富裕層・投資家の「今と先」を伝えるキュレーションサイト

有望銘柄に見当をつける有力手段 東証一部 昇格のサインを見逃すな!

マザーズやJASDAQに上場している企業が東証一部などの別の市場に移動することを「市場変更」、東証一部から二部に指定されることを「指定替え」、二部から一部に指定されることを「一部指定」と分けて呼ぶことが多いです。

今回は上位の取引所に昇格するケースに注目します。昇格する企業は、投資家などの注目が集まりやすく、なかでも東証一部に昇格すると、東京株価指数(TOPIX)の算出銘柄に組み入れられるため、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドなどの投資信託から「買い」が入り、株価が上昇することが多い傾向です。

このような「昇格」サインを見逃さず、事前にその企業の株式を購入することで「昇格」後の株価上昇の恩恵を受けている個人投資家も少なくないようです。どうすれば、自分も同じように有望な企業を見つけることができるのでしょうか。

そもそも上場とは

IPO
(写真=MaximP/Shutterstock.com)

企業が株式を上場させることを英語で、「Go Public」と言います。なぜなら、これまで未公開だった企業の株式が上場によって公開され、証券取引所で誰もが購入できるようになるからです。まさに、企業が創業オーナーの手を離れて、世の中の誰もが株主になれるという、公(おおやけ)の存在になる瞬間でもあります。そのため、上場すると社会的信用度は急速に高まります。

また、上場により資金調達がしやすくなるため、「より機動的に新規ビジネスを始められる」「大型のプロジェクトに取り組める」というメリットが生まれるでしょう。一方、上場前は独自の判断だけで事業を進めてきた経営者も、上場した瞬間に多くの株主から健全で持続的な黒字経営や企業価値の向上を求められるようになるため、取締役会の承認を得るなど、組織としての意思決定が必要になります。

そして、経営者であり続けるためには、通常、年に1回の頻度で開催される株主総会において株主から承認を得なければなりません。これらの仕組みが経営の透明化や健全な企業統治につながり、結果として株価の維持・上昇の原動力となるわけです。上場することは、社会的な責任がより重くなるわけで、証券取引所では企業が上場するための厳しい要件と基準を設けており、より上位の市場になるほど、その要件・基準は高くなるのです。

具体的な上場の基準

それでは、上場のための要件と基準とは、一体どのようなものなのでしょうか。証券取引所が定める上場のための審査基準は、「形式要件」「実質審査基準」の2つです。上場申請できるだけの形式要件を満たしていることが大前提で、そのうえで、上場するにふさわしい組織や経営内容かなど、実質的な判断が下されます。

また、上位の市場になるほど、上場基準は厳しくなります。ここで、日本最大の取引所である東京証券取引所(東証)の一部と二部で形式要件を簡単に比較してみましょう。

・東証一部上場(直接上場する場合)
株主数:  2,200人以上
流通株式: 2万単位以上、比率上場株券などの35%以上
時価総額: 250億円以上
純資産額: 連結資産額10億円以上。単体純資産額がマイナスでないこと
利益額:  直近2年の利益総額が5億円以上。もしくは時価総額500億円以上(前期売上高が100億円未満である場合を除く)

・東証二部上場
株主数:  800人以上
流通株式: 4,000単位以上
時価総額: 20億円以上
純資産額: 一部と同じ
利益額:  一部と同じ

さらにベンチャー企業の登竜門であるジャスダックと比べると、東証一部の要件・基準の高さがよくわかります。

・ジャスダック(スタンダード)
株主数:  200人以上
流通株式: 1,000単位もしくは上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上
時価総額: 5億円以上
純資産額: 2億円以上
利益額:  1億円以上

これらの要件・基準を満たしたうえで、企業の継続性、収益性、経営の健全性、コーポレートガバナンスや内部管理体制、情報開示の適正性などについて審査されます。それらをクリアして初めて上場や「市場変更」は認められます。だからこそ、昇格する企業は有望銘柄なのです。

有望銘柄の見分け方

実は昇格しそうな有望銘柄を見つけるヒントが、この上場審査基準にあります。なぜなら、上位市場の厳しい条件をクリアするために、企業はさまざまな事前準備を行う必要があるからです。そのサインを見つけることができれば、昇格前にその企業の株式を購入することができます。代表的なサインは以下の2つです。

1.株主数を増やす
株主数を大幅に増やさなければならないため、昇格を狙う企業は、株主優待を新設したり、優待内容を充実させたりします。また、取引所の時間外に大株主などからの大量の売り注文を、小口に分けて不特定多数を対象に売りに出すことを「立会外分売」と言いますが、個人株主数を増やすことを期待して、この立会外分売を実施する企業も多いようです。株主数を増やす取り組みをしている企業は市場変更の可能性があります。

2.流通株式数や比率を増やす
株主数を増やすことに似ていますが、立会外分売を行うと、株式の流通量が増えるため、当然ながら市場での流動性が高まります。また、「株式分割」といって1株を細かく分割する方法がありますが、これにより、流通する株式の量を増やすことが可能です。これもまた、昇格のためのサインといえるでしょう。

良い会社を買うことが大切

有望銘柄を見つける方法として、今回はより上位の市場に昇格する会社に注目してみました。確かに昇格効果で株価が上昇したら、利益を確定させるという方法も間違いではありません。しかし、昇格できるということは、より健全な経営が行われており、将来性も高いという見方もできます。つまり、良い会社を見つける方法でもあるというわけです。

株主は会社のオーナーです。オーナーのひとりとして、「自分の会社を育てる」という考え方もできます。資産運用は基本的に長い時間をかけて着実に行うものです。「有望銘柄で短期売買するのか」「長期運用にするのか」は、さまざまな視点から考察し、最終的な判断を下すようにしてください。(提供:IFA online


【人気記事 IFA online】
あなたはどこに入る? 富裕層がますます増加中
IFAになるには?証券会社選びなど3つのポイント!
投資家必見! 信頼できるIFAの選び方
IFAに資産運用の相談をするといい3つの理由
IFAが欧米人よりも日本人に合うという理由