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生前贈与で資産の有効活用&節税 相続時精算課税制度とは?

最近は高齢化が進み、相続による子供や孫への資産移転時期は確実に遅くなっています。

相続を受ける時点で子どももすでに高齢者、そんなケースも少なくありません。とはいえ、生前贈与すると多額の贈与税がかかります。このように高齢者に資産が偏っていては、お金が消費に回りません。

制度活用で2,500万円までの贈与が非課税に

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(画像=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)

「お年寄りから現役世代への資産移転を促し、みんなにお金を使ってもらって経済を活性化しよう」

そんな狙いで2003年に導入されたのが、相続時精算課税制度です。この制度を活用すれば、両親や祖父母からの贈与分2,500万円までは、贈与税が非課税になります。しかもこの非課税枠は、贈与者1人ごとにカウントされます。例えば夫婦がそれぞれの父母から枠いっぱい贈与を受ければ、2,500万円×4人=1億円が非課税になるのです。

2,500万円を超えた部分について、一定率の20%が課税されます。例えば贈与額が3,000万円の場合、課税される贈与税額は(3,000万円-2,500万円)×20%=100万円です。ちなみに一般の贈与税では、贈与財産が増えるごとに税率が上がる超過累進税率(最高税率55%)が適用されます。

相続時精算課税の適用を受けた財産の価格は、相続時には相続税の課税価格に加算され、課税されます。つまり相続時精算課税は、税金の免除制度ではなく、課税を先延ばしする繰り延べ措置なのです。

ダイレクトに節税につながるわけではありませんが、生前贈与により資産を有効活用したいときに役に立つ制度です。

相続時精算課税を節税スキームとして使う

では、相続時精算課税制度は節税スキームとして利用できないのでしょうか。そんなことはありません。

例えば、父親が所有する運用利回り5%の賃貸オフィス1億円を、相続時精算課税制度によって贈与された場合を考えてみましょう。

15年後に父親が亡くなれば、その時点で1億円が相続税の課税価格に加算されるので、「結局課税額される相続税額は変わらないのではないか」と思われがちです。

その賃貸オフィスは、毎年1億円×5%=500万円の収益を生み、15年間で合計7,500万円になります。相続時精算課税制度の活用により、賃貸オフィスという資産だけでなく7,500万円の収益も子どもに移転しますが、これに相続税は課税されません。

普通に相続した場合には、15年間の収益7,500万円が父親側に貯まるので、これも相続財産として課税されます。

このように贈与財産の運用益と合わせて考えると、相続時精算課税制度を使った節税ができるのです。

住宅取得資金の贈与税非課税との併用も

親からの贈与で最も多いのが、住宅取得資金です。

父母や祖父母から住宅取得資金の贈与を受け、一定の条件を満たす場合は一定額までは贈与税が免除されます。限度額は、消費税増税前の住宅取得なら最大で1,200万円(省エネ等住宅の場合)です。ちなみに省エネ等住宅とは、省エネ・耐震・バリアフリーなどについて一定の性能が証明された住宅のことです。

住宅資金贈与の非課税制度と相続時精算課税制度は併用できます。つまり最大で、1,200万円+2,500万円=3,700万円について贈与税が非課税になるのです。このうち1,200万円が贈与税の免除、残り2,500万円が課税の繰り延べです。

最後に 併用ができない制度もある

贈与税の基礎控除額は110万円であり、1人が受ける贈与が毎年110万円以内なら贈与税はかかりません。この制度を活かした節税策が暦年贈与ですが、相続清算時課税制度の適用を受けた場合は暦年贈与の併用は認められません。

仮に、毎年110万円贈与したらその分は相続時精算課税とみなされ、2,500万円を超えた分に対しては20%の税率が適用されます。

相続時精算課税の適用を受けたにも係わらず、本人がすっかりそのことを忘れ、毎年110万円の贈与を行い税務署から指摘される、そんなケースも少なくありません。

相続人精算課税は、取り消しができません。それをしっかり認識して、制度を有効活用するようにしてください。(提供:WEALTH WINDOW


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