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外国人労働者受け入れが、賃貸物件市場の未来に与えるインパクト

人口減少による労働者不足の打開策として報道されることが多い「出入国管理法(入管法)」改正案。この政策は、未来の賃貸住宅市場の行く末を左右する内容とも言えます。外国労働者の受け入れ拡大と賃貸住宅市場との関連性について解説します。

那覇市の人口に匹敵する外国人労働者がやって来る

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(写真=ittoilmatar/Shutterstock.com)

まず、賃貸住宅市場の未来に影響を与える要因のひとつ、今回の「外国人労働者受け入れ」の大まかな内容から確認していきましょう。

この法改正により、今後5年間で「最大約34.5万人」の外国人労働者が日本に流入してくることが予想されます。約34.5万人という人数は、那覇市、高知市、秋田市などの県庁所在地に近いレベルのボリュームです。また、日本で働く外国人を国籍別で見ると、2018年10月末時点で、中国人がトップで 約37.2 万人。これに迫る勢いの外国人労働者の確保を目指しているわけです。

具体的なその中身は、新たな在留資格を創設して、特に人手不足が目立つ14業種を対象にする予定。たとえば、介護(最大受け入れ人数6万人)、外食(5.3 万人)、建設(4万人)、宿泊(2.2万人)などの職種で外国人が活躍するのです。

特にプラス効果が大きいのは単身者用の賃貸住宅

この外国人労働者の急増によって、追い風が吹くと考えられる分野のひとつが、マンションやアパートなどの賃貸住宅市場です。外国人労働者は単身で入国するケースが多く、それを考慮すると、特に単身者向け物件の需給にプラスの可能性があります。外国人労働者との直接契約の他、外国人労働者を雇用する企業が借り上げるケースもあるでしょう。後者の場合は、長期的な安定経営につながる魅力もあります。

外国人労働者の増加と賃貸市場の関係を深掘りするために、エリアを東京都に絞って、より具体的に考えてみましょう。東京都政策企画局の推計では、2020年から2050年間の東京都の単独世帯(単身者)は、320万人台から340万人台の間で推移すると予測。このままいくと、2035年頃をピークに単身者が減っていくと考えられています。この状況を単身者向け賃貸住宅のオーナーの視点で見ると、マーケットが停滞・縮小するということであり、懸念材料でした。しかし、今回の法改正によって外国人労働者が大量に流入してくることで、ほぼ横ばい、あるいは微増に転じることもあり得ます。

このように考えると、賃貸物件のオーナーにとって、外国人労働者の受け入れが成功するか否かは、継続的にアンテナを張るべきテーマと言えます。

家賃10万円以下、築古の単身者物件などに支持が集まりやすい

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(写真=PIXTA)

賃貸住宅の中でも、外国人はどのような物件を選ぶ傾向が強いのかも確認してみます。外国人を専門とする不動産メディアのデータなどを参考にすると、外国人の方は「家賃10万円以下」の物件に強い興味を示すようです。このメディアへの問い合わせのうち、約4分の3が「家賃10万以下の物件」に関するものとのことでした。

このような傾向を見ると、比較的安めな家賃設定が多い「築古の単身者用物件」などが有利と考えられます。築古物件になると、好立地・一等地の物件でないと空室リスクが高まります。さらに競合物件が多いエリアでは、家賃を下げても空室が埋まりにくい傾向もありますが、外国人労働者が増えることでこのリスクを緩和する効果が期待されます。

これにより、築浅物件や好立地物件への間接的なプラス効果も考えられます。今後、どの都市のどのエリアに外国人労働者が集まるか注目です。

外国人労働者との契約が不安なオーナーの対処策

一方で、所有物件を外国人に貸したことがないことから不安…というオーナーもいらっしゃるでしょう。しかし、当初はインバウンド受け入れで戸惑っていた民泊や温泉地が、現在では多くの外国人を受け入れているように、リアルに外国人と接していくうちに不安は徐々に解消されると考えられます。日本ならではの決まりやマナーを丁寧に説明すれば理解してもらえるケースがほとんどでしょう。(提供:Braight Lab

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