日の雇用統計が市場予想を下回るようであれば、ドル売りが加速する可能性がありそうです。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

注目のOPEC総会ですが、減産継続は暫定合意されたとの報道になっていますが、減産幅に関して結論が出ていないと報じられています。ロシアが大規模減産に難色を示したことが背景としてあるようで、非加盟国も含めた協議が本日予定されていると報じられています。減産幅が100万バレルに達しないようであれば、資源国通貨売りが強まる可能性があるため、この点には注意が必要です。

ポンドについては、11日にブレグジットに関する英国議会での投票を控えていることもあり、一旦様子見姿勢が強まりそうです。また、ユーロについても、同じく11日にコンテ伊首相とユンケル欧州委員長の会談が予定されています。ユーロについては、憶測記事が多発している状況に、マーケットもやや反応しづらくなっており、正式な会談後の声明を経ての動きに注目が集まりそうです。直近の報道を鑑みると、制裁があっても軽い内容のものになるのではないかとの思惑が強まっているため、ネガティブサプライズがあった場合はユーロの急落に繋がりそうですが、それ以外は比較的小動きになるのではないでしょうか。ただ、週末にドイツ与党・キリスト教民主同盟(CDU)党首選が予定されており、クランプカレンバウアー幹事長と、メルツ連邦議会(下院)元院内総務の一騎打ちになるのではないかと言われています。メルツ連邦議会(下院)元院内総務は反メルケル首相として名高いため、クランプカレンバウアー幹事長が引き継ぐのであれば、現政権の方針とさほど変わらないため、影響はほぼありませんが、メルツ連邦議会(下院)元院内総務が引き継ぐことになった場合は、市場の動きを見極める必要がありそうです。どちらかというと、先行き不透明感によりややユーロ売りに傾く予想です。

目先においては、本日の雇用統計がまずは重要な通過点になります。パウエルFRB議長が労働市場は良好との発言を繰り返していることもあり、ドル売りが入りやすい現在の状況を考えると、非農業部門雇用者数が20万人以下(予想は19.8万人)だった場合は、ドル売りに繋がりそうです。ドル円については、112.20円台が目先のサポートラインになっていることを考えると、この水準を下抜けた場合は一気に112円割れの動きに直結しそうなため、どちらかというと下値リスクへの警戒イベントになりそうです。

ドル円は112.20円台で利食い、雇用統計後は戻り売りをメインシナリオに

ファーウェイ幹部の逮捕は想定外のイベントではありましたが、ドル円113.50円でのショート、想定通り112.20円台での利食いにて手仕舞です。本日は雇用統計ということもあり、基本的にはポジションスクエアですが、雇用統計の数字が悪いようであれば、一旦様子見、強い内容であれば、一時的にドル買いになることが想定されるので、発表直前の水準にもよりますが、113.30-50円付近まで戻りがあるようであれば、ショートでの戦略を想定しています。

海外時間からの流れ

NYダウが、一時780ドル超安から終値では79ドル安まで大きく下落幅を縮小した影響で、本日の日経平均株価は大幅高でスタートするのではとの思惑がありましたが、結果は小幅高で推移しており、ドル円を筆頭としたクロス円の上値が抑えられています。これまでのリスク選好の影響もあり、ポジションの手仕舞はクロス円の下落に結び付きやすいため、本日の雇用統計の内容が悪化するようであれば、下落の勢いは大きなものになりそうです。

今日の予定

本日の経済指標としては、米・雇用統計、加・雇用統計、米・12月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。