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マンション経営のリスク 金利変動にどうリスク対応していくか

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(写真=NESPIX/Shutterstock.com)

不動産投資を行う際、大部分の方は金融機関からの借り入れで資金調達をすることが多いでしょう。なぜなら、不動産投資の最大のメリットは外部からの借り入れをすることで、投資金額を膨らますレバレッジにあるからです。しかし、2018年に発覚したシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題により、銀行融資が極端に厳しくなっているのが現状です。

2018年11月15日付けの日経新聞によると、全国の地銀に今後の不動産投資に対する融資姿勢をたずねた調査をしたところ、今後積極的に融資を伸ばす地銀はゼロだったようです。ただし、都心の区分マンションなど安定性の高い物件であれば、融資を受ける方の属性にもよりますが、まだまだ積極的に融資を行っている金融機関もあります。

不動産投資を始めるにあたり、昨今の低金利情勢を生かしたいと考える方も多いことでしょう。どのような条件で金融機関から資金調達できるのかが、不動産投資の成功に近づくポイントの一つです。以下、借入金の金利について少し深掘りしてみましょう。

不動産投資の主流は変動金利

仮に区分マンションを購入する場合を考えてみましょう。大部分の不動産業者は、金融機関とのリレーションシップを持っており、業者によっては10社くらいの金融機関と提携している場合もあります。その場合、組めるローンは100%といってよいほど、変動金利です。文字通り、変動金利は、金融マーケットの状況により変動します。

では、金利はどのようにして決まるのでしょうか。変動金利のベースになるものは、短期プライムレート(短プラ)と長期プライムレート(長プラ)です。金融機関が優良企業に対して1年以内の期間で貸し出す最優遇貸出金利が短期プライムレートで、1年以上の期間で貸し出す最優遇貸出金利が長期プライムレートです。

日本銀行の公式サイトによると、直近の短期プライムレートの最頻値は1.475%で、2009年1月13日から変わっていません。また、長期プライムレートの最頻値は1.00%で、2017年7月11日から変わっていません。長期プライムレートは債券市場に連動するため短期プライムレートより変動が激しいものの、2011年後半から長期プライムレートは短期プライムレートの値を下回っています。

したがって、個人形態で投資用不動産購入用の資金を借り入れる場合は、これ以上の利率となります。ちなみに、不動産投資で融資を受ける場合には、長期プライムレートを基準にした金利であることが多い傾向です。

表面金利だけではないもう一つの指標

不動産投資でもう一つ、金利に関連する指標があります。それが「イールドギャップ」という考え方です。イールドギャップとは「投資利回りと金利の差」のことで、融資を受けた場合の収益力を表す指標の一つです。イールドギャップを指標とすれば、融資を受けて投資すべきかどうかを一目で判断できます。

イールドギャップの計算方法は、投資利回り(表面利回りもしくは実質利回り)から借入金利を差し引いて算出されます。例えば、物件の投資利回りが5%、金利が2%であれば、イールドギャップは3%となります。

イールドギャップを参考に、1980年代のバブル期と現在を比較してみましょう。バブル期の場合、表面利回りが3%を切るレベルまで不動産価格が高騰するとともに、その時の住宅ローン金利は8%を超えていました。仮に投資利回りが3%、借入金利が8%であったとすると、イールドギャップはマイナス5%と計算できます。

一方の現在(2019年1月時点)において、不動産価格は上昇しているものの、日銀のマイナス金利政策により、借入金利が低くなっています。先ほど計算したように、物件の投資利回りが5%、借入金利が2%であれば、イールドギャップは3%となります。2019年1月時点におけるメガバンクの定期預金金利が0.01%、ネット系の定期預金金利が0.2~0.25%ですので、不動産投資は大きな投資効果が期待できるとわかります。

イールドギャップから考えると、現在は融資を受けて投資するのに向いている状況と言えます。もっとも、バブル期の場合には土地が値上がりし続けるという「土地神話」に基づき、投資というよりは投機としての取引が主流でした。言い換えれば、当時は家賃を得るインカムゲイン目的ではなく、売却差益を狙うキャピタルゲイン目的であったということです。

【参考記事】バブル期の不動産投資と現代のマンション投資の違いとは

金利変動へのリスク対応

現在イールドギャップがプラスに保たれている要因としては、日銀のマイナス金利政策によるところが大きいと言えます。さらに低金利時代が長く続けば、安定してインカムゲインを得ることができるでしょう。

では仮に今後、金利変動があった場合にはどのように対応すればよいのでしょうか。金利が上昇した場合の対応方法に、「返済額軽減型」の繰り上げ返済があります。返済額軽減型の繰り上げ返済では、金利上昇によるキャッシュフローへの影響を打ち消すことが可能です。

例えば、融資金額2,000万円、金利2%、融資期間35年の場合、借入れから2年後に返済額軽減型で100万円の繰り上げ返済を行うと、毎月の返済額は3,452円減ることになります。万が一金利が0.1%上昇したとしても、毎月の返済額の増加分は約1,000円ほどです。経済情勢によほどのことがない限り急激な金利変動は考えにくく、あらかじめ繰り上げ返済を想定しておけば、無理なく金利変動のリスクに対応できます。

なお、繰り上げ返済手数料を無料としている金融機関もあります。金利変動が心配な方は、繰り上げ返済を念頭に融資を受ける金融機関を選択すると良いでしょう。

【参考記事】キャッシュフローを改善する繰上げ返済の効果

(提供:マンション経営online



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