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富裕層向けサービスがある銀行?日本でのプライベートバンクを比較

富裕層向けサービスを用意する銀行が増えています。日本の富裕層が近年急増していることと大いに関係がありそうですね。この「プライベートバンク」サービスの提供対象は、預入資産1億円以上の富裕層が基本。一般向けサービスとは異なる、手厚いサービスが提供されます。

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2019.7.24

富裕層向け金融サービスを受けるなら預入資産は最低1億円?

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富裕層向けの金融サービスは、日本でも「プライベートバンク」、もしくは「ウェルスマネジメント」と称され、しばしば耳にするようになりましたね。富裕層向け金融サービス、もしくはそれを提供する銀行などをプライベートバンクと呼称するケースが多いのですが、無限責任を有するパートナーの個人出資による元来のスイス系プライベートバンク以外でも、現在は慣例的にこのように呼ばれます。
顧客要件として、最低預入資産1億円以上のケースが多く、中には10億円以上のものも存在します。海外ではプライベートバンクのサービスを専業で提供する銀行も存在しますが、日本では既存の信託銀行や証券会社などが富裕層向けサービスとして、プライベートバンク事業に参入することが多くなっています。現在、日本でプライベートバンクのサービスを提供中の外資系銀行は、UBS、クレディ・スイス、ロンバー・オディエ、ジュリアス・ベアの4つで、いずれもスイス系です。
ちなみに、最近では地方銀行や中小証券会社でも富裕層向け金融サービスを提供していますが、実際の資産運用は前出のロンバー・オディエと提携し、信託契約代理店として顧客を紹介するスキームを構築しているケースがほとんどですね。やはり、プライベートバンク業界でのスイス系の存在感は大きいようです。

そもそも富裕層向け金融サービスってどんなもの?

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ここで、富裕層向け金融サービスの主な特徴5つを見てみましょう。
1)オーダーメイドの金融商品を提供可能
私募投信やテーラーメイド型債券など、顧客である富裕層のニーズに都度合わせた、オーダーメイドの金融商品を提供できるノウハウ・体制を持っています。
2)一般よりも割安な手数料率を設定
プライベートバンクのような富裕層向け金融サービスの最低預入額は、概ね1億円からとなり高額です。反面、一般顧客よりも運用額が大きい訳ですから、低めの手数料率でサービス提供可能なケースが多くなっています。
3)金融・ビジネス全般のアドバイスが行われる
相続税・贈与税などの節税対策や、ビジネスオーナー向けの事業承継へのアドバイスなど、付加的なサービス提供も行われます。銀行や担当者の人的ネットワークを活かし、顧客である富裕層のビジネス支援、人材紹介などのサービス提供を行うケースもあります。
4)非金融・非ビジネス分野のアドバイスも行われる
富裕層向けサービスを展開する銀行や担当者は、各方面に豊富なネットワークを持ちます。これを使って、顧客である富裕層の子弟の海外留学や進路決定のアドバイスの他、一般入手が困難な商品の手配、親族間の諍い(いさかい)の調停など、多様な付加サービスを提供するケースも多くなっています。
5)銀行内でも優秀な人材が担当
富裕層向け金融サービスの担当には、銀行内でも優秀な人材を選りすぐって配属することが基本。公募投信などの充実により、以前よりオーダーメイド金融商品を用意する意義は薄れました。一方で、多種多様な既製金融商品の中から、顧客に最適な商品を選択する難易度は以前より高まっています。信頼に足るエキスパートに、富裕層がいつでも相談可能な体制が用意されています。

日本国内で受けられる富裕層向け金融サービスを比較

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プライベートバンクと呼ぶに値する、日本国内で富裕層向け金融サービスを提供している具体例を、以下に紹介してみます。
1)クレディ・スイス
日本での最低預入額は10億円以上とされ、口座開設審査の厳しさには定評があります。とりわけ、オーダーメイドの債券投資には強味を持ち、HSBCの日本国内富裕層向け金融サービス事業を買収するなど、近年は積極攻勢を行っています。
2)ロンバー・オディエ
日本での最低預入額は3億円以上(金融資産のみの場合)であり、得意の投資一任運用を中心とした富裕層向け金融サービスを提供中です。また、遺言代用信託や、富裕層子弟の教育支援などのサービス提供にも定評があります。
3)UBS
日本での最低預入額は2億円以上とされ、スイス系の最大手です。東京以外にも名古屋・大阪に拠点を設けており、全国的に富裕層向け金融サービスを提供しています。顧客1人に対して、組織的に対応・管理を行うチーム制を採ります。
4)みずほプライベートウェルスマネジメント
最低預入額が10億円以上(金融資産以外を含めても可)と、富裕層向け金融サービスの中でも利用ハードルは高いです。みずほフィナンシャルグループのVIP顧客向けサービスとして、オーダーメイドの金融商品やポートフォリオ・マネジメントを提供します。富裕層の関心が高い医療・健康、教育関連などの情報も広範に提供されています。
5)三井住友フィナンシャルグループ・バークレイズ
最低預入額が5億円以上で、三井住友銀行のVIP顧客が対象です。英国系バークレイズによるプライベートバンク機能を、日本の富裕層向けにカスタマイズしてサービス提供しています。顧客の投資性向分析には、行動ファイナンスを積極活用するのが特徴的です。
6)三菱UFJメリルリンチPB証券
最低預入額は1億円以上で、米国系メリルリンチの海外ネットワークを活用し、私募債券など多様な金融商品を富裕層向けに提供中です。顧客ニーズを丁寧に汲み取った上で、ポートフォリオ案を作成するサービスには定評があります。
以上、富裕層(場合によっては超富裕層)向け金融サービスを日本で展開する銀行などの一例です。現在、メガバンクを始め国内の主な銀行では、基本的に小口預金は減らす方向での経営が行われていますね。反面、大口預金は一層優遇する方針が採られており、富裕層向け金融サービスは今後ますます拡充してゆくことでしょう。
Kenneth S

Kenneth S

総合商社のIT戦略担当からIT系ベンチャー企業の経営補佐などを経て、現在は海外在住の個人投資業。時折、物書きもしている。

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