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ヘッジファンドの6つの戦略とパッシブファンドの増加

株式の運用戦略はバリュー投資やグロース投資だけではありません。ヘッジファンドは伝統的なバリュー投資・グロース投資以外にも多彩な運用を行っています。アクティブ型の運用をするヘッジファンドの運用方法は主に6つに分けられます。

個人投資家がヘッジファンドの運用方法の真似をする必要はありません。しかしヘッジファンドの主な運用方法を知ることで個人の運用に応用できるところもあります。アクティブファンドの主な戦略から学べることも多いでしょう。

またアクティブファンドのシェアが低下して、最近ではパッシブ運用をするファンドのシェアが増えています。そこで本記事では、アクティブファンドの主な6つの戦略とパッシブ運用の合計7つの戦略をご紹介します。

ヘッジファンド
(画像=Getty Images)

ロング・ショート

ロング・ショートは上昇しそうなアセットにロング(買い持ち)、下落しそうなアセットにショート(空売り)をすることで、市場が上昇トレンドでも下落トレンドでも利益を積極的に狙う運用方法です。ヘッジファンドの中でも、ロング・ショート戦略を用いているところが一番多いと言われています。

ロング・ショートと一言でいっても、アセットの選択ではファンダメンタルズ分析やクオンツによる分析など様々なアプローチがあります。市場全体の動向に左右されるものの、上昇トレンドでも下落トレンドでも利益を出すことが可能です。個人投資家でもロング・ショートは真似がしやすい運用法です。

ロングはETFでもCFDでも個別株でも普通に買いを入れるだけです。ショートに関しては、日本のネット証券で米国株のショートができるところは一般的ではありません。しかしCFDや海外のネット証券、またベア型ETFなどを使うことでショートポジションをとることは可能です。

グローバル・マクロ

グローバル・マクロは世界各国の経済トレンドや政治動向を重視し、マクロ指標の予測に基づき、様々なアセットに投資を実行します。グローバル・マクロを得意としたジョージ・ソロスによれば「ゲームが変わるところを仕掛ける」運用法です。

グローバル・マクロは高度なシナリオ投資で想定したシナリオが外れることもあります。グローバル・マクロをするヘッジファンドはポジションも大きいため、事前にポジションを公開していることもあります。

CTA/マネージドフューチャーズ

CTAはコモディティ・トレーディング・アドバイザーの略です。商品先物・通貨・株価指数などの広範囲な金融アセットにトレンドフォロー型の分散投資をします。金融工学や統計学をベースにして、コンピュータで先物をはじめとするトレンドを解析する方法です。

有名なところでは、先物市場でのトレンドフォロー型の運用で有名なタートルズが挙げられます。個人投資家でも出来ないことはない運用方法ですが、それなりの資金規模がないことには取り入れるには難しいとも言われています。また明確なトレンドがないと利益が出しづらいという面もあります。

マルチストラテジー

マルチストラテジーは多くの運用方法を用います。つまり戦略に分散投資をします。戦略間における収益の機会や可能性に応じてポジションを調整します。

例えば個人投資家ならバリュー投資もグロース投資もいろいろやってみることでマルチストラテジーのようなことはできます。しかし複数の運用方法を行い、しかも運用方法の組み合わせも考慮しなければならないため、決して簡単ではありません。日本で買える投資信託でもマルチストラテジーをうたっているものがたくさんあります。

イベントドブリン

企業のM&Aなどのイベントが起きるときに発生する株価の変動を、収益機会と捉えて投資する方法です。

例えば、M&Aで買収企業が提示した価格と市場価格の乖離に対してアービトラージをするなど、イベントで利益をあげます。個人投資家でイベントドブリンの投資法を行うには、企業のM&Aや財務などを的確に分析できる必要もあり、ニュースや情報にも詳しくなければいけません。そのためイベントドブリンは個人投資家が再現するには中上級者向けかもしれません。

アービトラージ

アービトラージは、価格変動の相関性が高い銘柄に生じる価格の歪みに着目し、いずれ歪みが解消されるとして割高なものは売り、割安なものは買うという投資法です。アービトラージの価格の歪みは小さいため、ヘッジファンドは大きなレバレッジをかけてアービトラージを行います。個人投資家でもアービトラージは不可能ではなさそうです。

しかし最近の市場はコンピュータがアルゴリズムによる高速トレードをしているため、人間がアルゴリズムにアービトラージで勝つのは一般的には難しいと言われています。

アクティブ運用をするヘッジファンドも厳しい状況

2018年は多くのアクティブ運用をするヘッジファンドも厳しい状況が続きました。まして個人投資家が個人のノウハウと運用資金でヘッジファンドの運用方法を見よう見まねで真似をしても、良い結果にするのは難しいかもしれません。

個人投資家ならではの身軽さなど、有利な点も確かにあります。しかし個人でヘッジファンドの真似をするぐらいなら、大人しくアクティブファンドで自分がしてみたい運用アプローチに近いところを探して投資する方が現実的でしょう。ただETFの種類も豊富な現代では、個人投資家もヘッジファンドのストラテジーに近い運用方法をすることは不可能ではありません。

しかしアクティブ運用をするヘッジファンドそのものが、現在苦戦を強いられています。

アクティブファンドからパッシブファンドの時代へ

パッシブファンドとはパッシブ運用をするファンドのことです。パッシブ運用とは簡単にいえばインデックスに投資をすることです。インデックスとは日経平均やS&P500、香港ハンセン指数などの市場平均のことです。現在はアクティブファンドのシェアが低下し、パッシブファンドのシェアが増加中です。約10年前はアクティブファンドが主流でしたが、パッシブファンドが主流になるのも時間の問題と見られています。

パッシブファンドの方が、信託手数料がアクティブファンドよりも一般的に安く、しかも長期的にみるとアクティブファンドのほとんどが、単にインデックスの動きを追うパッシブファンド以下の運用成績しか出せないことが、個人投資家にも広く知られるようになったからです。

現在ではETFでも投資信託でも多くのインデックスに連動するパッシブ型の金融商品が増えました。最近では信託手数料をだいぶおさえたETFや投資信託が、ネット証券で気軽に買える時代です。少なくとも投資初心者の人は、アクティブファンドの真似も難しければ、高い運用成績をあげられるファンドを探すのも難しいでしょう。

一方で、パッシブファンドならばファンドやETFによって信託手数料などに細かい差はあるかもしれませんが、アクティブファンドよりも選びやすいのではないでしょうか。

まとめ

アクティブファンドの運用は主にロング・ショート、グローバル・マクロ、CTA、マルチストラテジー、イベントドブリン、アービトラージという6つの戦略に分けることができます。

個人投資家にもヘッジファンドの戦略は参考にはなるかもしれません。しかし、資金規模やノウハウなどのことを考えると、完全に再現するのは難しいのではないでしょうか。

一方で、現在はパッシブファンドのシェアがアクティブファンドのシェアを上回ろうとしている時代です。そしてパッシブ運用は長期的にみると多くのアクティブ運用に勝てると言われています。

現在は、信託手数料が安いパッシブ型の投資信託やETFがネット証券で気軽に買える時代です。パッシブ運用のファンドのシェアが、アクティブ運用のファンドのシェアを追い越すのは時代の必然かもしれません。(提供:The Motley Fool Japan


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