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米中貿易戦争を背景とするアップルの株価乱高下の備えを

モトリーフール米国本社、2019年5月21日投稿記事より

アップル(ティッカー:AAPL)の株価は、昨年末の下落分を取り戻し、時価総額も一時1兆ドルに達しましたが、ここにきて再び大きく下落しています。トランプ大統領が5月上旬に発表した中国に対する追加の制裁関税に加え、米企業に対して中国の通信機器大手ファーウェイとの取引を事実上禁止したことで、中国でのiPhoneの売上や製造に大きな影響を与えるとみられるためです。

その結果、アップルを弱気相場に追いやり、5月だけでも同社株は11.4%下落しています。21日の取引終了時点では、昨年10月に達した過去最高値の233.47ドルから20.1%下落しました。

米中貿易戦争
(画像=Getty Images)

貿易戦争の大きな影響

投資家が、追加の制裁関税のアップルへの影響などについて大きな懸念を抱いているのは当然です。HSBCのアナリストErwan Rambourgは、貿易戦争のアップルブランドへの影響などを考慮し、12月以降アップルの目標株価を4度引き下げています。中華圏はアップルの売上高の約18%を占めると言われ、もしこの地域での売上が低迷すれば、アップルの全売上高を押し下げることになります。

また、モルガン・スタンレーによれば、最近導入された25%の関税により、iPhone XSの1台当たりのコストは約160ドル上昇する可能性があるとのことです。iPhoneはほぼすべて中国で製造されているため、コスト上昇分は値上げで消費者に転嫁されるか、またはアップルの利益を食うおそれがあります。

アップルの2019年度上期(2018年10月~2019年3月)の売上高は前年同期比5%減少しており、減少分はほぼすべて中国関連でした。第1四半期(2018年10月~12月)の決算発表の際、CEOのティム・クックは、中国における低迷が売上高の減少要因となったと強調していました。しかし、その後クックは、中国の状況は改善しつつあるとコメントしていました。

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中国問題の状況次第

アップルの歴史を振り返ると、大きな下落局面が何度かありましたが一時的なものでした。アップルの投資家はこういった下落に耐え、そしてアップル株は回復を重ねてきました。

中国関連では、2015年半ばに中国経済の経済減速懸念から中国の上海株式指数が約30%下落した際、アップル株も直近高値から30%以上下落しました。しかし、中国市場の状況が好転するにつれ、アップルの株価も回復し、さらに上昇しました。中国経済と貿易戦争というアップル株に大きな影響を与えている2大要因が解決すれば、同社株は回復するとみられます。

しかし、これには時間がかかるおそれがあり、さらにファーウェイへの制裁に対する中国政府の報復やアップル製品へのボイコットの可能性も浮上しています。投資家は当面はアップル株の乱高下に備えるべきでしょう。(提供:The Motley Fool Japan


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