富裕層・投資家の「今と先」を伝えるキュレーションサイト

葬儀費用で相続税を節税できる? 葬儀費用に含まれるものとは

相続税をいかに抑えるか……資産を保有する人の大きな悩みのひとつです。節税策として「現金を不動産に」「生前贈与を」といったことばかりが着目されています。しかし、もうひとつ注目したいポイントが「葬儀費用」です。日本消費者協会が2017年に行った調査によれば、全国の葬儀費用の平均額は約196万円といわれています。大きな金額になるため、葬儀費用についてしっかり押さえたうえで節税を検討する必要があるでしょう。

葬儀費用は相続財産から控除することができる

葬儀費用,相続税,節税
(写真=fizkes/Shutterstock.com)

相続税の課税価格を算出するプロセスを見ると理解できるでしょうが、葬儀費用は相続財産の価額から控除できます。

・相続税の課税価格の計算(一部)
「相続または遺贈により取得した財産の価額」+「みなし相続により取得した財産の価額」-「非課税財産の価額」+「相続時精算課税に係る贈与財産の価額」-「債務および葬儀費用の額」=純資産価額(赤字の時は0円)

ただし、葬儀費用ならすべて控除ができるわけではありません。この計算式で控除される葬儀費用は、一定の相続人及び包括受遺者が負担したものに限られます。また、葬儀費用といっても葬儀社に支払うものだけでなく、お布施や戒名料といったお寺に支払うもの、香典返しなどがあります。これらすべてが相続財産から差し引けるわけではありません。

葬儀費用として控除対象となるもの・ならないもの

葬儀費用について控除できるものとできないものの区別は次のようになっています。

・葬儀費用として控除できるもの
葬儀費用として控除できるものは次のようになります。

  1. 葬式や葬送に際し、又はこれらの前において、火葬や埋葬、納骨をするためにかかった費用(仮葬儀と本葬式を行ったときにはその両方にかかった費用が認められます。)
  2. 遺体や遺骨の回送にかかった費用
  3. 葬式の前後に生じた費用で通常葬儀にかかせない費用(例えば、お通夜などにかかった費用がこれにあたります。)
  4. 葬式に当たりお寺などに対して読経料などのお礼をした費用
  5. 死体の捜索又は死体や遺骨の運搬にかかった費用

なお、上記3.には葬儀の際に出される料理代、葬儀場までの交通費、お手伝いさんへのお礼、運転手さん等への心づけも含まれます。原則として、控除するためにはこういった費用の領収書を保管することが必要です。

・葬儀費用として控除できないもの
葬儀費用として控除できないものは次のようなものになります。

  1. 香典返しのためにかかった費用
  2. 墓石や墓地の買入れのためにかかった費用や墓地を借りるためにかかった費用
  3. 初七日や法事などのためにかかった費用

香典返しは香典のお返しにすぎず、相続財産と関係がないため控除することができません。また、墓石や墓地は相続税の非課税財産に該当するため控除できません。初七日や法事といった告別式以降の行事にかかる費用については葬儀に直接必要と認めることが難しいため、控除できないものとされています。このほか、喪主や施主以外が負担した生花・盛籠代、位牌・仏壇の購入費用、その他通常葬儀に伴わない費用(司法解剖の費用など)は控除できません。

領収書のない「お布施・戒名料」はどうしたらいい?

「葬儀費用として控除できるもの」にお寺へのお布施や戒名料も含まれます。ただ、こちらについては、通常領収書はもらえません。このまま、相続財産から控除することを諦めるしかないのでしょうか。お布施や戒名料のように、領収書がもらえないものについては、メモを残すことで領収書の代わりとすることができます。メモに書くべき事項は次の通りです。

・お寺の名称
・お寺の住所・連絡先
・金額
・日付
・目的(お布施、読経料、戒名料など)

メモは書きなぐりなどではなく、ある程度体裁を整えたもののほうが望ましいでしょう。また、自分で書いたメモだからといって不当に水増しするのは厳禁です。万が一、税務調査などで疑われないためにも正確な金額を書くようにしましょう。(提供:相続MEMO

【オススメ記事 相続MEMO】
必ずしも相続する必要はない。相続放棄とは?
相続税。遺産を相続できるのはどんな人?どんな割合?
相続税対策としての贈与を上手に活用しよう
相続対策にも有効!等価交換のメリットとは
遺言書があったらどうなる??その効力と扱い時の注意とは