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広まる日本のブラックフライデー 本場アメリカの状況から今後を考える 

ブラックフライデーを知っていますか?アメリカで最も買い物されると言われる店舗セールの日です。日本でもイオンやトイザらスでブラックフライデーセールが取り入れられ、認識されつつあります。今後盛り上がりを見せるのか、本場アメリカの動向から考えます。

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2018.12.11

アメリカで最も買い物される日「ブラックフライデー」とは

11月の第4金曜日、アメリカのブラックフライデーには 、前日木曜日の祝日、サンクスギビングデーが大きく関係しています。

サンクスギビングデーとは、家族や大切な人が集まり、様々な恵みに感謝し祝福する という宗教には関係のないアメリカの祝日です。七面鳥を食べたり、ニューヨークなどの大都市ではパレードも開催され、ホリデー気分を盛り上げます。
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色々な人種が集まるアメリカでは12月から新年にかけてそれぞれの宗教やグループが独自の祝日を祝うので、クリスマスと限定せず、ホリデーズといいます。
昔はサンクスギビングの翌日の金曜日に初めてホリデー用の品が店頭に並び、この日を楽しみにしていた買い物客で店はいっぱいになりました。
やがて、その日、ホリデー気分で財布の紐が緩む客を引き付ける値引き合戦がはじまり、次第に、一年中で最大の安売りの日とも、最も買い物される日とも言われ、「ブラックフライデー」とよばれるようになりました。
なぜ、「ブラックフライデー」と言うかについては、店が黒字(ブラック)になるからと言われておりますが、実は歴史的な言葉の語源があったことが、10年程前にボーニー・テイラー・ブレイクという学者の研究でわかりました。 
テイラー・ブレイクは、 アメリカの国営放送局、Voice of Americaのインタビューで、この日、大勢の買い物客の交通整理やトラブル処理で大忙しになるフィラデルフィアの警察官たちが嘆きの意味を込めて1950年代頃からこの日を「ブラックフライデー」とよぶようになったと説明しています。
また、テイラー・ブレイクは、「ブラック」という言葉のネガティブな連想から、客足が減ることを恐れた小売業者たちが、「ブラック」とは「黒字」になるという縁起のいい意味だと後でこじつけたのではないかと付け加えています。

もうアメリカにブラックフライデーは必要ない?!

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2000年代は安売り合戦が勢いを増し、深夜から開店する店も増えるなどで、消費者の心を煽りました。
それにより客は目玉商品獲得のため、寒空の下で開店を待ち、その他にも、駐車場のスペースや商品の争い、レジでの長蛇の列などに苛立ち、しまいには客同士のケンカが始まるということも度々起るようになりました。
このような状況にストレスを感じる人が増えた頃、オンラインショップが流行し始めたことにより、ひと段落した連休明けの月曜日にオンラインで買い物する人も現れました。そのため、2005年から「サイバーマンデー」という商戦も始まりました。

その後、オンラインショップの需要は年々増え続け、The National Retail Federationが行った2018年の調査でこの期間にオンラインと店舗の両方で買い物したという人が全体の54%となり昨年よりも40%近くも増えたと発表されました。
また、セール期間をその日だけでなく前後一週間など長期間にする店舗も増え、わざわざブラックフライデーに実店舗に出向かなくても、セール品は簡単に手に入るようになりました。アメリカ全体ではこの期間としての売上は年々増えているというのも近年の特徴です。

変化しつつあるブラックフライデーの過ごし方

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一方、アウトドア用品販売のREIはブラックフライデーを閉店にする、「#OptOutside」というキャンペーンを2015年から始めました。
「#OptOutside」とは、ブラックフライデーには従業員に特別有給休暇を与え、買い物ではなく、大切な人達と自然の中で過ごすこと、そしてそれを新しいイベントとしてアメリカ中に流行らせようというキャンペーンです。
このキャンペーンに影響されたのか、また、オンラインセールだけでも十分なのか2016年からはブラックフライデーには閉店という店も目立つようになりました。
このように、本来のブラックフライデーの存在が曖昧になりつつあるなか、それでもまだブラックフライデーに出かける人も沢山いるというのも事実です。
Washigton Postでは 、雑踏の高揚感、実際に戦利品を手にした時の醍醐味を味わいたいということもあるが、なによりも、この日は毎年家族や友人と早朝から出かけ、お祭り気分を楽しみたいという人も多く、伝統行事の一つとして根付いているのだと説明しております。
時代とともに、イベントとしての本質が変化しつつある「ブラックフライデー」。

しかし、家族や大切な人 と共に祝うサンクスギビングデーにつながるイベントであることに変わりはありません。
アメリカのような文化的な背景や縁もない日本で、「ブラックフライデー」という言葉が定着するのでしょうか。来年も動向に注目していきたいと思います。
K. ブリーン

K. ブリーン

アメリカの某大学経済学部卒業。主に社会経済や映画の事などを書いてます。ピラティスにはまり、指導員資格を取りました。

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