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ピニンファリーナ バティスタ──F1より速いハイパーEV

イタリア最大のカロッツェリアが作った高級車ブランドが送り出す市販モデル第一弾 ピニンファリーナは、アルファロメオ『164』やプジョー『406クーペ』といった名車のデザインで知られるイタリア最大のカロッツェリアだ。とりわけ有名なのは歴代フェラーリだろう。1967年の『ディーノ』は最高傑作のひとつ。クルマのほかにも、オートバイ、船舶、オフィスチェア、エスプレッソマシンといった工業デザインを手がけている。 現在のピニンファリーナは、インドの大手自動車メーカー、マヒンドラ&マヒンドラ(M&M)の傘下にある。アウトモビリ・ピニンファリーナは、そのM&Mが昨年立ち上げた新しい高級車ブランドだ。ジュネーブモーターショーで公開されたEVハイパーカーの『バティスタ』は市販モデル第一弾となる。ちなみに、『バティスタ』という車名は、ピニンファリーナの創設者であるバティスタ・ファリーナ(Battista Farina)に由来する。 0-100km/h加速は驚異の2秒以下を実現。F1マシンを凌ぐ『バティスタ』の加速力 パワートレインは、四輪それぞれに独立して搭載される4個のインホイールモーター。合計で最高出力1900ps、最大トルク234kg-mを発生する。そこから生み出される加速力は強烈無比で、0-100km/hの加速はなんと2秒以下を実現。これは今季のF1マシンを凌ぐ速さだ。0-300km/h加速も12秒以下で、最高速度は350km/hに達するという。 シート後方に配置された容量120kWhのバッテリーは急速充電に対応し、1回のフル充電の走行距離は約450km。やや物足りない数字だが、ハイパースポーツカーなので仕方がないだろう。とはいえ、これは東京から京都へノンストップで移動できる航続性能だ。 モーターとバッテリーは、ポルシェが株式10%を保有するクロアチアのEVメーカー、リマック・アウトモビリとの技術提携によって開発された。そのため、リマック社のEVハイパーカー『C_Two』とは兄弟車の関係にある。ただし、共有しているメカニズムは50%程度にすぎず、セッティングやドライビング性能には独自の味つけが施されている。 二分割形状のリアセクション。左右のドアはルーフの一部とともに上方へ跳ね上がる 名門カロッツェリアが送り出すEVハイパーカーだけに、エクステリアデザインも注目ポイントのひとつだろう。低いノーズからボリューミーなリアに向けて流れる美しいボディラインは滑らかのひと言で、一見しただけでも空力性能の高さがうかがえる。リアセクションはめずらしい二分割形状で、テールランプは可変タイプのリアウィングと一体となっている。左右のドアは、ルーフの一部とともに上方へ向かって跳ね上がるデザインだ。 ボディは、フルカーボンファイバーのモノコックに、カーボンファイバー製ボディパネルを組み合わせて軽量化。車両前後は衝突時の衝撃を吸収するためにアルミを使用する。 インテリアはエレガントかつ先進的だが、もっとも重視されたのは機能性だ。ドライバー正面に小型のデジタルインストゥルメントクラスターを設置し、その両側に大型デュアルディスプレイをレイアウト。左側の画面で車両のダイナミクスとパフォーマンスをコントロールし、右側でナビゲーションとインフォテインメントシステムを操作する。最小限のボタンとスイッチにより、ドライバーが直感的に対話できるように設計されている。 今後3年間で3車種を発表。ランボルギーニ『ウルス』のようなスーパーSUVも登場 『バティスタ』の生産台数は150台。アメリカ、ヨーロッパを中心に各国の市場で来年から販売される予定だ。すでに予約も開始され、30人以上が代金を支払い済み。アウトモビリ・ピニンファリーナによると、その65%以上がアメリカ向けになるという。 最初に述べたとおり、『バティスタ』はブランドの市販モデル第一弾で、アウトモビリ・ピニンファリーナは今後3年間で新たに3車種を発表していくとしている。そして、そのうちの2車種は、ランボルギーニ『ウルス』やベントレー『ベンテイガ』のような“スーパーSUV”になる予定。むろん電動パワートレインを搭載するモデルとなるだろう。限られたセレブしか手にすることはできないだろうが、こちらも登場するのが今から愉しみだ。