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ビジネスジェットはなぜ日本で広がらないのか?3つの誤解を解く

グローバル企業では重要なビジネスツールに位置づけられるビジネスジェット。経営層だけではなく、管理職などにも幅広く利用されています。しかし、日本では認知が低く「軽飛行機の現代版」くらいの印象しか持っていない方もいるでしょう。本稿では、ビジネスジェットの利用状況、導入メリット、最新機の性能を解説します。

ビジネスジェットの保有数。アメリカ1万3,133機VS日本85機

日本ではビジネスジェットの利用はまだ珍しいですが、世界では幅広く使われています。日本ビジネス航空協会によると、世界全体で保有されているビジネスジェットは2万機以上。保有上位の国は次の通りです。(2015年3月末時点)
  • アメリカ 1万3,133機
  • ブラジル 840機
  • メキシコ 777機
  • イギリス 589機
  • カナダ 502機
参考:日本ビジネス航空協会「日本におけるビジネスジェットの現状と展望

イギリスを除けば、国土の広い国がビジネスジェットを多く保有する傾向があります。日本国内の保有状況を見てみると85機しかなく、さらに民間企業に限るとわずか27機。この分野では後進国であるといえそうです。ただし、逆にいえば他の企業が有していないだけに、保有するとかなりのインパクト(PR効果)があるかもしれません。

ビジネスジェットは効率的な働き方に貢献する

ビジネスジェットを保有するメリットは次の5つに集約されます。
  1. 目的地に直行できる、最短距離で移動できる
  2. 保安チェックや手荷物受取などの待ち時間の短縮
  3. 利用者のスケジュールに合わせて飛行可能
  4. 複数の場所を短時間で移動しやすい
  5. 密室(機内)で打ち合わせができる
上記のうち1~4は、「効率的な働き方」に関わるものです。日本企業でも働き方の意識が大きく変わってきているため、今後、ビジネスジェットへの注目が国内で高まる可能性はあります。

ビジネスジェットのよくある3つの誤解

日本ではビジネスジェットを利用している方が少ないので、その性能を正しく理解されていない面もあるようです。実感しやすいよう、皆さんがふだん乗っているジャンボジェットと比較しながら、「ビジネスジェットのよくある3つの誤解」を解消します。

ビジネスジェットの誤解1. 速度が遅いのでは?

ビジネスジェットは、一般的なジャンボジェットとほぼ同じか、場合によっては、速く飛ぶことができます。平均的なジャンボジェットの速度はマッハ0.75前後。時速にすると約900キロメートル/毎時です。一方、ビジネスジェットの速度はマッハ0.6~0.9。時速にすると600~1,000キロメートル/毎時ということになります。

ビジネスジェットの勘違い2. 高度が低いのでは?

ビジネスジェットは、時としてジャンボジェット以上の高度を飛行します。ジャンボジェットの巡航高度は、通常3~4万フィートとされています。1フィート=30.48センチメートル=0.3048メートルです。つまり、3~4万フィートは約9,144~1万3,000メートルほど。対して、ビジネスジェットは4万~5万フィート(約1万2,000~1万5,000メートル)です(巡航距離、気象状況によって変化あり)。

ビジネスジェットの勘違い3.航続距離が短いのでは?

これについては機体の大きいジャンボジェットが優位ですが、ビジネスジェットもそこそこの航続距離があります。一般的なジャンボジェットの航続距離は3,000~1万5,000キロメートル前後。一方ビジネスジェットの場合、大型であれば1万キロメートル前後、小型の場合は2,000キロメートル台のものが多い傾向です。

国産ビジネスジェット「ホンダジェット」の実力は?

ちなみに日本国産の小型ビジネスジェットとして注目されているホンダジェットの性能は、次の通りです。

最大速度 時速782キロメートル
最大高度 4万3,000フィート
航続距離 2,661キロメートル
参照:HONDA公式サイト「Honda Jet Eliteの性能」(2018年9月時点)

このデータを見ると、高度はトップクラスなものの、速度や航続距離は一般的なビジネスジェットとあまり変わらない印象を受けます。しかし、ホンダジェットは機体の重さで見るとビジネスジェットの中で、もっとも小型な「ベリーライト(乗員5名程度)」のクラスに含まれます。このクラスでは、速度、高度、航続距離で高性能というのがホンダジェットのポジションなのです。

ホンダジェット最新機の1台あたりの価格は……

ちなみに、2018年段階のホンダジェットの価格は約5億8,000万円といわれます。日本国内での販売窓口は丸紅エアロスペース設立の「ホンダジェット・ジャパン」。国内84ヵ所の空港で離着陸が可能、さらに東京から中国や韓国の主要都市まで飛行できます。今後、日本でビジネスジェットが広がるかは、このホンダジェットの販売状況が鍵を握っているといっても過言ではないでしょう。2019年からはじまる納入状況に注目です。

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