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不安定な豪ドルだが、80円ワンタッチ後の急落を見込む

メイ英首相とユンケル欧州委員長は会談の内容については、事前報道通り、「バックストップ条項」が「一時的な措置」だと再確認したものの、具体的な打開策は示されることはなく、引き続き先行き不透明感が強まっています。また、月内に再度会談を開く予定とのことですが、シャビド英内務相が「合意なき離脱の可能性は高まりつつある」と指摘しているように、そろそろ具体的な解決策を提示しないと、マーケットは失望のポンド売りに傾くことになりそうです。大手格付け会社フィッチが英国の格付け「AA」の引き下げの可能性を指摘したことが、状況が差し詰まっていることを示唆しているものと覆われます。

保守党の3名の議員が同党を離脱し、先に労働党を離脱した7名や保守党離脱の1名に合流する見込みとの報道がありましたが、こうした動きはメイ英首相の政権運営にとって大きなリスクとなります。あと数名の保守党議員が離脱となれば、メイ政権は不信任動議の際には多数を維持できなくなってしまう恐れがあります。こうなると、総選挙の実施という選択肢が現実味を帯びるため、ポンド売りの材料として見られるでしょう。

ラガルド・IMF専務理事が、ドイツ経済の成長率予測がさらに低下する可能性が高いことを指摘しました。ぎりぎりリセッションを免れたことで、一旦ユーロ売りに歯止めがかかりましたが、ドイツのリセッションが再び意識されるようであれば、ユーロドルで1.12ドル前半に再び下落する動きになりそうです。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

本日発表された豪・雇用統計では、新規雇用者数が市場予想1.5万人増に対して結果は3.91万件増となり、大幅に市場予想を上回ったことで豪ドル買いが強まりました。豪ドル円は79.30円付近から本日の高値79.811円まで急騰する動きとなりましたが、その後に一部報道で一部豪銀が豪準備銀行の8月と11月の利下げ予想を発表したことで豪ドルは急落、一気に本日の安値79.014円まで急落しました。もともと年末の利上げ方向から中立の立場に方向転換した豪準備銀行ですが、一部豪銀から利下げ予想がでてきたことは、まさにネガティブサプライズだったと思われます。

21日-22日の米中閣僚級通商協議では、先週の通商協議で、通商と経済を巡る問題に関する覚書(MOU)について踏み込んだ協議が行われたとの報道があり、後ろ盾としてトランプ大統領が60日間の期限延長を示唆していることで、引き続きリスクオンのイベントとして意識されそうです。ただし、昨日一部で報道されたように、通商合意に中国人民元の安定、切り下げ禁止などが組み入れられた場合は、その後に行われる日米通商協議でも「為替条項」が導入される可能性が高まることで、ドル円は下落するものと考えらえます。まずは、ヘッドライン待ちの動きが継続しそうです。

不安定な動きながら、111円レジスタンスは意識されているようだ

FOMC議事要旨の公表を受け、110.90円付近までドル円は反発したものの、その後は111円が意識されているように、方向性は掴みづらいものの、111円のラインは意識されているようです。米中閣僚級通商協議のヘッドライン待ちではありますが、テクニカル的戦略を重視し、引き続き、110.80円のドル円ショート、損切りは111.20円上抜け、利食いは110.20円を想定します。

海外時間からの流れ

注目されていたFOMC議事要旨では、「多くのメンバーは今年金利を調整する必要があるか確信が持てない」などとハト派な姿勢が示されたものの、事前に議事録はハト派的な内容になるとの見方がコンセンサスであったため、影響は限定的でした。寧ろ、よりネガティブな内容があるかもしれなとの懸念があったことから、公表後は110.70円付近から110.90円付近まで反発しました。ただ、通商協議真っ只中ということで方向性を傾けるには至らず、111円がしっかりとしたレジスタンスと認識されたに過ぎませんでした。

今日の予定

本日は、独・1月消費者物価指数(確報値)、独・2月製造業/サービス業PMI、ユーロ圏・2月製造業/サービス業PMI、米・2月フィラデルフィア連銀景況指数、米・新規失業保険申請件数、米・12月耐久財受注が予定されております。要人発言としては、ボスティック・アトランタ連銀総裁、プラート・ECB専務理事、ポロッツ・加中銀(BOC)総裁などが講演を行う予定です。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。