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業績のボトムと確信できるか

ストラテジーレポート
(画像=Thinkstock/GettyImages)

昨日の大幅安はなんだったのか?と誰もが思っていることだろう。昨日の400円を超える下げについて、いろいろ講釈が聞かれた。主要移動平均を下回ったことで下値目処がなくなっただの、転換点をむかえているだの、あれこれいわれたが、それも1日でひっくり返ったというわけか。

移動平均
(画像=Bloomberg)

日経平均は25日と75日の移動平均を回復。昨日の大幅な下げを1日で埋め戻した。こうした大幅陰線を即、否定するような打ち消し方は意外に相場がしっかりな証拠だ。大きく跳ぶためには、まず一度、膝を屈めなくてはならないのと同じである。

昨日までの陰鬱な相場の背景には来週から始まる4-6月期の決算発表に対する懸念があった。だが、今日の相場の反応を見る限り、それほど不安はないのではないか。良い決算になるというのではない。その逆だ。決算の内容は製造業を中心に振るわないだろう。但し、市場は「この先の回復の兆し」を見始めた。

今日の半導体関連株の大幅高がその表れだ。

TSMCが昨日発表した4~6月期の決算を伝える記事は、「スマホ低迷」「4四半期連続の減益」「10%減少」などと足元の決算がわるいことばかりに焦点が当たった見出しだった。しかし市場は決算発表でのCEOのコメントに反応した。「4-6月期で最悪期は脱した。足元は広い分野で需要が回復し始めている」(魏哲家CEO)

月曜日の週間マーケット展望で半導体関連の決算発表で下期回復につながるコメントに注目と述べたがまさにその通りの展開となった。オランダのASMLも17日発表した4-6月期決算で1株利益が市場予想を上回り5%の大幅高となった。ロジック半導体の需要が強いとの見方を示したのが好感された。

来週からの4-6月期決算で、ここが業績のボトムと確信できるか。もちろん、できやしない。「ボトム」というのは業績にせよ、相場にせよ、必ず「後から」でなければ確認できない。しかし、「確認」してからでは遅いのだ。

一回で買わずに、何回かに分けて買うつもりで買いを入れ始めておくべきだろう。足元は悪いが、先には回復の兆しが見える。いつも言っていることがようやく市場にも届いたようだ。「悪い」と「良くなっている」は両立する。そして市場が先を見始めたとき、そこが最もおいしい投資チャンスである。

今日の東京はこの夏一番の暑さ。梅雨明けも近いだろう。

広木 隆
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト

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