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短期トレードを避けるべき3つの理由と中長期投資のすすめ

個人投資家は原則、短期トレードを避けた方が無難です。日米ともに株式市場は現在、アルゴリズム取引が主流になっています。アルゴリズム取引とは、コンピューターが自動的に注文内容やタイミングを決定して発注する取引のことです。

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そしてアルゴリズム取引はHFT(High Frequency Trading)と呼ばれる超高速・高頻度の取引を繰り返しています。さらにAIによってアルゴリズムの取引は高度化しており、ますます株式市場の高速化・高頻度化が今後も進んでいく見込みです。

個人投資家はアルゴリズムの超高速取引に真っ向から速さと正確さで挑めるのでしょうか。結論からいうと一般的な個人投資家が真っ向からアルゴリズム取引と同じ土俵で速さと正確さで勝負するのは難しいでしょう。個人投資家は中長期投資で、アルゴリズムの高速取引とは違う時間軸で市場に参加するべきです。

短期トレード
(画像=Getty Images)

アルゴリズムの高速取引に人間が勝てるのか?

アルゴリズムの高速取引に個人投資家が同じ土俵で戦うのは非常に困難です。

例えばアルゴリズム取引をしているファンドやプレイヤーは、取引所と同じデータセンターに発注するサーバーを設置することでアクセス速度をあげるなど個人では難しいことをしています。また正確さと速さはアルゴリズムの得意分野です。

人間が手動でアルゴリズムのように正確な判断をし素早く発注することも簡単ではありません。例えばアービトラージなど市場の歪みを見つける正確さと速さが重要な取引で、個人投資家がアルゴリズムと同じ土俵で戦い続けるのは無謀です。

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AIアルゴリズムの台頭で投資銀行ゴールドマンサックスのディーラーが約600人から2人になってしまったことも、人間からアルゴリズムに株式市場のプレイヤーの主役が移った象徴的な事例です。

短期トレードを避けるべき3つの理由

個人投資家は、アルゴリズムやAIが支配している現在の株式市場で短期取引で利益をあげ続けるのは年々難しくなってきました。今後も高速化だけでなくAIによる複雑化も想定されるため、ますます個人投資家の短期トレードは難しくなるでしょう。個人投資家が短期トレードを避けるべき3つの主な理由は以下の通りです。

アルゴリズムに短期トレードで勝つのは難しい

アルゴリズム取引の得意領域は速さと正確さです。株価や出来高などに応じてアルゴリズムは高頻度で取引を繰り返します。一瞬で1万回以上の注文を繰り返すことができるとも言われており、同じ土俵で人間がアルゴリズムに戦いを挑むのは無謀です。

さらにAIもトレーディングの世界に既に参入しており複雑化も進んでいます。アルゴリズムの得意領域で個人投資家が戦いを挑むのは無謀です。

短期売買は手数料負けしやすい

アルゴリズム取引が主役になっているアービトラージなどの取引以外にも1日〜数日の時間軸で取引をするデイトレードやスイングトレードなら、アルゴリズムの影響をそこまで受けないのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。つまりスキャルピングのような、短期取引の中でも何度も取引を繰り返すような方法以外ならアルゴリズムの影響はあまりないのではという考え方です。

しかし短期売買は必然的に取引回数が増えるため手数料がかさみます。特に日本のネット証券から米国株などの外国株を取引する場合は手数料が日本株などよりも割高な分、手数料負けしやすくなります。日本の大手ネット証券では米国株取引が片道5USD〜20USDです。往復取引となると、片道で10USD〜40USD。1日の間に何度も取引するとなると無視できない負担になります。

生活に支障をきたす

個人投資家の短期取引は生活に支障をきたしてしまうことも珍しくありません。短期取引をするとなると、日中の株価の動きに気を配らなければなりません。

また売買をする際にも裁量でトレードをするなら、何度も売買の判断をすることになるため精神的に負担がかかります。システムトレードでもシステムの運用がうまくいっているかどうかなど丁寧に確認しなければならないため、日々の生活が株価に振り回されがちになります。

個人投資家は中長期投資なら戦える

個人投資家はアルゴリズムと同じ土俵で超短期トレードを繰り返すべきではありません。また、デイトレード・スイングトレードなども手数料や日常的な負担も高いため、短期取引を続けることは難しいのではないでしょうか。しかしアルゴリズムとは違う時間軸で取引をするなら、個人投資家として成功するのは決して不可能ではありません。トレーディングのようなゼロサムゲームではなく、時間軸を長く設定したプラスサムのゲームで戦うべきです。

機関投資家よりも身軽だからこそできるモメンタム投資

アルゴリズムやAIに先回りして短期トレードで勝つのは難しいため、先回りしないでも良い投資法が個人投資家に向いています。例えばグロース投資も含めたモメンタム投資は、個人投資家でも取り組みやすい投資法のひとつです。ファンドは中長期投資をするにしても預かっている資金が個人投資家よりも大きいため、買う時も売る時も1日では終わらず数日かかることも珍しくありません。

しかし個人投資家のポジションならば、1日の間に売買は完結するでしょう。つまり、機関投資家がつくりだす大きな動きに後ろから身軽についていきやすいのです。アルゴリズムに先回りして投資をすることも未来を予測することも不可能ならば、個人投資家は市場の動きに反応して無理なくついていけば良いのです。

この投資法なら、一度買ってしまえば後は持ち株の決算発表やあらかじめ決めておいた売りのルールに従って売りをする以外は、基本的には放っておいても問題ありません。

中長期投資なら手数料も抑えられる

中長期投資なら必然的に売買の回数を抑えられるため手数料の負担が小さくなります。特に米国株投資のような手数料が日本株よりも一般的に高いアセットを取引する場合、手数料の負担が重くなります。

無理せず投資できる

中長期投資なら無理せず投資をすることができます。単純に長い時間軸で取引をするため、毎日の株価の細かい値動きに翻弄されずにすみます。

特にアルゴリズム取引が主流の現在の株式市場の細かい値動きに、正確にそして速く毎日対応することは決して簡単ではありません。中長期投資は一度ポジションを持ちさえすれば、後は決算発表やコンプライアンス違反などの大きなニュースに反応する以外は投資以外のことに時間を割くことができます。

米国株は中長期向けのアセット

米国株は特に中長期投資向けのアセットです。投資家に利益を還元しようとする姿勢をもった企業も多いため配当重視の中長期保有にも向いています。

またアメリカには時代を牽引するイノベーティブな銘柄も多く、中長期で十分に伸びていく銘柄も珍しくありません。そのため米国株は中長期投資家に向いているアセットと言えます。

日米ともにアルゴリズムによる取引が主流になっている今、個人投資家が短期トレードで利益をあげることは難しくなりましたし、機会も少なくなりました。AIとアルゴリズムの進化によって、短期トレードは今後もますます個人投資家にとって厳しくなるでしょう。

またアルゴリズムによるHFTは確かに市場の振れ幅を増長している面もありますが、市場の歪みを是正し流動性を高めている側面もあります。決してアルゴリズムは市場に悪い影響ばかりを与えているわけでもないのです。

まとめ

個人投資家は、現在のアルゴリズムが主流の高速売買に対応することが難しくなってきました。また取引手数料やライフスタイルの観点からも短期トレードは避けたほうが無難です。

個人投資家は中長期のアルゴリズムの高速取引とは違う時間軸で売買する方が個人投資家の利点も生かせますし、無理がありません。特に米国株は中長期で投資するに値する魅力的な銘柄も多いため、中長期投資家におすすめの市場です。(提供:The Motley Fool Japan


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