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ハイテク巨人の比較:アマゾンとグーグル

モトリーフール米国本社、2019年5月26日投稿記事より

アマゾン・ドットコム(ティッカー:AMZN)とグーグルの親会社アルファベット(ティッカー:GOOGL、GOOG)は、過去20年以上にわたりハイテクセクターを牽引してきました。平均的な米国消費者は、グーグルサーチやユーチューブ、またはアマゾンのクラウドサービスであるアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)に支えられた各種ウェブサイトなど両社の様々なサービスを毎日使っています。

ハイテク巨人
(画像=Getty Images)

現時点において、将来展望を含めて両社を比較します。2社の株価は、上場後ほぼ一貫して市場平均を上回ってきました。

下のチャートは、過去5年の株価推移です。ご覧の通り、両社の株価は共にS&P500インデックスを上回っていますが、両社で比較した場合、アマゾンが明らかな勝者です。

アマゾン(青)、アルファベット(オレンジ)、S&P500インデックス(赤)の過去5年間の変化(単位:%)

ハイテク巨人の比較:アマゾンとグーグル
(画像=出典:YCHARTS。2019年5月21日時点)

アマゾン:Eコマースの強みを他の事業にも活かす

アマゾンはEコマース(電子商取引)の巨大企業ですが、その強みを他の事業にも活かしています。特に有望なのはAWSと広告事業で、直近四半期のAWSの売上は前年同期比41%増の77億ドルに達し、広告が主な「その他」事業の売上は34%増の27億ドルでした。広告事業は、グーグルの市場シェアを奪いつつあります。両セグメントは急速に売上を伸ばしているだけでなく、収益性も高くなっています。

昨年のAWSの営業利益率は28.4%で、デジタル広告の利幅が大きいことは、グーグルやフェイスブックの業績を見れば明らかです。また、アマゾンは、AI(人工知能)アシストのアレクサを使った音声認識技術を活用した新規ビジネスや、ヘルスケア事業などで新規ビジネスを追求しています。もちろん、アマゾンの本業であるEコマースの業績は堅調です。第三者向けマーケットプレイスが急成長しており、利益率も直販を大きく上回っています。

さらに第1四半期(1月~3月)決算発表によれば、アマゾンは8億ドルを投じて米国のプライム会員向けに翌日配達を開始します(これまでは最短2日)。重要なプライム会員向けの配達時間の短縮により、顧客サービスを改善し、新規会員獲得につなげる構えです。アマゾンの一連の戦略は、増収を増益に直結させており、競争優位性も強化しています。アマゾンの株価は高いものの、同社は戦略を継ぎ目なく展開している強みがあると考えられます。

アルファベット:インターネット検索の次の一手を模索

アルファベットの直近の2019年第1四半期(1月~3月)の決算発表によれば、課金クリック数の成長が予想より減速しています。同期の課金クリック数は前年同期比38%増でしたが、過去数四半期の50%~60%増からは見劣ります。さらに、1クリック当たりの広告単価が19%減となり、広告収入の足を引っ張りました。この結果、第1四半期の増収率は17%となり、これまでの高い増収率から減速しています。

アルファベットの経営陣は、広告の表示形態の変化を売上高減速の理由にしていますが、アマゾンの検索関連広告への積極的な参入も影響しているとみられます。アルファベットは、今後大きな成長余地がある新規事業を引き続き模索しています。最も有望なのが、自動運転車部門のウェイモです。同社はアリゾナ州フェニックスで自動運転車を使ったライドシェアリング(配車サービス)を実施しており、他の都市にも拡大する計画です。モルガン・スタンレーによれば、ウェイモ事業だけでも1,750億ドルの価値があると見込まれています。

また、グーグルにおいて各種ハードウェア販売を拡大させています。なお、以上の成長分野での進捗にもかかわらず、アルファベットの短期的な業績は引き続き広告ビジネス動向に大きく依存しています。

優れているのは?

バリュー(割安株)投資家は、PER(株価収益率)77倍のアマゾンより同29倍のアルファベットを選好するかもしれません。しかし、2社を比較した場合、アマゾンの方が優れた戦略を取っているとみられます。自社のさまざまな競争優位性を相互に活かして新規ビジネスを拡大し、さらに既存ビジネスの成長にレバレッジをかけているためです。この結果として、著しい増益を達成しています。

一方、アルファベットは、インターネット検索以外の事業で依然模索しています。そして、新しいベンチャー事業は、同社の強みである検索事業と関係していません。利益成長率、全般的な経営戦略、創造的破壊をもたらす手腕により、アマゾンの方が優れているとみられます。アルファベットも代表的なハイテク株ですが、短期的な問題に直面しています。(提供:The Motley Fool Japan


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