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ライフイベントと贈与の関係をチェックしよう

最高税率55%。これは日本の相続税率です。海外では相続税を廃止したり、そもそも存在しなかったりする国が少なくないなか、この税率は突出しています。そのため、存命中に次の世代に資産を移転する「贈与」を検討する人が増えています。生前贈与で、親から子や孫にお金を援助するタイミングは、下記のようなライフイベントにおいて何度か訪れます。

・結婚
・出産
・子育てをする
・子供もしくは孫が家を買う
・孫が進学する

そこで、今回は3大ライフイベントと贈与の制度について説明します。

非課税になる「暦年課税」「相続時精算課税制度」とは

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(写真=chrupka/Shutterstock.com)

ライフイベントで考える前に、一定の条件下で非課税になる贈与の2ケースを押さえておきましょう。「暦年課税」と「相続時精算課税制度」です。「暦年課税」とは、年間110万円までの贈与は非課税となる制度になります。この贈与は誰に対しても、好きなときに何度でもできます。資産家にとっては少額かもしれませんが、着実に資産を減らすことができて税務署への申告も不要な点はメリットです。ただし、贈与者の死亡前3年以内に贈与された財産は相続税の課税対象となります。

一方、「相続時精算課税制度」は60歳以上の父母、または祖父母から、20歳以上の子や孫に対して、贈与した金額が2,500万円以内なら、贈与税がかからない仕組みです。ただし、相続発生時(死亡時)に相続財産にプラスするため、相続財産が減るわけではありません。そのため、この制度を利用する人は少ないようです。また、相続時精算課税制度を利用する場合は税務署への申告が必要です。

親族間は相互扶養義務あり、贈与税は限定的

民法877条では、配偶者や直系血族、兄弟姉妹に対しての相互扶養義務を課しているため、「生活費や教育費に充てるお金で通常必要と認められるものを必要なときに贈ることは課税対象外」となります。しかし、「必要となる前」にもらったならば、原則課税されます。このほか、株式や住宅の購入資金に充てられた場合は「必要なとき」でも「前もって」でも原則課税されます。

住宅購入の贈与税非課税制度

ただし、上述の課税対象の場合でも、条件付きで非課税になるパターンが3あります。まず、「子供が家を買う」場合です。住宅新築、中古住宅購入、増改築など、住宅取得資金として贈与する場合、2021年12月31日まで、受贈者は20歳以上(年収2,000万円の所得制限あり)、取得契約の時期や住宅の種類によっても異なりますが、最大3,000万円までが非課税になります。

ただ、非課税額は期限が近づくほど減りますので注意しましょう。新築の省エネ住宅の場合で、最大額の3,000万円が非課税となるのは、2019年3月31日までです。2019年4月からの2年間は1,500万円、2021年4月1日からは1,200万円になってしまいます。

贈与後に贈与者が死亡した場合でも、相続財産への持ち戻しはありません。注意すべき点として、住宅資金の贈与は「前もって」行うことはできません。住宅購入の「必要が生じたとき」となっているためしっかりと認識しておきましょう。贈与税の申告書は税務署に申告します。

結婚・子育てのための贈与税非課税制度

次に、子供が結婚し、孫を育てる資金が必要となった場合です。挙式費用や家賃・転居費用、不妊治療や保育料などの結婚・子育て資金として贈与する場合、2019年3月31日までの期間で、20歳以上50歳未満の子がもらった1,000万円までの資産は非課税となります。ただし、受け取った子(所得制限なし)は、自分が50歳になるまでに、そして、子供が就学するまでに使わなければなりません。

挙式代や披露宴の会場費、新居の家賃(最大3年分)などの結婚に関する費用は、累計300万円までに限られます。新婚旅行や指輪代は含みません。このほかの妊娠・出産にかかる費用、子供の医療費には制限がありません。贈与後に贈与者が死亡した場合は、使用しなかった残額は相続財産に持ち戻し、相続税が課税されます。

そのため、相続税負担を軽減する目的での制度利用は有効ではありません。贈与金は金融機関の専用口座で管理し、領収書を金融機関に提出します。

孫の教育のための贈与税非課税制度

最後は、孫の進学で教育費がかかる場合です。入学金や授業料、学用品購入や給食費、塾や習い事、留学費などの教育資金として贈与する場合、2019年3月31日までの期間で、孫(所得制限なし)が生まれてから30歳になるまでは、1,500万円までが非課税となります。ただし、学校外の塾や習い事、給食費や学用品は、累計500万円までです。その他の費用には制限がありません。贈与金は金融機関の専用口座で管理し、領収書を金融機関に提出します。

贈与によって子供の可処分所得が増える

非課税の範囲内でライフイベントにかかわる資金を贈与することで、親によっては相続税の課税対象額を減らせるというメリットがあります。一方のもらう側からすれば、可処分所得が増えるということです。各制度のメリットやデメリットをしっかりと把握したうえで、非課税になる贈与の制度をできるかぎり有効活用を検討してみましょう。(提供:IFA online


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