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年末調整と確定申告の違いとは?

会社員なら、毎年11月を過ぎれば「年末調整」の用紙が手元に届きます。独身の場合は、「ああ、あの書類にハンコを押せばいいヤツね」くらいに考えている人も多いでしょう。一方、毎年2月を過ぎた頃に自営業の人と会話をすると、しばしば、「いや~、確定申告の作業が大変でね」などといったぼやきを聞かされるものです。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」などの少額投資をしている人にとっても、これらは無関係ではありません。そこで、今回は年末調整や確定申告といった税務申告について調べてみました。

年末調整とは

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(写真=PIXTA)

一般的に企業は、社員・スタッフに対して給与を支払う際に所定の源泉徴収税額表に従って所得税と復興特別所得税(2013~2037年)の源泉徴収を行っています。この源泉徴収のほか、住民税・介護保険料・後期高齢者医療保険料などは「特別徴収」、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの社会保険料は、単に「徴収」と呼び、これら給与から引かれる税金を総称して「天引き」と表します。

しかし、この天引きの中でも源泉徴収した所得税と復興特別所得税の合計額は、必ずしもその人が1年間に納めるべき税額と一致しているとは限りません。その理由は人によって異なります。減税徴収税額表は、「毎月の給与額に変動がないもの」として作られていますが、実際の給与額は一定ではないことや、年の途中で控除の対象となる扶養家族の数が変わっても、各月の源泉徴収税額を修正されないことなどがその理由です。

そのため、1年間に納めるべき所得税および復興特別所得税額と「天引き」を一致させる必要があり、その手続きが年末に行われるため、「年末調整」と呼ばれるのです。冒頭に挙げた独身の若い社員の場合、扶養家族の数が突然に変動することは稀でしょうし、会社以外の収入があるケースもあまりないといえます。年末調整で大きく税額が変わることは少ないため、冒頭のような発言をする人たちも少なくないのでしょう。

確定申告とは

確定申告とは、どういうものなのでしょうか。簡単にいうと、所得にかかる税金(所得税及び復興特別所得税)の額を計算し、税金を支払うための手続きのことです。会社員などサラリーマンなら、この作業は会社がやってくれます。もっと正確にいうと、毎月所得税は給与から天引きされ、年末調整により、納めすぎたり、足りなかったりといった納税額の精算が済んでいるとみなされるため、確定申告が免除されているのです。

一方、自営業者は自分で確定申告を行わなくてはなりません。1月1日から12月31日の1年間の確定申告書や決算書などの必要書類をそろえて、翌年の2月16日から3月15日までに税務署へ申告・納税します。この確定申告を怠ると、本来の税額に加算税や延滞税も追加されてしまうのです。

また、サラリーマンでも給与収入が2,000万円を超えている人や、配当所得や不動産所得、副業による所得等が20万円を超えている人、医療費控除、住宅ローン控除(初年度のみ、以降は年末調整で)、ふるさと納税の納付自治体が6ヵ所以上ある人などは、確定申告が必要です。

iDeCo、NISA、特定口座、ふるさと納税、生命保険料はどうすればいい?

先述した通り、配当所得や不動産所得などの副業所得が20万円を超えている場合は、会社員でも確定申告が必要になります。ここでは、個別に「どのような対応が必要になるのか」について見ていきましょう。

・iDeCo
iDeCoは公的年金を補完するために、自分自身で積み立てたお金を運用して60歳以降に運用したお金を受け取る制度です。積み立て、運用、受け取りのいずれのタイミングでも、税制メリットがあるとの触れ込みですが、それは掛け金の全額が所得から控除されたり、運用中の利益がすべて非課税になったりするためです。

掛け金を支払っている会社員は年末調整を、自営業者は確定申告を行う必要があります。毎年11月頃に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が手元に届きますので、年末調整の書類の右下部分に「小規模企業共済等掛金控除」の「個人型又は企業型年金加入者掛金」と書かれている空欄に、その年のiDeCoで支払った掛け金の総額を記入し、払込証明書とともに提出すればOKです。

自営業者も同様に、確定申告書に記入するスペースがあるので、記入して税務署に提出します。気をつけたい点として、iDeCoの初回掛け金の支払いが10月以降になった場合、小規模企業共済等掛金払込証明書の送付は翌年の1月末頃になります。この場合、掛け金の所得控除を受けるためには、年末調整が間に合わず、会社員であっても確定申告が必要になりますので注意しましょう。

・NISAとつみたてNISA
毎年120万円までの投資に対して非課税投資枠が設定された税制優遇制度であるNISA(つみたてNISAは40万円)。NISAは5年間、原則非課税(つみたてNISAは20年間)です。ただ、配当金の受け取り方式を「株式数比例配分方式」を選択しない場合、非課税の対象外となることがあります。

・特定口座
株式の譲渡による所得等については、原則として確定申告が必要ですが、この確定申告を簡易に行うことができる制度を特定口座制度といいます。証券口座に特定口座を開設することにより、この制度を利用することができます。

また、特定口座を開く際には「特定口座(源泉徴収あり)」または「特定口座(源泉徴収なし)」のいずれかを選ぶ必要があります。「源泉徴収あり」を選択した場合、取引の都度、証券会社が譲渡益から税金を源泉徴収し、お客様に代わって税務署に納めてくれますので、原則として確定申告が不要となります。対して、「源泉徴収なし」を選択した場合、ご自身での確定申告が必要となりますが、申告の際に必要となる書類(特定口座年間取引報告書)が証券会社から送られてきますので、簡易に行うことができます。なお、NISAはそもそも非課税ですから、利益が出ても確定申告をする必要はありません。ただ、例外があって、海外ETFなどの外国株に投資して配当金が出ると課税されますので、注意してください。

・ふるさと納税
自治体を選んで寄付すれば、返礼品とともに税金から寄付金控除されることで知られる「ふるさと納税」。ただ、年末調整では控除を受けられません。そのかわり、会社員(年収2,000万円以下)で「年間のふるさと納税申し込み先が5自治体以下なら、「ワンストップ特例制度」を利用して確定申告が不要になります。その他の場合は確定申告が必要です。この制度は、「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」に記入して自治体に送付すると、翌年6月頃に住民税の控除通知が届きます。

・生命保険料
生命保険料の支払いがある場合は、所定の計算方法により控除額を算出し、確定申告をする必要があります。控除の計算方法は新契約(2012年以降に締結)と旧契約(2011年以前に締結)で計算方法が異なります。新契約では2万円以下なら全額控除、8万円超なら一律4万円。2万超~4万円は支払い保険料の2分の1+1万円、4万超~8万円は同4分の1+2万円となります。

一方、旧契約では、2万5,000円以下なら全額控除、10万円超なら一律5万円。2万5,000円超~5万円で支払保険料の2分の1+1万2,500円、5万円超~10万円なら同4分の1+2万5,000円が控除額です。この額を確定申告書の「生命保険料控除」の部分に記入して提出します。

ここまで、年末調整と確定申告について解説し、iDeCoやNISAとのかかわりを見てきました。自分の取り組みと照らし合わせ、適切な手続きを進めていきたいものです。(提供:IFA online


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