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東京と地方は別の国?平均貯蓄で3倍以上の差。分かれ目は○○○資産への投資?

ここでは、個人(各世帯)の保有する金融資産を軸に、「最近の動向」「他の国と比較したときの傾向」「地域の格差」の3つのテーマを解説していきます。金融資産というフィルターを通して見えてくるのは日本のどんな問題点でしょうか?

日本人の平均貯蓄額は近年着実に増えている

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(画像=SpeedKingz / Shutterstock.com)

日本は、個人の金融資産保有額が多い国として知られます。そして最近は、その額がさらに増加する傾向にあります。国全体で見ると、各世帯が所有する金融資産の総額は1,800兆円を突破し、2018年には過去最高に達しています。また、各世帯単位で見ても、日本人の平均的な貯蓄額は着実に増えていると言えます。総務省の家計調査によると、各世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額は下記のように推移しています。

2017年はわずかに前年を下回っていますが、大きな流れで見ると2015年以降、1,800万円台をキープしています。参考までに、これ以前の2008年-2012年の間はずっと1,600万円台でした。

日本人の金融資産の中身を見てみると、他の国に比べて「現預金比率が高い」という特徴があります。日本経済新聞によれば、日本・アメリカ、ヨーロッパの金融資産の構成を比較すると、断トツで日本の現預金比率が高くなっています。

過去の日本は、高度経済成長と充実した年金・保険制度を背景に、貯蓄に励むだけで豊かな老後を過ごしやすい環境でした。今後、人口減少の影響で国の活力が失われていくと、貯蓄だけでは老後をカバーできず、投資や資産運用を積極的に行う努力が求められそうです。

都道府県別に細分化すると、東京と沖縄で3倍以上の差

日本の平均貯蓄額をさらに都道府県別で見ると、同じ国に暮らしていても地域ごとに資産状況が大きく違うことがわかります。みずほ総合研究所のレポートによれば(※)、都道府県ごとの世帯あたりの平均貯蓄額では、上位の東京都と下位の沖縄県で3倍以上もの開きがあり、「同じ日本?」との印象を受けます。広域エリアの傾向で言うと、三大都市圏の平均貯蓄額が多く、北海道・東北・四国・九州など地方の平均貯蓄額が少ない傾向が鮮明です。

※:みずほ総合研究所 緊急リポート「高齢化と地域金融エコシステム

貯蓄額の多い三大都市圏では、リスク資産の保有割合が高い傾向

同レポートでは、三大都市圏で「リスク資産の保有割合」が高い傾向があることも指摘しています。リスク資産とは、将来の価値(値動き)の予測が難しい資産のことで、株式・債権・商品取引・不動産などがあります。平均貯蓄率の高い三大都市圏で、リスク資産の保有割合が高いことは両者に関連性がある可能性を示唆します。投資や資産運用の世界では、「リスクをとらないリスク」という表現が使われますが、リスクをとる大都市の方が資産形成で有利だとも考えられます。

このような平均貯蓄額やリスク資産保有割合の格差が生まれる背景は複雑です。同レポートでは格差発生の要因として、次の項目を挙げています。

  • 歴史的に見た産業集積の度合い
  • 金融機関の営業網や戦略の違い
  • 県民性

人口減少で都道府県の貯蓄の格差がさらに広がる懸念も

ここでは、世界でトップクラスの個人貯蓄を誇る日本でも、都道府県別でみると格差があることを解説してきました。そして、貯蓄額の多い三大都市圏でリスク資産の保有割合が高い傾向があることにも触れてきました。

今後、人口減少が本格化する中で、短・中期的に人口が安定する大都市圏と、人口が急減して活力を失う地方が鮮明になってきます。そのとき、都道府県ごとの貯蓄額の格差がますます開くのか、一定のところで固定化するのかについては注視していきたいところです。貯蓄額の格差が極端になれば、ますます豊かさを求めて大都市へ流入する人口が増える可能性もあります。(提供:Wealth Window


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