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豪ドル円レジスタンスは80円⇒79円

前日は、あまりにも不安定な豪ドルの動きがマーケットの主役となりました。強い雇用統計により、豪ドル円は79.80円付近まで急騰、その後、豪州系の銀行がRBAは8月と11月にそれぞれ25bpsの利下げを行うとのレポートを公表したことから、豪ドルは79.00円付近まで急落しました。79.50円付近まで回復したものの、今度は「中国が豪州の石炭の輸入を禁止」とのヘッドラインで78.60円付近まで急落、続いて、中国外務省が「大連の石炭輸入禁止については何も情報はない」とコメントしたことで再び79.00円付近まで反発するなど、まさに乱高下する動きとなりました。ただ、79.00円が一定のレジスタンスとして機能していることから、テクニカル的にはこの水準が今後は意識されそうです。

ECB議事要旨では、理事会のメンバーがユーロ圏経済を悲観的に捉えていることが示されたほか、新たなTLTRO(長期資金供給オペ)に関する分析を迅速に進めるように理事会スタッフに求めていたことが判明しました。ユーロ売りの材料ではありますが、次回の理事会は3月7日に開催される予定であり、TLTROの最終決定までにはまだ時間が必要との考えから、大きくユーロ売りへと傾くことはありませんでした。ただ、中期的に見ていくと、ユーロの方向は下向きにあると考えてよさそうです。

各国の利上げサイクルが停止、または鈍化に向かう中で、唯一前進しているBOC(加中銀)のポロズ総裁が、今後の金融政策の正常化に前向きな姿勢を示したことで、加ドル買いが一時強まりましたが、金融政策の不確実性にも言及したため、その後はじりじりと下値を模索する展開となりました。ただ、利上げサイクルを崩していない通貨であることを考えると、リスクオンに傾いた際には、最もロングに妙味がある通貨ペアになりそうです。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

本日も、引き続きワシントンで開催されている米中閣僚級通商協議に関連する報道が重要視されそうです。本日22日に、トランプ大統領と劉鶴中国副首相が会談するとの報道があり、トランプ大統領が示唆している60日間の延長の可能性も含め、合意に向けて進展があるかどうかがポイントになりそうです。本協議では、知的財産権・サービス・技術移転・農業・為替・非関税障壁をカバーした覚書(MOU)が準備されているとの報道があるものの、中国外務省報道官は「覚書に関する情報はない」と述べており、この点だけが不安視されるところです。また、一部報道では通商合意に中国人民元の安定、切り下げ禁止などが組み入れられるのではないかとの指摘があり、組み入れられれば日米通商協議でも「為替条項」が導入される可能性が意識され、円高に向かうでしょう。

ブレグジット交渉で渦中のメイ英首相は、親EU派の閣僚の大量辞任を回避するため、EUとの間で北アイルランドのバックストップ見直しでの合意を急いでいます。20日のユンケル委員長との会談では、大きな前進はなかったものの継続協議を約束し、週末にバックストップの時限性を法的に保証する合意を交わす可能性が浮上しています。週末中にバックストップの見直しで合意できない場合、二度目の下院採決が再び否決された場合、27日に協議期限の延長を求める修正動議が可決される可能性が高く、政府は協議期限の延長に舵を切ることになります。親EU派閣僚の辞任で期限延長が決まる場合は、延長後に改めて必要な合意受け入れの是非を問う下院採決で賛成多数に持ち込むことが難しくなるため、3月に入っても依然として不透明感が強まる場合は、自ずとポンドの上値が重くなってくる可能性が考えられます。

111円レジスタンスは機能するも、値幅があまりにも小さい

ドル円のレンジ戦略に舵を切りましたが、やはりと言うべきか値幅は非常に小さなものになっています。欧州通貨にやや方向性が出てきていることもあり、110.80円のドル円ショート、このポジションは110.60円にて手仕舞。あくまで短期的にはユーロドルが上昇に向かいそうなため、1.1280ドル下抜けを撤退目途として、1.1320ドル付近でのロング、利食いについては、まずは1.1380ドルに到達できるかどうかを見極めます。

海外時間からの流れ

本日早朝に予定されていたロウ・RBA総裁の講演については、前回の同総裁発言で豪ドルが急落したこともあり、終始歯切れの悪い発言となり、マーケットが動意付くことはありませんでした。ただ、中国との貿易関連での不透明感が一層強まっており、決して状況がポジティブでないことは確かでしょう。基本的には戻り売り、従来は80円レジスタンスでしたが、現在は79円のラインがレジスタンスとして意識されていると思われます。

今日の予定

本日は、独・2月IFO景況指数、ユーロ圏・1月消費者物価指数(確報値)、加・12月小売売上高などの経済指標が予定されております。要人発言としては、ウィリアムズ・NY連銀総裁、ドラギ・ECB総裁、クラリダ・FRB副議長、ブラード・セントルイス連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、クオールズ・FRB副議長などが講演を行う予定です。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。