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ビジネス英会話は中学英語で大丈夫 青木ゆか(捨てる英語スクール代表)

「言い換えのコツ」で学ばなくても語彙力は広がる

ビジネス英会話,青木ゆか
(画像=THE21オンライン)

今から英語の勉強をし直したいと思っても、「記憶力に自信がないから単語やフレーズ等が覚えられない」という40代は多いかもしれない。しかし実は、多くの人は、英語を話すための知識をすでに持ち合わせていると指摘するのは、「捨てる英語スクール」代表の青木ゆか氏。発想を変えるだけで、英語が一気に溢れ出す!一体、どんな方法なのだろうか。お話をうかがった。

語彙力よりも大切な「コアを掴む力」とは?

単語がわからないから英語を話せない。いざというときに、覚えたフレーズが出てこないから言葉に詰まる──。

こうした理由から、英会話に苦手意識を持つ人は少なくないはず。

ですが、多くの人はすでに英語を使いこなす力を持ち合わせています。英語を話せないと「思い込んでいるだけ」なのです。

自分が伝えたい英語には、正解があるに違いないと考えていませんか。正解以外は話してはいけないと思っていませんか。

このような思い込みから、いつまでも英語が話せない人は、ひたすら正しい表現をインプットし続けます。

でも、実践でその知識が使えなくて、自信をなくしてしまう。こうした負の無限ループが、英語コンプレックスを醸成していくのです。

語彙力があることに越したことはありません。でも、より重要なのは、「コアを掴む力」です。

コアを掴む力とは、「自分が本当に伝えたいメッセージの本質を掴む力」です。それがあれば、たとえ中学レベルの英単語しか知らなくても、今まで以上に表現の幅を広げることができるのです。

私は、言語化能力をボキャブラリー×コアを掴む力と表現しています。

例えば、ボキャブラリーレベル5に対して、コアを掴む力が1なら、伝える力は5のまま。語彙を1つ増やしても、レベルは、6にしかなりません。

でも、コアを掴む力が2であれば、ボキャブラリーのレベルが5であっても、伝える力は10まで上がります。

余計な情報を捨て極限までシンプルに言う

「コアを掴む力」と言われても、イメージしにくいかもしれません。具体例を出しましょう。

突然ですが、「そんなの常識だよ」というフレーズを、英語で表現してみてください。「『常識』は英語で何て言うんだっけ」などと考えてはいけませんよ。

おそらく、英会話を得意とする人は「Everybody knows it」と表現しているでしょう。自分が伝えたい言葉の本質を、さりげなく言い換えているのです。

いきなり本質を言い換えろと言われても、どう考えれば言い換えられるのかがわからないという方もいらっしゃるでしょう。

そんな方は次の四つを意識してください。

一つは、表現を極限までシンプルにしてみることです。

例えば、日本文化に関心のある外国人から「納豆とは」と聞かれたとしましょう。多くの人は、「Natto is a traditionalJapanese food made from soybeans fermented with bacillus subtilis var」「納豆は日本の伝統的な食品で、発酵した大豆からできています」と、丁寧に答えたいはずです。

でも、辞書を調べたりしてそれを表現するまでの時間を考えると「Traditional Japanese food」とまずは伝えることが大切だったりします。

せめて「発酵した豆」くらい伝えなくてはと思う気持ちはよくわかりますが、発酵という単語がすぐに出てくる人はそう多くはありません。細かく説明しようとすればするほど、混乱してしまうでしょう。

それより、相手の聞きたいことの意図を汲んで、シンプルに答えたほうが上手くいきます。

常に、「要するに、自分は何が言いたいのか」を考え、余計な情報やニュアンスは8割捨てる。これが言い換えの第一歩です。

実は、この力が身につくと、英語表現のみならず、コミュニケーションそのものが上手くなっていきます。

抽象語は捨てて具体的なイメージに

二つ目は、大人語を捨てる。

つまり、難しい言葉を簡単な表現に置き換えてみることです。

例えば、会議でよく使われる「賛成多数」という表現を英訳してみましょう。

難しい表現を使えば「approved by a majorityof the board members」などとなります。

でも、本当に伝えたいのは「多くの人が同じ意見である」ということなのですから、難しく考えずに、「Mostpeople said yes」と言い換えてみましょう。

難しい日本語をそのまま英訳しなければならないと考えがちですが、子供にわかるように表現を変換するイメージを持てば、難しい単語を知らなくても、表現することは可能です。

三つ目は、抽象語を捨てる。伝えたいことが漠然としすぎて、何と表現していいのかわからないケースです。そんなときは、言おうとしていることを具体的な表現に落としこんでみましょう。

例えば、転職の面接で「私は臨機応変に物事に対処できます」とアピールしたいとき。臨機応変な私が、具体的にやれることは何かを考えてみましょう。

ポイントは、頭の中でイメージを広げること。「臨機応変な私」が、イメージの中で何をしているのか、を想像するのです。

すると、「何が起きても、最良の解決策を見つけている自分」を思いつくはず。そうしたイメージを英語で「Whatever happens, I can find the best solution」と表現できるでしょう。

四つ目は、直訳にとらわれないこと。もし、「キリン」「giraffe」という言葉を思い出せなかったら、どうしますか。相手は思い出すまで待ってはくれません。

そこで、直接キリンを表わす単語を探すのを止め、自分が伝えたい情報に集中し、そのなかで英語にできるところを探しましょう。

すると「A tall animal, long neck, Yellow」という単語が出てきます。わからない単語への固執を捨てるのが、英語表現の幅を広げていくコツなのです。

外国人との会話を「妄想トレーニング」

さて、英語の正解にとらわれることなく、「どう表現できるか」を意識できるようになったら、後は言い換えの練習を積んでいくのみです。

日頃から、目についた慣用句や単語などを英語で言い換えるようにすれば、語彙力や表現力が自ずと鍛えられていきます。電車の中吊り広告などいいかもしれません。

本当なら、ここで学んだ表現をすぐにでも英会話で実践していきたいところですが、「まだ心の準備が……」「英会話をする機会がない」という人もいるはず。

そんな方は、様々なシチュエーションで英会話をする妄想をしてみましょう。ビジネスシーンや雑談など、英語を使う場面をたくさんシミュレーションすることで、うまく表現できない言葉や苦手な会話など、自分の弱点に気づくことができます。

つまずいたシーンで、魔法のボックスを使えば、一人でも表現の幅は広がっていくでしょう。

ぜひ、英語表現の引き出しを増やしていってください。

青木ゆか (あおき・ゆか)
捨てる英語スクール代表1977年、千葉県生まれ。高校時代にイギリスへ、大学院時代にアメリカへ留学した経験を持つが、英会話に大きなコンプレックスを抱える。自らそれを乗り越えた経験をもとに学習メソッドを開発。現在は企業研修や講演など幅広く活動している。著書に『なんでも英語で言えちゃう本』『ずるいえいご』(日本経済新聞出版社) がある。≪取材構成:THE21編集部≫(『THE21オンライン』2019年2月号より)

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