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過小評価されているGMとフォード

モトリーフール米国本社、2019年5月27日投稿記事より

フォード・モーター(ティッカー:F)は先週、全世界で従業員7,000人の削減を発表しました。これは、ホワイトカラーの約1割にあたり、レイオフや早期依願退職で削減を実施します。レイオフは、ゼネラルモーターズ(ティッカー:GM)において既に行われています。

投資家は両社の先行きに懸念を示していますが、業績反転の準備は整いつつあるようです。人員削減やその他の施策により、両社は、今後数年で年間数十億ドルのコスト削減になると予想しています。

しかし、市場の反応はさえず、GM株は予想PER(株価収益率)5倍をやや上回る程度で取引されています。フォード株はそれより若干高いだけのPER7倍で推移しています。

投資家は、景気循環要因や構造的脅威(ライドシェアリング、電気自動車、自動運転車の台頭など)が両社の利益成長を損なうのでは、と懸念しています。しかし、GMとフォードは、こういった投資家の予想を十分に上回る態勢にあるとの見方があります。

GM
(画像=Getty Images)

リストラ策、より効率的に

GMは過去数年間、事業のスリム化を進めてきました。昨年秋に発表された最新のコスト削減策では、2019年末までに北米の5工場を閉鎖し、北米の給与制従業員8,100人の15%を削減するものです。フォードはこれまで北米で大規模なレイオフは避けてきましたが、今回、ホワイトカラーの大規模な削減に踏み切りました。

海外市場の立て直しでは、フォードは依然GMに出遅れています。フォードは、約110億ドルと見込まれる海外市場のリストラ関連特別損失を計上すると予想されています。なお、現在のコスト削減策は、10年前の自動車需要の急減に伴う深刻なものとは異なります。

両社の利益率は引き続き堅調であり、強みをさらに活かす事業のスリム化です。両社は、中高年社員の削減を特に進めていますが、これは社内階層を減らして意思決定の迅速化を目指すものです。つまり、現在のスリム化は将来に向けての組織の強化につながるでしょう。

北米の新車投入が利益率を押し上げ

GMおよびフォードに対する弱気論者は、コスト削減策では増益につながらないと考えています。米国自動車販売の景気循環的な減少、海外市場の需要減、関税がらみのコスト圧力といった逆風が、収益性を圧迫するとみているためです。

しかし、両社は、収益のほとんどを占める北米市場において新車投入の真っ只中にあります。従って、今後の収益も底堅さを見せるかもしれません。

今後の見通し

積極的な効率化対策と新車効果により、GMとフォードは、今後数年の逆風に十分耐えられるようになっています。もちろん、米中貿易戦争の激化の悪影響を受けるかもしれませんし、米国経済が景気後退に陥った場合もそうです。

その一方、米国がカナダとメキシコに対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税の撤廃で合意したため、自動車材料の値下げにつながり、両社にとってはポジティブ材料となるでしょう。(提供:The Motley Fool Japan


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