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第4次産業革命に乗り遅れないためには 未来の職業について考える

世界は第4次産業革命の到来で、IoT、ビッグデータ、AI等の新しい言葉に溢れ労働市場にもその影響が出始めております。1月に行われた世界中の経済人が集まるダボス会議でも話題となった職業の未来。我々は職業について今どのような意識改革が必要なのでしょうか。

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2019.2.22

LinkedInのデータからみる職業の未来

我々の仕事はAIやビッグデータに取られてしまうのでしょうか。

確かに、第4次産業革命によりマニュアル化、ルーティン化された職種の中には既に影が薄くなり始めている仕事もあります。しかし、新しい産業も生まれ、それに伴う新しい技術、モノ、サービスが必要となり新興職種が創出されたり、働き方革命が始まっていることも事実です。
仕事を取られてしまうというよりも、求められるスキルや働き方がどんどん変わって行く、と意識した方がよいのではないでしょうか。
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ビジネスパーソン向けSNS「LinkedIn」では、世界中にいる約6億人のメンバーの職業の動向データを元に労働市場、経済がどのように変化しているかということを毎年分析しています。そのレポートはEconomic Graphといい、世界経済フォーラムなどでも利用される信頼性の高い情報です。
2018年12月に発表されたEconomic Graphの報告によると、2014年から2018年の間にLinkedInメンバーがついた新興職種のトップ3とその増加幅は次のとおりです。

◆1位  ブロック・チェーン開発職 33倍
◆2位  機械学習エンジニア 12倍
◆3位 アプリケーション営業幹部 8倍
2012年~2017年での増加幅1位の新興職種は機械学習エンジニア(9.8倍)、2位がデーターサイエンティスト(6.5倍増)、3位は営業開発(5.7倍)でした。

さて、このレポートから何がわかるか考察していきたいと思います。

「ソフトスキル」+「STEAM」がキー

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注目すべき点は、第4次産業革命でハイテク関連の職種だけが急成長している新興職種ではないということです。

2018年のデータでは急成長している新興職種上位15位の中には「営業」、「コンサルタント」等の言葉がついた、人にしかできない新しい名前の職種が7つありました。
ハイテク関連の新しい職種が最も急激に成長し、2015年から2017年で世界的に190%も増えていることは確かである。しかし、コミュニケーション、リーダーシップ、マネジメントなど、人間特有の「ソフトスキル」への需要も増えている、とLinkedInの副社長アレン・ブルー氏はダボス会議の報告記事で指摘しています。
また、元マイクロソフト代表・成毛眞氏も就職情報サイト「type」のインタビューで営業職がなくなることはない、しかし昔流の営業について、「体育会系で人当たりが良い熱血漢みたいなのってとっくに終わっている」と語っています。
成毛氏は営業職でもこれからの時代は「STEAMの知識、つまり理系的な専門知識を身につけることは不可欠である」。そして、「人付き合いや人情に甘えず、自分の頭で考え企画提案できる人」が有利になると、付け加えております。(STEAM=Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)

専門職、ハイテク技術者にも求められる新たなスキルとは

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労働市場の傾向として目立つのは多様な分野、様々な産業で活用できる応用力と包括的なスキルセットの需要が増えていることだとLinkedInは指摘しています。これは特に専門職、ハイテク技術者に言えることです。
2017年末の報告ではトップ20にも入っていなかったブロック・チェーン開発職が2018年末のレポートでは33倍と急激に増え、機械学習エンジニア職の増加幅をはるかに超えました。
これは仮想通貨のブームによるものだけではありません。ブロック・チェーンの追跡システム技術を利用した新たなアイデアを、様々な産業が取り入れようとしていることが反映しているといえるでしょう。

例えば、食品産業では消費者の食の安全を守る為に生産地、生産農場など関連データを追跡できるようなシステムを開発しているようです。ブロック・チェーンの追跡システムの応用がこのように様々なことを透明化していくために活用されるのでしょう。
ハイテク業種は速いペースで必要とするスキルの需要が変わっているのです。ハイテク技術者には時代に合った応用力や柔軟性のあるアイデアそしてコミュニケーション能力が求められているということです。
また、医師、弁護士、会計士などの専門職でさも、過去のデータから処理出来るような一般的なケースを扱う分野では、ビッグデータやAIが代替えするようになっていることも最近はよく話題になっております。
どんな職業であれ、今後はなにかしらの新しいスキルを身に着けるべくチャレンジが迫られているようです。そのためにも、常に信頼性の高い情報を色々な角度から収集し、市場はどう動いているのか、何が求められているのかということを常に意識し、柔軟に対応していくことが大切ではないでしょうか。
参考記事:
K. ブリーン

K. ブリーン

アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。

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