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成長株の探し方とは?注意点と共に見つけ方を解説

株式市場で投資をする際の目標の一つは、自分のポートフォリオを成長させることです。

もしあなたが、手持ち資金を維持したいだけならば、資金を株式市場ではなく、債券市場あるいはタンス預金として保管しておく方が得策です。

しかし、もし資金を大きく増やしたいのならば、成長(グロース)株投資がよいでしょう。

成長株投資とは、配当株投資とは対照的に、主にキャピタルゲイン、すなわち株価の上昇によるリターンを期待する投資手法です。

今回はこの成長(グロース)株投資について解説していきます。

成長株の探し方とは?注意点と共に見つけ方を解説
(画像=Getty Images)

成長株の探し方

成長株は、一般的な株価評価基準に照らして「割高」になる傾向があります。

最良の成長株には、いくつかの共通の特徴があります。

  • 過去3年間継続して年率20%以上の増収である。そして今後もそれが期待できる。
  • 2割以上の増収を裏付ける、参入障壁が維持されている。
  • 市場平均を上回るバリエーションが付与されている。
  • 今後5年間で、時価総額を倍増できるという合理的な見通しを持つ。

これら4つの特徴は、成長株投資に重要な条件で、配当金投資とバリュー株(割安株)投資という他の2つのポピュラーな投資スタイルとは違います。

なお、ここで上記二つの投資手法との違いをおさらいします。

  • バリュー株投資:この手法は、利益の成長性ではなく、株価が割安かというバリュエーションを重視した投資法です。
  • 配当株投資:配当株投資は、配当金で資産を増やそうとするもので、株価上昇による利益をあらかじめ期待してはいません。

それでは、典型的な成長株に見られる4つの特徴を1つずつ精査してみましょう。

過去3年間、年率20%以上の増収を継続している

成長株投資を支えている基本的な考え方は、その名の通り、成長し続けている企業に投資するということです。

成長企業が提供する製品やサービスは、普及し続けることが期待され、売上の伸び率が投資家が注目する指標となります。

昨年度、S&P500採用銘柄の売上高の平均伸び率は7%でした。

これに対して、成長株投資家のターゲットになるのは、過去3年間、継続的に売上高年率20%以上の増収を達成した銘柄に絞られます。

言い換えれば、成長株投資家のターゲットになる成長企業の売上高は、ある年度にだけたまたま増加したのではなく、継続的に、全企業の年平均増加率をはるかに上回って推移していなくてはならないのです。

その業界の中で、パイオニア的な事業を展開するような企業は、とりわけ人気があり、株主に大きな恩恵を与えてくれます。

例えば2010年1月から2013年1月の間アップル社は代表的な成長株でした。

iPhone販売は軌道に乗り、iPadはちょうど販売を始めたところで、年間52%も売上高が伸びました。

この期間、アップル社の株価は155%ものリターンを上げたのです。今日のアップル社は、もはや成長株とは言えないかもしれませんが、この期間のすさまじい成長は誰しもが認めるところです。

その後のほんの数年の間に、アメリカの消費者は既存の携帯電話を捨て、毎年、数千万台のiPhoneを購入することになったのです。

しかし、偉大な成長企業が、常に衆知の企業であるとは限りません。だからこそ、未知の高収益企業を探し出すことに価値があるのです。

例えば、ヴィーヴァ・システムズ社【VEEV】は、製薬会社のコスト削減と、業務の合理化に役立つ一連のクラウドソリューションを構築しています。業界関係者以外でこの会社の名前を知っている人は余りいないと思います。

しかし、この会社の売上は、過去3年間平均で年率29%増加しました。その結果、同社の株価はこの間に3倍になりました。

さて、成長株投資家は、増益率よりも増収率に注目すべきであるということにも触れておく必要があります。

なぜなら、多くの成長企業が、継続的な市場シェア獲得のために、積極的に再投資するという戦略を取っているからです。

言い換えれば、彼らは、目先の利益減少や利益成長を犠牲にしてでも、長期的な売上と利益を得ようと計画しているのです。この点について、アマゾン社ほど象徴的な企業は他にはありません。

