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深刻化する労働力不足-労働供給制約が景気回復に水を差す可能性

要旨

米国,労働力不足
(画像=PIXTA)
  1. 米国では10年以降、労働市場の回復が持続している。労働市場の代表的な指標(雇用ヘッドライン)は、非農業部門雇用者数が統計開始以来最長の雇用増加期間となっているほか、失業率が一時およそ50年ぶりの水準に低下しており、労働市場の「量」の改善を示している。
  2. また、イエレン前FRB議長が労働市場の「質」を判断する上で重視した指標も軒並み大幅な改善を示しており、労働市場は「質」の改善を伴いこれまで経験したことのない回復の可能性を示唆している。
  3. 一方、回復の長期化に伴い、労働力不足が深刻化している。製造業や建設業の熟練労働力の不足に加え、中小企業でも人材の確保が困難となっており、労働力不足の業種や技能レベルの範囲が広がっているとみられる。
  4. 企業の採用意欲は依然として強いものの、高齢化の影響もあって労働力人口の増加余地が限定的となってきており、今後は雇用増加ベースの鈍化が不可避である。
  5. 米景気拡大期間は史上最長の更新が視野に入ってきたものの、財政や金融政策の景気刺激効果の剥落に加え、労働供給制約が景気回復に水を差す可能性がでてきたと言えよう。
米国,労働力不足
(画像=ニッセイ基礎研究所)