富裕層・投資家の「今と先」を伝えるキュレーションサイト

決算発表で投資成果を上げる方法

今は決算発表の真っ只中です。日経新聞の記事によると、上場企業の2020年3月期の純利益は28兆4,500億円程度と前期比で1.4%減となり、19年3月期に続いて2期連続での最終減益の見通しだそうです。さて、このように難しい局面で投資の精度が上がる、決算分析のコツをお伝えします。

 (38967)

2019.5.24

あなたの投資先は業績予想は開示、それとも非開示?

 (38979)

決算発表で一番注目すべきは、「今期の業績予想」です。
株式投資では過去の業績よりも未来の業績のほうが当然注目されます。株価は将来の価値を織り込むからです。決算短信で発表される今期の業績予想に注目が集るのはそのためです。
しかし、業績見通しはあくまでも見通し。残念ながら見通しが外れ、上方にでも下方にでも修正を発表されることがあります。ただし、修正発表には厳格なルールが存在しています。適当に発表して良いわけではありません。
業績見通しを開示している会社は、
・見通しの売上高に対して10%以上の増減が発生した場合
・営業利益・経常利益・当期純利益の見通しに対して30%以上の増減が発生した場合
に上方修正、下方修正を開示しなければなりません。
このような厳格なルールがあるのであれば、現在のように米中貿易摩擦の激化で業績見通しをたてるのが難しい局面では業績予想を出さないほうがお得じゃないの?と思う人もいるかもしれません。しかも、有価証券上場規程に決算短信での業績予想開示は、強制開示項目でないと明確に定められていますので、できれば予想を出さずに逃げ切りたいと考えてもおかしくありません。しかし、そうは問屋が卸しません。
業績見通しを非開示にしている会社は、
・前期決算の売上高や利益の額を予想値とみなし売上高で10%以上、各利益で30%以上の変動があった場合
に上方修正、下方修正を開示しなければなりません。
つまり、いずれにおいても前期実績、もしくは、今期見通しから大きく乖離する場合は修正を開示しなければいけないというルールが存在しています。まずは、自分の投資先が業績見通を開示している企業なのか、非開示なのかを確認することから始めましょう。

投資先の業績見通しのクセをつかむ

 (38981)

東京証券取引所が2018年3月に発表した資料によると、なんらかの形で業績予想を開示した上場企業の割合は、96.5%だそうです。ほとんどの企業が発表していることになります。つまり、私達の投資を行っている企業のほとんどは見通しを開示しているため、その業績見通しをベースに株価を分析することになります。
ところがその業績見通しをベースにして、成長性や利益率などのファンダメンタルズ分析を行ったとしても、将来の株価をバッチリ予想することはそう容易くはありません。その予想を阻むものがあります。それが、上方・下方修正です。
上方修正、下方修正は、株価に大きな影響を与える要素であることから、できればその修正を予測したいところではありますが、これを個人投資家が察知することはこれまた容易なことではありません。
それでも、察知するための方法が無いわけではありません。例えば、
・投資先セクターへの業績に影響がありそうなニュースから察知する
・為替の想定レートとの乖離かた察知する
・決算短信などから影響がありそうな事象を把握しておく
などの方法があります。
これに加えて、覚えておいてほしいことがあります。
それは、企業によって業績予想を高めに出す企業と保守的に出す企業があるということです。つまりクセです。
決算発表時に、今期の業績予想を高めに発表した企業は、発表後に株価は上昇するすることが多いため、企業経営者としてはできれば高い業績見通しを発表したいモチベーションが働きます。一方、保守的な業績予想を発表すれば発表後に株価が下落することが多いため、経営者としてはできるだけ避けたいというモチベーションが働きます。
しかし、ルールにあるように一定率を超えて上下するときは、修正を開示しなければいけません。そのため経営陣としては、まずは予想を上回るように経営を行うことを目指すのですが、それでも達成できない場合を想定しつつ業績見通しを作成します。そのときには、「業績予想からいつも上方修正する企業」として投資家から評価をされたい企業か、それとも、「業績を高めに設定してできる限りトライするもののいつもなんとかく業績予想を下方修正する企業」として投資家に評価をされるかを覚悟する必要があります。
みなさんの投資をしている企業はどちらにあてはまりそうでしょうか? どちらを選んでも投資で成果を上げることができます。しかし、クセを知らないと成果を上げる確率はグッと下がります。では、このクセを調べる方法はというと、その企業の過去の修正実績を調べてみましょう。そこには必ず、その企業の「クセ」があります。投資経験の長い人は、ある企業の業績見通しを見て、「あそこはいつも強気すぎて信用できないなぁ」とか、「あの企業の社長は必ず保守的な数字を出してくるけど、最終的にはだいたい3割増しで業績が着地する」などある一定のクセを把握しています。
今のような業績の見通しが厳しいときでも、このような作業を着実に行うことで成果を上げることができるようになります。
 (38985)

元のページを表示 ≫

関連する記事