2011年から2015年の間、同社の利益は実際には6%減少しました。しかし、その反面、売上高は122%増加しました。

この間、同社のCEOのジェフ・ベゾス氏は、アマゾン・ウェブ・サービス社、アマゾン社のフルフィルメントネットワーク等に再投資することに忙殺されていました。

そして、ベゾス氏の計画に信頼を置いて彼についていった株主達は、株価上昇という恩恵を受けたのです。具体的には、2011年の年次報告書が発行されてから2015年の年次報告書の発行時期までの間に、同社の株価は3倍以上にもなったのです。

業界を新規参入から守る参入障壁が存在すること

成長株投資家が、利益率よりも売上高成長率にこだわるのは、利益というものは、最終的には、売上についてくると考えているからです。

しかし、企業の製品やサービスが普及するにつれて、競合他社の新規参入も招きます。

そうなると参入障壁が低ければ、マーケットシェアは新しい企業によって次々と食われ、利益はどんどん減っていくでしょう。参入障壁は種々の形を取って現れますが、一般的には、以下の4種類のカテゴリーに分けられます。

ネットワーク効果

ネットワーク効果とは、新製品やサービスの価値が利用者数に依存していて、普及すればするほど、その普及率が向上していくことなります。その例として、フェイスブックやインスタグラムが挙げられます。

これらのプラットフォームに参加する人が増えれば増えるほど、未だ参加していない人にとっては魅力的に映ります。

現在、フェイスブックには22億人の月間アクティブユーザーがいます。競合企業が、フェイスブックと同等のユーザーを獲得するには、世界人口の4分の1ものユーザーを新たにネットワークに参加させなくてはなりません。

あなたの友人や家族の全員が既にフェイスブックを利用者していたら、あなたも、全世界で数十万人のユーザーしかいない新興の企業のサービスよりフェイスブックを選ぶでしょう。

しかしそれだけが、ネットワーク効果を発揮する手段ではありません。オンラインDVDレンタルと映像ストリーミング配信のネットフリックスを例に取ります。

それぞれの新規ユーザーは、初めは、自分の体験を基にサービスを決めます。しかし、時間が経って、ネットフリックス社の会員が増えるにつれて、当然ながらネットフリックス社の売上も増えます。

売上の増加は、ネットフリックス社がより多くのコンテンツを購入し、生産できることを意味します。利用可能なコンテンツが増えれば増えるほど、ネットフリックス社の業界での優位性が増し、新規ユーザーの参入も促進されます。

ネットワーク効果は、企業売上を猛烈な勢いで促進するという好循環を生み出せるのです。

高いスイッチングコスト

ある企業の製品が日常生活の中で不可欠なものとなっていると、競合製品への切り替えが極めて面倒になることもあります。

消費者が毎日利用するサービスの例として、銀行について見てみましょう。

私は、例の噴出したスキャンダル事件以降、ウェルス・ファーゴ銀行から別の銀行に口座移管すると、この6か月間公言し続けて来ました。しかし、今のところ、私は未だこの銀行を利用しています。

なぜか?この銀行に私はdirect deposit(銀行口座振り込み制度)口座を持ち、多くの同期自動支払い、ビジネス口座も持っています。

最終的には他の銀行に口座を移す予定ですが、現時点では、時間、労力、煩雑な手続きを考えると実行できずにいます。

さて成長株の話に戻りますが、成長株の世界では、ソフトウエアとして必要な機能だけをサービス提供する(SaaS)企業は、高いスイッチングコストを利用しています。

簡単に言えば、ソフトウェアサービス企業は、全てクラウド上(ユーザーのサーバー上やマシン上ではなく外部サーバー上)に保存でき、更新やアップグレード可能なソフトウェアを提供しています。

この最も適切な例として、アクソン・エンタープライズ社(旧テイザー・インターナショナル社)があります。同社は町のネーム入りスタンガン製造メーカーとして有名ですが、近年、米国警察のボディカメラ製造へも事業展開しています。

SaaSの観点から見ると、ユーザーはビデオ映像の全てをアクソン社のソフトウェアプラットフォームであるEvidence.comにダウンロードして保存し、分析しなくてはならない点がスイッチングコストのカギとなっています。

言い換えると、Evidence.com社にアクセスしないことには、ユーザーはアクソン社のコンテンツにアクセスできないのです。

それでは、何年にも渡ってEvidence.comを利用し続けてきた米国警察にとっての必要なスイッチングコストとはどんなものでしょうか?

