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日本の「パワーカップル」は富裕層なのか?欧米との違いや実態は

最近「パワーカップル」が増えていると言われています。とは言え、パワーカップルの定義は曖昧です。欧米のパワーカップルと言えば完全な富裕層のイメージですが、日本のパワーカップルの定義はそこまで「パワー」があるのでしょうか。その実態について迫ります。

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2019.7.31

パワーカップルの定義とは?日本と欧米の違い

パワーカップルとは共稼ぎで、2人とも高収入の夫婦を言います。「高収入」というのがキーですが、どのくらいの収入から「パワーカップル」とよばれるのでしょうか。
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三菱総合研究所が独自の定義としたパワーカップルとは「夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1千万円以上の夫婦」です。

ニッセイ基礎研究所では、定義は様々だと述べた上で、夫婦共に年収700万円超の世帯を『パワーカップル』とした場合、日本の総世帯4,995万世帯のうち共働き世帯は1,389万世帯(全体の27.8%)であり、そして、ここでいうパワーカップルは25万世帯(全体の0.5%、共働き世帯の1.8%)だとまとめています。
定義は曖昧ではあるものの、経済面では夫婦合計年収最低1,000万円の壁を越え、特徴としては購買力があり、贅沢や自己投資への出費に積極的、SNSで情報を発信することを好むカップルと一般的に見られているようです。
欧米でのパワーカップルと言えば、完全な富裕層で、知名度や影響力がある成功者だったり、超エリート夫婦というイメージです。単に収入が平均以上あり、購買力が高いカップルというだけではないようです。
また、逆に、職業や年収とは関係なく、お互いが助け合い、信頼し合い、素晴らしチームワークが出来ているカップルの事を言う場合もあるようです。どちらにしても、相乗効果を発揮しているカップルがイメージされます。
日本のパワーカップルの比率は、共働き世帯の1.8%とまだ少ないですが、女性が活躍する場が増え、働き方改革により女性が働きやすくなったことで、パワーカップル世帯は年々増加傾向にあるようです。

「パワーカップル」の経済への影響

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パワーカップルの購買力と時間を優先し金に糸目をつけないライフスタイルはビジネスチャンスとして様々な企業から注目を浴びています。
そもそも、日本でパワーカップルという言葉が出回りだしたのは「夫婦格差社会-二極化する結婚のかたち」(橘木俊詔・迫田さやか著、中公新書、2013年)という書籍の中で欧米のように医師夫婦などの高収入のエリート夫婦を指して使われたことからです。
しかし、徐々にその言葉は企業がフルタイムの共稼ぎ夫婦の購買意欲を煽る宣伝文句として便利に使うようになり、パワーカップル向けのビジネスが次々と現れるようになりました。
貯蓄が十分にないカップルでも2人が高収入ということで、”ペアローン”制度を利用すれば高額借入れが可能となることから、大手不動産会社では時間を優先にするパワーカップルをターゲットとした、通勤に近い都心部高級マンションの販売に力を入れています。
家事についても、2人で分担というよりも手っ取り早く、「家事代行」サービスを利用し、自分達の娯楽や勉強の為に時間を使うというライフスタイルのカップルが増えています。そのため、「家事代行」ビジネスに参入する企業が増えたり、株式市場でも、「家事代行」関連株に関心が寄せられています。
今後暫くは企業のパワーカップル向けマーケティングが強化され、パワーカップルの購買意欲、購買力は日本経済に重要な存在となることでしょう。

パワーカップルの危ない実態

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羨ましい限りのライフスタイルですが、そんな高収入のパワーカップルのリスクを指摘する声もあります。
パワーカップルは「『金は入っただけ出る』というパーキンソンの法則」が示すように貯蓄が出来ない傾向があり、「意外なことに、貯金が少ない高年収世帯は驚くほど多く、中にはゼロという場合もある」のだとF.P.の花輪氏は東洋経済の記事で述べています。
理由として、高収入が入ってくることから、「貯めようというインセンティブ」が薄れる。そして、「さまざまな富裕層向けマーケティングの上客対象となるため、お金を落としやすい」と挙げています。
前節で触れたように、年収1,000万円でもパワーカップルとして扱われる場合、年収3,000万世帯と同じように「上客」扱いをうけ、その気になってお金を使っていたら貯蓄できないのも納得です。

よほどしっかりしたバックグランドで確固とした高収入源や資産がなければ、万が一高収入が止まってしまった時、今までの浪費癖が負のスパイラルを招くことも考えられます。
日本のパワーカップルと呼ばれる世帯は必ずしも富裕層に入るというわけではないようです。また、富裕層への近道どころか、中にはかけ離れているカップルもいるのです。やはり身の丈にあったライフスタイルを知ることが堅実なのかもしれません。 
参考記事:
K. ブリーン

K. ブリーン


アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。

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