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マイクロソフトとソニー、半導体・AI分野で提携へ

マイクロソフト(ティッカー:MSFT)とソニー(ティッカー:SNE)はこのほど、クラウドゲーム、AI(人工知能)、半導体分野における戦略的パートナーシップを発表しました。

市場の関心はクラウドゲームにありましたが、AIおよび半導体分野の提携も極めて重要です。AIおよび半導体に関しては、両社はイメージセンサーの共同開発を目指しています。

マイクロソフトのAzure (クラウドプラットフォーム)AI技術をソニーのチップに組み込み、法人顧客向けに販売する予定です。これにより、ソニーで見過ごされがちだった半導体ビジネスが活性化され、一方でマイクロソフトのクラウドビジネスの拡大につながる見込みです。

半導体 AI
(画像=Getty Images)

ソニーにとっての利点

ソニーの半導体部門は、主にイメージセンサーをカメラやモバイル機器向けに販売しています。同部門は、イメージセンサーの供給についてスマートフォン市場の約半分を占めていて、アップル、サムソン、ファーウェイなどが主要顧客です。

ソニーのXperiaスマートフォンの世界市場に占める割合は1%未満に過ぎませんが、シェア半分を占めるイメージセンサーを通じて、同社はスマートフォン市場全体の成長の恩恵を受けています。マルチカメラ型のスマートフォン向けのイメージセンサー需要が高まっており、半導体部門の2018年の売上は前年比3%増となり、ソニーの全社売上高の10%を占めるようになりました。

半導体部門の今年の売上は、イメージセンサーや3D(3次元)センサーの需要増により、13%増をソニーは予想しています。これが、同社の主力ゲーム部門の落ち込みを補う可能性があります。マイクロソフトと共に、法人顧客向けAI搭載型のイメージセンサーを製造することは、スマートフォン頼みだったイメージセンサーに加え、ソニーの半導体部門に第二の成長エンジンをもたらすとみられます。

両社はまた、マイクロソフトのAIプラットフォームをソニーの消費者向け製品に組み込むことも検討しています。これは、両社のパートナーシップが、今後はソニーの他の事業セグメントにおよぶ可能性を示唆しています。

マイクロソフトにとっての利点

マイクロソフトの中核となる成長エンジンは商業クラウドビジネスで、直近四半期の売上は前年同期比41%増の96億ドルで、同社の全社売上の約3分の1を占めています。クラウド部門の柱は3つで、オフィス365、Dynamics CRM(顧客管理システム)、Azureからなります。Azureは、アマゾン・ウェブ・サービスに次ぐ世界で2番目に大きいクラウドプラットフォームです。

マイクロソフトは、PC市場におけるウインドウズの圧倒的ポジションを活用することでAzureの企業利用を拡大させています。そして、IoT(モノのインターネット)機器をAzureとつなぎ、既存顧客に新サービスを提供しています。さらに、アマゾンの支配を嫌う既存小売企業との大規模な提携も進め、非アマゾン陣営を率いています。イメージセンサーは、Azureの拡大で大きな役割を担います。

たとえば、マイクロソフトは最近、スーパー大手のクローガー(ティッカー:KR)と共同で次世代小売店舗を開発しました。そこで使われるスマート・リテールシステムには、IoTセンサー、画像認識カメラ、デジタルディスプレー搭載のデジタル棚などが接続されています。

ソニーと組むことで、高度なイメージセンサーからの画像情報をAzureのプラットフォームに取り入れることができます。これにより、アマゾン、グーグルなどのクラウドプラットフォーム競合に対する競争優位性をさらに高めることができるでしょう。

両社にとってウィンウィンの提携か

ソニーとマイクロソフトのAIおよび半導体分野におけるパートナーシップは、AI搭載イメージセンサーの需要が高まることで、両社は今回の提携がウィンウィンになることを目指しています。

ソニーは半導体ビジネスで新たな成長エンジンを得られ、マイクロソフトは、小売業へスマートソリューションを提供し、非アマゾン陣営をさらに拡させていくことが期待されます。(提供:The Motley Fool Japan


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