それは、これまで集積してきた全てのデータ移行用コストであり、重要な法的証拠を失うリスクを抱えながら、新しいインターフェースで全署員を再教育するという大きなコストです。

これらのコスト負担は余りにも大きいため、警察署は、容易には他のサービス会社に乗り換えようとはしないでしょう。

従って、SaaS企業がひとたびシェアを獲得したら、そのシェアを保持できる可能性が大きいのです。

これこそが、SaaS企業がしばしば継続的な収益を上げている理由です。ここに、成長株投資家にとってSaaS関連企業への投資チャンスが生まれます。

コスト競争力

全く同じ製品を製造する20の企業があり、その内の1社の製品のみが他社よりも安かった場合、消費者は、真っ先にこの企業の製品を購入することを考えるでしょう。

コンパス・ミネラル・インターネット社は、世界で最大の岩塩鉱山を所有しています。この企業は、土地の権利取得と岩塩の抽出を、他のどんな企業よりも低コストで行っています。

そのおかげで、同社は、凍結防止道路から作物栄養剤開発に至るまでの全ての過程で必要な原材料としての岩塩を、競合企業よりも低コストで提供できるのです。

しかし、低コスト生産のメリットは、物理的な商品の生産者だけでなく、サービス業者によっても提供されます。例えば、アマゾン社は、巨大なフルフィルセンターを持っているおかげで、他のどこの企業よりも低コストで短納期の物流サービスを展開できています。

もう一つ例を出しましましょう。グーグル傘下のアルファベット社は、他の企業よりも低コストでユーザーデータの収集を行っています。

これは、検索エンジン、マップ、G-mail、Playストア、Android、Chrome、YouTubeの7つのソフトについて、それぞれ10億人以上のユーザーが利用していることが背景にあります。

Playストア以外のソフトは基本的に無料のため、多くのユーザーが利用しているのです。アルファベット社は最小限の費用でデータを収集し、それを広告主に販売することによって膨大な利益につなげています。

無形資産

多くの企業には、価値のあるなしに拘わらず多くの「無形資産」が眠っています。これらは、ブランド価値や特許などといった抽象的な資産を指します。

世界的な経済誌フォーブスによる、2018年の世界で最も貴重なブランドのランキングリストは、テクノロジー企業によって埋め尽くされています。アップル、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾン、サムソンなど、上位10社のうち6社はハイテク企業です。

消費者のアップル社に対する高い評価は、例えアップル社の製品が競争相手企業の製品よりもはるかに高価であったとしても、購買意欲の衰えにはつながらず、逆に、業界トップクラスの販売促進に役立っています。

特許は無形資産のもう一つの例であり、バイオテクノロジー株は、特許に依存する最も人気のある成長株です。

製薬企業は毎年、新薬の開発に何十億ドルも費やしていますが、製品がFDA(米国食品医薬品局)の承認を得て上市すると、特許権を持つ企業はその新薬を独占的に販売できるようになります。それが生み出す利益で、製薬企業は投資を回収するのです。

しかし、特許が生み出す利益は永遠に続くわけではなく、特許はある時期に期限が切れ、他社はジェネリック医薬品を製造することができるようになり、薬価が切り下がっていきます。

今後5年間で、時価総額を倍増できるという合理的な見通しがあること

成長株投資家にとっては、少なくとも今後5年間の対象銘柄の収益性をリサーチすることが重要になってきます。大まかに、株価が企業業績に収れんするのに、株式市場全体のサイクル等のノイズも考慮すると、5年くらいあれば十分とみてよいでしょう。

