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腕時計投資家・斉藤由貴生氏に聞く 2019年注目のアイテム5選

高級腕時計を自分でも使用しながら投資に活用する腕時計投資。その第一人者である斉藤由貴生さんに、現在お持ちの腕時計や、現在気になっているモデルなどをお聞きします。腕時計投資の魅力や基礎知識についてはこちらの記事をご覧ください。

※本記事でご紹介するモデルは値上がりなどを確約するものではありません。投資の特性やリスク等をご理解のうえ、ご購入の判断は、ご自身の判断と責任において行なってください。

所有する腕時計の数に上限は設けず、気に入れば購入する

━━腕時計投資の第一人者として活躍される斉藤さんは、通常何本くらいの腕時計を保有されているのでしょうか。

今現在で言うと7本所有しています。これは、決して7本をマックスと考えている訳ではなく、欲しいモデルがたまたまこの数だったというだけです。投資に使用できる腕時計の所有数は、“何本から”また“何本まで”というような定義していません。そのため、所有本数はその時々で変わります。

もちろん、0本というのは論外ですが、腕時計投資の最大のメリットである「自分でも使用して楽しみながら投資する」という部分を重視すると、気に入ったモデルがあれば購入するというスタンスが大切です。

そのため、本数の上限はありません。気に入ったモデルがあれば、気に入らなくなったモデルを売却して購入資金の一部にすることもあります。コレクションという側面を考えた場合には、今所有している腕時計にはない要素のものを購入するときもあります。しかしこの場合も、本数ではなくデザインや構造などをベースに考えて購入しています。

━━今所有されている腕時計で、期待したのに思ったように価値が伸びなかった腕時計というものはありますか?

ROLEX(ロレックス)のミルガウスです。これは、もともと市場での価値が上がるとは思っていなかったので「期待したのに」という部分にはあてはまらないかもしれませんが。はじめから値上がりは厳しいと感じていたので案の定でしたね。それでも購入した理由は、デザインなどを気に入ったからです。

ミルガウスは、それまでシリーズ廃止となっていましたが、2007年に専用ムーブメントを新たに開発し復活したことで、販売当初は話題になりました。しかし現在、目立った値動きはありません。
ミルガウス‐オイスタースチール(写真=ロレックス)
とはいえ、現在このモデルを売却すれば、いくら値動きが小さいと言っても購入時に近い金額で売却することが可能でしょう。しかし、たとえ売却時の交渉で買った値段プラス10万円の査定だったとしてもまだ売却はしません。なぜなら、今のところ気に入っているからです。次にミルガウスの代わりに購入する時計の満足感が、この利益だけで代替できるか微妙なところです。ミルガウスはなにかと便利なため、コレクションの中で意外と重要なポジションに食い込んでいるのです。

気に入っている時計をわずかな値動きで売却するのはもったいない。腕時計投資は、気に入っているモデルを自分で使用して、楽しみながら投資を行うという部分が大切です。売り時として考えるなら、プラス100万円の利益になる、ということであれば売却するかもしれませんが。

なぜなら、ミルガウスというモデルの価値がそこまで上がれば、なかなか人気の出ることのなかったモデルがここまで価値を上げた、というドラマを味わうことができるからです。また、それだけ利益が上がれば、次の腕時計をスムーズに購入することもできますしね。

モデルとしての特徴が独特すぎて、現状の相場以上に値動きしない、と判断したものは早い段階で決断しますが、ある程度人気が保てるモデルで気に入っているのであれば、長く使用するのも選択の1つです。

腕時計投資・斉藤由貴生さんが今注目する高級腕時計 5 選

パテック フィリップのゴールデン・エリプス(写真=Wealth Lounge編集部)
━━売却した後に、自身が普段使いするのにあった腕時計を売却金額で購入できるかということも大切なんですね。今、ミルガウス以外に気に入っている、気になっているモデルはありますか?

決して、これから値上がりが確約できるというわけではありませんが、純粋に気になっているモデルはいくつかあります。

1本目:パテック フィリップ(Patek Philippe)のゴールデン・エリプス

1本目は「パテック フィリップ(Patek Philippe)のゴールデン・エリプス」。今日身に付けている腕時計です(上記の写真参照)。現在のパテック フィリップの中でも、とくに注目されていないモデルと言えるでしょう。腕時計ファンの中では、80年代のデザインのようでダサい、と言う人も多いかもしれませんね。今日身に付けているものも昔のデザインのようですが、実は2005年以降製造の意外と最近のものです。

ただ、よく見てみるとたまらなくなってくる。ファンのツボを押さえているというか、後から欲しくなるモデルなんです。この“よく見てみると”という部分は、価格が高騰している同じパテック フィリップのノーチラスと同じベクトルのデザインといえます。

違う表現をすると、ノーチラスの人気がでるまでと同じ文脈を感じるのが、このゴールデン・エリプスです。そのため、もしかしたら2005年代以降のモデルに関しては、今後人気が出るのではと期待しています。ただ、市場に出回っている数が少ないという点が少し不安ではあります。どうなるか、楽しみですね。

