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英国、フランス共に不信任投票懸念、欧州通貨が買われる要因は今のところは一つもない

前日に関しては、引き続き英国のブレグジット関連のヘッドラインにマーケットの注目が集まっており、「英与党・保守党議員らがメイ首相の不信任投票発動に十分な48通の書簡を送付した」との一部報道をきっかけに、メイ政権や国内経済の先行き不透明感が意識され、ポンド売りが優勢となりました。また、「保守党・1922年委員会(保守党党首の不信任動議を扱う委員会)のブレイディー委員長はメイ首相に12日の会談を申し入れた」との報道もポンドの上値を重くする一因となっています。

また、本日メイ英首相への不信任投票が行われるとの報道もあり、引き続きポンドに関しては上値の重い展開が想定されます。ユーロについては、イタリア修正予算案の提出待ちで様子見地合いが強まっていましたが、フランスの左翼政党がマクロン仏大統領の不信任投票を求めているとの報道がユーロ売りを誘いました。ユーロドルでは一時1.14ドル付近までユーロが持ち直していたものの、その後は1.13ドル前半まで値を下げています。また、ポンドドルについても、一時1.2480ドル付近まで値を下げており、ポンドへの不信感が際立っていると考えられます。

欧州通貨以外では、ドルが再び堅調な地合いとなりました。中国は米国製自動車に課している関税の引き下げに動くとの一部報道をきっかけに、NYダウや日経平均先物が上値を拡大したことにより、ドル円は113円付近から113.20円付近まで値を戻し、本日の日経平均株価が大幅上昇してスタートすると113.50円付近まで上値を拡大しています。トランプ大統領が「中国ととても生産性のある話し合いが行われている。重要なアナウンスに注目」とTweetすると米中貿易摩擦に関して新たな進展があるのではとの期待感も、ドル円のサポート要因になっています。ただ、同時進行としてトランプ大統領と野党・民主党指導部がメキシコ国境の壁予算を巡って討論となり、政府機関閉鎖に対する懸念が高まっていることは十分留意する必要がありそうです。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

米中首脳会談にて、対中関税引き上げが90日間猶予されたことが一時的に好感されていましたが、カナダで中国通信機器大手ファーウェイのCFO逮捕との報道により、休戦合意が破棄される可能性が懸念されていました。ただ、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官と劉鶴中国副首相で行われた前日の米中貿易協議にて、「中国が米国からの農産物を大量に購入し、米国製自動車関税を40%から15%へ引き下げる可能性」との報道により、懸念払拭とまではいかないまでも、目先の安心感は確保できています。

本日の東京時間では、カナダ裁判所がファーウェイのCFOの保釈を認めるとの報道があり、この報道によりドル円は113.50円付近まで上昇しています。この水準は、一定のレジスタンスが意識されており、上抜け水準ではストップロスなども考えられることから、この水準で上値が抑えられるのか、それとも114.00円を目指す動きになるかが本日のポイントでしょうか。ただ、リスクイベントを多数控えており、114円を大きく上抜ける動きには発展しない見通しです。

EU首脳会談を控えており、基本的には様子見姿勢が強まってもおかしくないのですが、ブレグジット関連の報道がマーケットの最重要課題となっている以上、引き続きヘッドライン相場になることが考えられます。ポンドと共に再度クローズアップされているユーロについては、マクロン仏大統領が「イエロー・ベスト」のデモ参加者に対し、最低賃金の引き上げや年金に対する課税廃止などを含む譲歩案を示しましたが、「イエロー・ベスト」の抗議者の大半は週末のデモを再び呼びかけており、再度激化するようであれば格好のユーロ売りの材料として見なされそうです。

劣勢も、113.50円を明確に上抜けるまではショート維持

米中貿易摩擦に関する報道が想定外にポジティブな内容になっており、ドル円は上値を拡大しています。ただ、ストップロスがあるだろうと推測される113.50円を明確に上抜ける水準には至っていません。かなり劣勢ではありますが、戦略自体は継続します。113.20円でのショートは113.50円でショートを積み増しです。持ち値平均を113.40円とし、損切り113.75円上抜け、利食い112.70円に戦略変更です。

海外時間からの流れ

ユーロについては、イタリア修正予算案の提出待ちの状態ではありますが、ここにきてディマイオ伊副首相は、フランスもEUが求めているGDP比3%という財政赤字の規律を脅かしているとしたうえで、EUがイタリアとフランスを同等に扱うことを期待すると発言しています。予算案問題については、イタリアをクリアすれば一旦小休止という流れではありましたが、他のユーロ圏の国々に波及するようであれば、再度ユーロ急落リスクが出てきたと考えられます。

今日の予定

本日の経済指標としては、ユーロ圏・10月鉱工業生産、米・11月消費者物価指数などが予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。