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米小売売上高の内容は、FRBの2019年利上げ期待を打ち消した

前日の海外時間では、結果としてはホワイトハウスから「トランプ大統領は予算案に署名すると同時に、メキシコ国境の壁建設費用を確保するために国家非常事態を宣言する」との声明がありましたが、一時トランプ大統領の側近から「大統領が現時点で共和・民主両党が合意した予算案に署名するがどうか確信が持てない」との報道によりリスク回避の動きが強まりました。また、米・12月小売売上高が前月比予想+0.1%に対して結果は-1.2%、コアについても予想±0.0%に対して結果は-1.8%と大幅に悪化しました。これまで強い内容に回帰していた米国の経済指標が再び悪化したこともあり、FRBによる利上げペースが更に鈍化するとの思惑がドル売りを誘いました。同小売売上高の内容については、約9年ぶりの大幅減少になっています。

ポンドについては、依然として混沌とした状況に変化はありません。EUとの協議継続を目指すメイ英首相の方針が議会で否決される可能性が事前に高まっていたことで、ポンドは軟調に推移していたこともあり、英下院議会がメイ英首相の方針を反対多数で否決したと伝わっても影響は限定的となりました。今回の議会採決に法的拘束力はないものの、EUとの協定案修正を巡り協議するメイ英首相の交渉力は日に日に弱体化していることが明白となりました。

ユーロについては、独・第4四半期GDPが注目されていましたが、市場予想+0.1%に対して結果は±0.0%となったものの、懸念されていたドイツのリセッションは辛うじて回避できたことでユーロについてはやや買い戻しが強まりました。ただ、同指標発表時に一部で実際の数字よりも強い内容を誤配信したことで、実際の数字が出た時にはユーロドルで1.1250ドルまで下落する場面がありましたが、影響は一時的なものになりました。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

米中通商協議については、トランプ大統領がより長く交渉ができるよう期限を60日間延長すべきかどうか検討していると報じられました。開催前より比較的楽観論が強まっていましたが、協議開始後もネガティブな内容が出てこないことから、このイベントについてはドルの買い戻しに繋がるものと考えられます。本日は、習中国国家主席とライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官が会談予定とのことで、昨日同様に出てくるヘッドラインについては、ポジティブな内容になるのではないでしょうか。

MPC金融政策委員会のブリハ委員は、政策金利の引き上げは年1回程度の0.25%刻みの利上げが適切との認識を示しました。ただ、条件としては、世界経済が今以上に鈍化しない、英国がEU離脱で移行期間を確保する、賃金の伸びが物価に圧力を加える、など現時点での英国の状況を考えると難しい内容になっており、例え「合意なき離脱」を回避できたとしても利上げが遠のくと市場が判断するのであれば、徐々にEU離脱案件なくともポンド売りが強まる可能性がありそうです。

1.1250ドルがサポートとして意識されるユーロロングが面白そうだ

1.2950ドルのポンドドルのショート、1.2830ドルにて利食い、手仕舞です。1.2830ドルのサポートラインを早々に下抜けてしまう動きは想定外でしたが、120ポイント抜きであれば及第点でしょうか。ただ、本来であればここからポンドの買い戻しが入る可能性が高いのですが、状況が状況だけにチャートだけで判断するのは危険なので、ポンド関連はここからは難しいため、再度方向転換。1.1250ドルが短期サポートとして意識されるユーロドルのロングが面白そうです。1.1220ドル下抜けを撤退目途とし、1.1280ドル付近での買い戦略。利食いについては、目先レジスタンスの1.1340ドル付近に設定します。

海外時間からの流れ

東京時間に、米下院は政府機関の閉鎖を回避するための国境警備予算案を可決との報道があったものの、トランプ大統領が、予算案に署名はするものの、非常事態宣言によりメキシコ国境の壁建造費用を捻出する可能性が警戒されており、NYダウ、日経平均株価、中国株と総じて軟調なことが上値を抑えています。週末要因のポジション整理の意味合いもあり、本日のクロス円は、戻りがあったところは売られやすい傾向にあると考えられます。

今日の予定

本日は、英・1月小売売上高指数、米・2月NY連銀製造業景気指数、米・1月鉱工業生産、米・2月ミシガン大学消費者信頼感指数などの経済指標が予定されています。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。