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損益通算できない?投資家が気をつけたい株・FX・先物・仮想通貨投資

投資家の利益の課税対象額に大きな影響を与えるのが損益通算です。

昨今、投資家は様々なアセットにアクセスできるようになりました。

代表的なネット証券では国内株式、外国株式、投信、債券、FX、先物オプション、CFDなど幅広い金融商品の中から投資対象を選べます。

個人投資家が気軽に幅広いアセットに投資をできるようになったこと自体はとても素晴らしいことです。

しかし、全ての金融商品の利益の損益通算ができるわけではありません。

投資家として損益通算できるかできないかは実質的な課税対象後の利益に大きな影響を与えます。

最低限、知っておくべき損益通算について確認してみましょう。

損益通算
(画像=Getty Images)

損益通算とは利益と損失を相殺すること

損益通算とは一定期間に行われた売買を個別に計算し、利益と損失を相殺することです。

例えば上場株式等の投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金が発生します。

しかし損失が出た場合は利益から差し引くことで税金の減額が可能です。

損益通算できるかどうかで課税対象額に大きな影響

分かりやすく細かい手数料や端数などは横において、損益通算ができるかどうかで、どれぐらい手元に利益が残るのかを例にあげてみます。

日本ではキャピタルゲイン課税は約20%です。

損益通算ができれば、キャピタルゲイン100万円(利益)−30万円(損失)の70万円に対して約20%の税金で14万円の課税。

つまり70万円―14万円で手元に56万円が手元に残ります。

損益通算ができなければ、キャピタルゲイン100万円(利益)に対して20%の寡勢。

約20万円の税金が引かれ80万円になります。

さらに30万円の損失が出ているので80万(税引き後利益)―30万円(損失)で50万円しか手元に残りません。

このケースでは6万円も手元に残るお金に差がでるわけです。

計算しやすいように分離課税同士で約20%の税金で計算してみましたが、損益通算ができるかどうかで手元に残るお金が随分違います。

つまり損益通算ができるかできないかは、投資家の手元に残る利益に大きな影響があるのです。

配当金で損益通算できるかどうかは申告分離課税かどうかで決まる

配当金を損益通算できるかどうかは、申告分離課税を選択するか総合課税を選択するかで決まります。

配当金は総合課税か申告分離課税を選択するか選べますが、どちらがより多く手元にお金が残るかは場合によります。

総合課税を選択した場合は配当控除の適用を受けられます。

申告分離課税を選ぶと損益通算の対象となります。

しかし確定申告が必要になります。

確定申告が面倒な場合は特定口座(源泉徴収あり)を選べば証券会社が取引ごとに年初からの損益を計算してくれます。

源泉徴収されすぎた場合は還付も受けられます。

ただし損失の繰越控除や複数の証券会社での取引損益の合算をする場合は、確定申告をする必要があります。

複数の証券会社を使うと選択肢が増える一方で、取引益の合算など確定申告をする際に面倒になることがあります。

株とFX・先物・仮想通貨投資は損益通算できない

株投資にとって気をつけたいのが、上場された株式とFXや先物取引、仮想通貨などとの損益通算ができないところです。

したがってFXや先物、オプション、さらには仮想通貨投資をする際は損益通算ができないことを念頭に取引しなければいけません。

投資家としては株もFXもオプションも全て損益通算できる方が有利です。

しかし損益通算ができないため、株投資とFX取引の運用成績を合わせて損が出ていたとしても、税金だけ負担するという事態も起こりえます。

例えば株投資で利益100万円、FXで損失100万円を出した場合は実質的に0で損も得もないはずですが、株投資の利益100万円に約20%課税されてしまうため、税金だけ負担することになります。

つまり税金分の20万円だけ払わなければいけないケースです。

損益通算は法律で決められた範囲内でのみでしか合算することができません。

例えば上場株式等にかかる譲渡所得益と一般株式等に係る譲渡所得益の合算はできません。

またFXや先物取引などのグループ(先物取引に係る雑所得等)もあります。

グループ内では損益通算できるものの、グループ外の取引との損益通算はできないのです。

上場株式や株式投信などは同じ上場株式等のグループに入るため、損益通算は可能です。

しかし、上場株式とFX・オプション取引などは別のグループになるため損益通算はできません。

FX取引と先物同士の損益通算は可能です。

このように日本の損益通算の税金は非常に複雑になっているため、最終的には株投資以外のアセットに手を出す場合は、損益通算が可能なグループに入っているのかそうでないのかを確認しないと、確定申告の時に手間がかかったり思わぬ税金が発生することもあります。

日本株と外国株の損益通算は可能?

外国株式と国内上場株式の損益通算は原則可能です。

そのため外国株と日本株は税制的にみると相性の良い組み合わせです。

一方で現物の外国株式とFX、CFDなどの組み合わせは損益通算ができないため、トータルで損をしても税金だけ負担しなければいけないこともありえます。

CFDとFXの損益通算は可能です。

しかしCFDでも確かに外国株投資はできるものの、長期保有には金利もかかるため、あまり長期投資には向いていません。

損益通算対象外のNISA口座

同じ上場株投資でもNISA口座は損益通算ができません。

NISA口座での譲渡益は非課税になります。そのため損失があっても税制上は損失と見なされません。

またNISA口座で損失が出た場合、特定口座や一般口座との損益通算、損失の繰越控除もできません。

そのためNISA口座は利益が非課税になる代わりに、損を出しても損益通算の対象とはならない運用上の難しさがあります。

株ともFXとも損益通算できない仮想通貨

仮想通貨は雑所得に分類されます。

株ともFXとも損益通算ができない区分です。

仮想通貨は申告分離課税の上場株式等にも先物取引に係る雑所得にも当てはまりません。

しかも赤字の繰越もできないため株投資家にとって仮想通貨取引は税制上とても不利と言えます。

確定申告で損失の3年間繰越控除を行える

株式や投資信託の損失は3年間繰り越して、各年分の「株式等譲渡所得」から控除することが可能です。

先物取引に係る雑所得等の金額(FXやCFD、オプション、先物、など)も3年間繰り越して控除することができます。

ただし所得控除できる所得には住み分けがあるため例えば株式とオプションの損益の合算はできません。

また義務はないものの損失を繰り越すためには確定申告が必要です。

損失をうまく使って税金を抑えるためには確定申告を毎年行う必要があります。

株以外のアセットにも投資をするときは損益通算できるかどうか確認

株投資をする際には日本株や外国株ならば損益通算もできるためあまり関係ありませんが、FXや先物、オプション、CFDなどの取引も積極的にする場合は損益通算ができないことを覚えておくべきです。

損益の通算ができるかどうかで税金を支払った後の実際に手元に残る額がかなり変わってしまうことも珍しくありません。

ネット証券でも気軽に株以外のアセットに投資をすることが簡単にできるようになりました。

しかし違う分野の金融取引をすると損益通算ができないなど、投資家にとって不利なケースも出てくることに注意してください。(提供:The Motley Fool Japan


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。