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優柔不断を直す「決断力」を身につけるためにすべきこと

今日はどんな服を着るのか、休日はどこへ行くのか。私たちは、毎日決断を強いられています。実は、5人に1人は優柔不断というカテゴリーに属するといわれる現代、決断力を培うためにするべきこととは?

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2019.5.30

優柔不断によって時間が消費されていることを認識する

人生における重大な問題から、ソーシャル投稿のハッシュタグ選択にいたるまで、私たちは毎日なんらかの決断をして生きています。
ある調査によれば、人類の20%は優柔不断のために貴重な時間を空費する傾向にあるのだそうです。
また、ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンも、人間は切羽詰まった状況にならないとなかなか決断を行えないとしています。しかし、優柔不断な人が怠け者であるというわけではないのです。実際、決断を下すことはその内容がいかなることであろうとも簡単なことではありません。
カーネマン博士は、あらゆる人が決断を先延ばしにせず時宜にかなった意思決定を行えば、地球規模で仕事の効率は上がるとも語っています。

重大な決断や解決不能な案件を他人に任せてはならない

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アメリカのビジネス誌『ビジネスインサイダー』によると、アメリカのミレニアム世代は子供を持つか持たないかという決断を自分で下せないことが多く、オンラインによるコーチングが大ブームなのだそうです。カップルが疑問を解決するためのオンラインコースは、400ドルほど。
専門家は、若者がライフスタイルアプリTinderでパートナー探しをし、親になるかならないかという意思決定まで第三者の介入がなければできないことについて警鐘を鳴らしています。潜在的な世界で生きることに慣れた人々が、実生活の中で重大な決断・行動をすることができるのでしょうか。

お金を払うことで良い決定がなされたと勘違いする人たち

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こうしたオンラインによる相談ブームがなぜ隆盛なのか。
シカゴ大学の心理学教授ジョセフ・フェッラーリは、こう解釈しています。
お金を支払うことで、自身が下す決定により導かれたであろう結果よりも、より良いものを手に入れることができると信じている人が多いためである、と。
いっぽうで、決断力がある人はみずからの長所と短所をよくよく把握したうえで、状況を観察し決定を下します。優柔不断の人は、まず自分の長所と短所の把握ができていないことが多いのだそうです。

人生の厚みは過去に下した決断によって決まることに気づく

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決断を自らの力で行う人はたいてい、アイデンティティを大事にしています。自身の守備範囲と、他人に任せるべき領域の境界線がはっきりしていることが多いのです。

そして、人生とは結局決断してきたことの上に成り立っているといって過言ではありません。重大な決断をしてきた人ほど、人間としての厚みがあるのは当然なのです。周囲の評価も、その人が過去に下した決断によってなされる傾向にあるのだそうです。つまり、優柔不断で決断ができない人は周囲から「評価される」ことを厭っているわけです。

決断を先送りすることは棄権したも同じと考える

フェッラーリ教授は、決断を先送りすることの弊害を強く主張します。
そして、たいていの人は決断や嫌な仕事を先送りすることで、状況が好転しないことはわかっているのです。にもかかわらず、今決断できないのはなぜなのでしょうか。
『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の著者であるピアーズ・スティール氏によれば、決断の先送りは「防衛」の一種だというのです。人間は、自らの限界を見たくはないし、他者から非難もされたくない。そのため、決定や決断を他人にゆだねて、責任も転化してしまうのです。決断が間違っていた場合、自分はそこから分離した場所にいたいわけです。決断が間違っていなかった場合は、とりあえずはすべて丸く収まるからよいという事なかれ主義に通じているのです。
ネガティブな案件を先送りすることは、未来の自分の肩に荷を負わせることです。未来の自分は自分で決めなければなりません。

決断するためにアプリやノウハウ本に頼りすぎない

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心理セラピストのジャンナ・スケロットは、現代が決断することがタブーともいえる時代となった理由として、選択肢が広がりすぎたことにあると語っています。

食べ物に例えると、かつては自分が住んでいる土地の旬のものだけでお腹を満たしていた時代が長かったのです。現在は、季節を問わずに世界中の食材が手に入るようになったことで、夕食のメニューを決めるのに頭を悩ます時代になったのです。

選択肢が増えた一方で、規範となるモデルが消失したといえるかもしれません。
これを解決するのに、アプリやノウハウ本に頼ることがまったく無駄だというのがあらゆる専門家の一致した意見です。
フェッラーリ教授は、「なぜ今日、この決断を行わないか、理由をノートに書き出す」ことを勧めています。こうすることで、自らが行っていることの不条理を明らかにでき、先送りせずに自分自身で決断できるようになるのだそうです。

最後に

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古代ローマの天才シーザーは、こう語ったことがあります。
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」。
しかし、見たくない現実も見る努力をしなくては、正しい決断は下せないのでしょう。
今日の重荷は今日中に処理をし、明日の自分の荷を軽くしてあげてはどうでしょうか。

井澤 佐知子

井澤 佐知子

イタリア在住十数年、美術と食をこよなく愛す。眼下にローマを見下ろす山の町で、イタリアのニュースを発信中。

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