2本目:オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)のロイヤルオーク

2本目は「オーデマ ピゲのロイヤルオーク」。これもノーチラスを基準に考えて期待できる時計です。オーデマ ピゲとパテック フィリップは、腕時計ブランドの中でも雲上ブランドと呼ばれるほど、高級なアイテムを製造するブランドです。この2ブランドからは、もともとロレックスのようなベクトルの腕時計は出ていませんでした。

しかし、ロレックスのモデルに似通った腕時計がオーデマ ピゲから発売されました。それがロイヤルオークです。そして、これを踏襲して同じデザイナーに依頼して作られたのがノーチラスです。

今は後発のノーチラスの方が圧倒的に人気が高く、価格も高騰しています。一方、ロイヤルオークはそこまで注目されていません。しかし、ノーチラス人気を見ると、さきほどと同じようにモデルのたどってきた文脈は似通っています。そのため、今後期待できるのは?と考えています。とくに、80年代以前製造のオーデマ ピゲのロゴが旧タイプのものが珍しいので注目しています。

3本目:ロレックス(ROLEX)のGMTマスター 16700 青赤ベゼル A盤

3本目は「GMTマスター 16700 青赤ベゼル A盤 」。GMTマスターというのはロレックスの人気モデルなんですが、GMTマスターⅠとGMTマスターⅡが存在します。そのうち、GMTマスターⅠの最終モデルが16700です。
GMTマスターⅠ。画像は「6542」というGMTマスターの初代モデル。市場価格は既に数百万円単位となっている(写真=ロレックス)
普通、最終モデルは価値が上がるものなのですが、ⅠとⅡの差があまりなく、実質製造終了に数えられていないんです。しかし、2006年時点では56万円ほどだった価格が、現在99万円近くまで上昇しています。GMTマスターⅡの16710というモデルも価格は上がっているのですが、最終モデルはやはり、今後注目されるだろうと想定しています。

現行時代はファンの間で青と赤の特徴的な色使いがちょっとダサい腕時計だよね、と言われていたのですが、生産終了後から特徴のあるデザインの人気が上がってきているようです。

4本目:ヴァシュロン コンスタンタン(Vacheron Constantin)のサルタレーロ

4本目は「ヴァシュロン コンスタンタン(Vacheron Constantin)のサルタレーロ」です。非常に数の少ない腕時計で、日本で売りに出されることはほとんどありません。そのため多くの場合、海外で購入することになるでしょう。日本の時計店でたまに売りに出ることもありますが、なかなか見かけることのない1本です。

私自身も欲しい1本なのですが、以前見かけたときに価格はおおむね220万円ほどの売値でした。次に売りに出されたときに価格が上がっていて、さらにそれが売れればもっと上がるかもしれません。

価格については正確には予測できないところですが、デザインがよく、自分の時計コレクションの中で、ゴールデン・エリプスとロイヤルオークの間に置きたいと考えています。他の腕時計と組み合わせて保持したいというのも、腕時計ファンの特徴ですね。

5本目:パテック フィリップ(Patek Philippe)のアクアノート5066/1A

最後の5本目は「パテック フィリップ(Patek Philippe)のアクアノート5066/1A」。他のアクアノートは価格が上昇しているのに、このモデルは上がっていないので、もしかしたら、と考えている1本です。

特徴としてはミディアムサイズと言って、メンズモデルながら少し小さめのサイズが特徴的です。同サイズはあまり人気がなく、今後も同じようなアクアノートというのは発売されにくいと考えられるので希少性があり、ほかのものと同じくらいの価格になるのでは、と期待しています。

以上、5本が現在気になるモデルです。あくまで主観で選びましたので、購入する場合は読者の方々の責任で購入を検討してください。

ブランド力が強くなければ、市場の値動きは期待できない

━━ありがとうございます。注目されている5本をご紹介いただきましたが、いずれも腕時計に詳しくない人でも名前を知っているような、ブランド力が強いものという特徴を感じました。

その通りです。腕時計投資以外でもそうですが、自身の購入するものは売却時に購入金額をカバーできるように購入したいと考えています。たとえば、家電もそうです。パソコンはアップルのMacBookシリーズを購入したり、ブラックベリーの携帯を使用して、買った値段に近い額で売ったり、目に止まったウイスキーを売却して利益を出したり。趣味性が高くブランド力も高いものを購入するようにしています。

ブランド力が高いということは、共通の認識を持つことができます。多くの人が特定の製品に対して“それが欲しい”という状況になれば価値や価格というものは動きます。腕時計はまさにそうですね。今回ご紹介した5本は、私自身で価値が上がると予測するときに他モデルや同じシリーズ内での違いなどを元に予測を行っています。

しかし、ほかの腕時計ファンも同じようにこまかな構造や価値の違いを認識できないと、そもそも市場の流通が回りません。ブランド力の高いものを対象にするというのは、腕時計にかぎらず、投資の基本と考えられるでしょう。

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