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株式投資の確定申告、必要なケースと不必要なケースを解説

株式投資を開始して、初めて迎える確定申告シーズンを前に、自分は確定申告をすべきなのか、確定申告する必要がないのか……など不安を感じる人もいるはず。ここでは、株式投資と確定申告にまつわる不安を払拭できる節税知識や確定申告のノウハウを解説する。

株式投資で確定申告が必要な人と不要な人 証券口座をチェック

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(画像=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

非課税口座の「NISA/ジュニア」「NISA/つみたてNISA」などを利用する場合を除いて、株式投資によって得られた譲渡益や配当金に対しては、所得税(復興特別所得税を含む)15.315%と住民税5%を合わせた計20.315%が一律課税される。

株式などの取り引きに使用される証券口座には、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の3種類がある。2018年現在の証券税制では、口座の種類によって、確定申告が必要なのか、あるいは不要なのかが決められている。まずは、自分の証券口座がこの3種類のうち、どれであるかをチェックしてほしい。

「特定口座(源泉徴収あり)」の場合

「特定口座(源泉徴収あり)」の場合は、投資家が手持ちの株式を売却する都度、証券会社で税額を計算して源泉徴収してから譲渡益が支払われる。証券会社から「年間取引報告書」が交付されるが、原則的に確定申告の必要はない。

「特定口座(源泉徴収なし)」の場合

「特定口座(源泉徴収なし)」の場合は、株式投資で利益が出ても、証券会社で税金を源泉徴収し納税を代行することはない。そのため、証券会社から交付される「年間取引報告書」に基づいて、確定申告する必要がある。ただし、1ヵ所からの年間給与所得が2000万円以下で、譲渡益や配当金収入を含む給与所得・退職所得以外の合計所得が年間20万円以下であれば課税が免除され、確定申告が不要になる。住民税は免除されないので、自治体への住民税の申告を忘れずに行う必要がある。

「一般口座」の場合 

「一般口座」の場合は、金融機関が「年間取引報告書」を制作してくれないので。自分で1年間の譲渡損益や配当金を計算して、確定申告しなければならない。ただし、年間2000万円以下の給与所得者の譲渡益や配当金の合計額が年間20万円以下であれば、課税免除となり確定申告の必要はない。この場合でも住民税の申告は必要になる。

「損益通算」の方法を確認

譲渡益とは譲渡価額(売却額)から取得額と委託手数料などを差し引いた金額であるが、売却額が取得額と手数料などの合計を下回ると、譲渡損失が出ることがある。とりわけ、年間を通して譲渡損失が出るような場合には、特定口座(源泉徴収あり)であっても、税金負担を減らすことができるので、必ず確定申告で「損益通算」してほしい。

損益通算で税金負担を軽減

損益通算では、譲渡損失と配当金、または譲渡損失と複数の証券口座間の譲渡益を確定申告で相殺することができる。これによって減額された課税対象額で課税額が再計算され、払い過ぎた源泉徴収済みの税金が還付される。

こうした確定申告の手間を省きながら、損益通算の効果を得られる方法もある。あらかじめ、配当金の受け取りも「特定口座(源泉徴収あり)」を指定して、証券会社との間で「上場株式配当等受領委任契約」を結んでおくのだ。これによって、自分で譲渡損失と配当金の損益通算を確定申告しなくても、証券会社で損益通算してくれて、源泉徴収額が多ければ自動的に還付される。確定申告の時間と手間を省きたい多忙なビジネスパーソンには適した方法と言える。

大幅な損失が残ってしまう時は「損失の繰越控除」を

損益通算しても大幅な譲渡損失が残ってしまうような場合には、翌年以後3年間、各年の譲渡益や配当金から繰り越した損失額を控除することができる。これによって課税対象額がマイナスまたはゼロとなれば課税されない。損失が繰り越される限り、3年間は毎年、一定の書類を添付して、「損失の繰越控除」の確定申告をする必要があるので注意が必要だ。

確定申告が必要ないが、確定申告したほうが節税になるケースも

株式の売却益が出たり、配当金を受け取ったりしていても、確定申告が不要なケースについては上記に記した。ただし、確定申告したほうが節税になるケースもあるので覚えておきたい。

年間を通して譲渡損失が出ている場合

配当金が特定口座(源泉徴収あり)受け取りになっていなければ、確定申告で損益通算して、譲渡損失と配当金を相殺できる。また、複数の証券会社に口座があれば、確定申告することで、取り引きのある証券会社全ての譲渡損失と譲渡益を相殺できる。どちらも、払い過ぎた源泉徴収額の還付が受けられる。

課税総所得金額の少ない人で年間通して譲渡損失が出ていない場合

配当金収入については、確定申告不要制度を選択すると、収入に対して一律20.315%の税金が源泉徴収されるので、確定申告は不要になる。しかし、課税総所得金額の少ない人が確定申告不要制度で配当金を受け取っている場合、配当金を総合課税で確定申告することによって、結果的に課税額を減額できることがある。

課税総所得金額が少ない人、例えば総所得金額が年間195万円以下の人の場合、総合課税の累進税率は5%となる。総所得金額が年間195万円超330万円以下だと累進税率は10%、控除額が9万7500円になる。課税総所得金額が少ない人が確定申告をして、配当金を累進税率の総合課税にすると源泉徴収額と清算されて、払い過ぎた税金が還付される。

株式投資を始めたばかりだと、確定申告はどうしたらいいか迷う人もいるだろう。自分は必要か、必要ではないか、しっかりと判断し、上手に資産形成をしていきたい。

文・近藤真里(フリーライター)/MONEY TIMES

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