企業の成長の可能性を見積もる方法はたくさんありますが、その中で最も簡単なのは、企業の時価総額を調べることです。そしてその上で、あなたの頭の中に、その企業が5年間で企業価値を倍増した姿を思い描いて見てください。

成長株投資家としてアップルの株を保有していた私は、まさか、その株価が2023年に1兆8000億ドルに達するとは思わなかったので、時価総額が約9000億ドルに達した時に同社株を売却しました。

私はその売却代金を当時12億ドルの市場価値があったアクソン社のような小規模企業に振り向けたのです。この株の市場価値はその後、36億ドルにまで拡大しました。このように、アップル社の株で儲けそこなった分は、アクソン社の株で十分以上に取り戻せたのです。

調査すべき次の最も重要な変数は、潜在的市場規模(Total Addressable Market, TAM)です。

その意味はとても分かりやすく、企業が達成できる最大の年間収益のことです。TAMは、大部分の成長企業の経営陣が投資家向けのプレゼンテーションで宣伝したがる指標です。

事業サイトのIRをチェックすると、この種のプレゼンテーションを閲覧することができます。TAMと現在の売上高を単純に比較しただけで、急成長期に入る直前の企業に、どれだけ成長の伸びしろがあるか分かります。

もちろん、TAMが大きいというだけでは、投資対象として価値のある成長株とは言い切れません。

企業は、競争に打ち勝ち、製品・サービスを普及させてTAMの中でシェアを拡大し、売上を伸ばして、期待通り、もしくはそれ以上の成長を示す必要があります。

時価総額(中小型株)、TAM(5年後の成長を占ううえで十分に大きい潜在市場)、収益(TAMの中でシェアをとれていることの証明)の全てに合格点が付けられる株が見つかれば、あなたは筋のよい成長株を見つけたことになります。


成長株投資をする際の注意点

たとえ筋のよい「成長株」を見つけたとしても、期待通りに伸びていくわけではないことに注意すべきです。

将来性のある代表的な「成長株」は、ネット等の新規産業分野で中小企業やスタートアップに見られ、これらは、成長余地が十分にあるためポテンシャルが高いと考えられます。

その一方で、より成熟した業界の大企業は、しばしば成長の伸びしろがほとんど残っていないと考えられています。しかし、その考えは、必ずしも常に正しいとは言えないようです。

24年前に設立された時価総額8,360億ドルの超大型企業であるアマゾンは、幅広い業界市場をターゲットとしており、事業内容も配送、食料品、クラウドサービスなどの部門に分かれているため、長い間、成長株の座に座り続けています。

このような特殊な例を除けば、大多数の成長株は最終的にはバリュー株または配当株に落ち着いていきます。成長株からバリュー株または配当株への移行が進みつつある株式にはいくつかの兆候が認められます:

  • 売上高の伸びが年間20%を下回り、GDP並みかそれ以下。
  • 参入障壁が崩れつつあり、競合他社の勢いが増している。
  • 成長期待の低さが株価のバリュエーションにも表れる。

もう一度、アップルの例を示します。同社は2015年度から2017年度にかけて減収傾向にありました。

先進国におけるスマホの普及率が一段落して、TAMの伸びしろが変わってきたことと、サムソン等の競合が表れてきたことの結果です。

同社は現在魅力的な配当金を支払っており、また、同社のPERは、S&P500の平均PERを下回っているため、バリュー株投資家にとっても魅力的な銘柄となっています。


まとめ

株式にはリスクが付きものですが、とくに成長株のリスクは大きいものです。

成長株は「割高」な評価を受ける企業であるため、業績に対するほんの些細な懸念材料の出現でさえ、株価の大きな変動につながります。

従って投資家は、パニック的な売りに走ることなく、時として起こる大きな株価変動をやり過ごす不屈の精神を持っていることを、あらかじめ自問自答しておくことです。

さらに、成長株、バリュー株、配当株のいずれの投資アプローチにも過度に集中させないことが大事です。投資アプローチも分散させる必要があります。(提供:The Motley Fool Japan

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