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ドル円は110.80-111.00円で戻り売り、利食い110.20円、撤退は111.20円

前日については、東京時間に黒田日銀総裁が「物価目標の達成に必要なら追加緩和を検討」、「為替で経済物価に影響が出て目標達成に必要ならば緩和を検討」と発言したことを受け、110.50円付近で膠着状態になっていたドル円は110.70円付近まで反発し、ドル円は一時110.821円まで上値を拡大しました。本日の東京時間では、昨日の高値を上抜けており、黒田日銀総裁発言の影響はまだまだ継続していると考えられそうです。

ポンドドルについては、2/4振りの高値となる1.30721ドルまで上値を拡大しました。メイ英首相とユンケル欧州委員長の会談を明日に控えており、目先のポジション調整の買い戻しが強まったことが要因として挙げられますが、これまで同様にある程度の期待感がポンドを押し上げています。期待感によりポンド上昇、期待外れのポンド売りという単純明快な動きを繰り返していることから、今回も会談後はポンド売りになりそうです。既に、ユンケル欧州委員長は今回の会談は突破口にはならないと公言しています。

前日のドル売りの要因は、人民元が関係しています。米中通商協議で米国側は中国に対して人民元の安定維持を要求したとの報道が伝わり、一時オフショア市場で6.7424元までドル安、元高が進みました。米国側は、米中貿易不均衡是正に向けて、中国からの輸入拡大と中国人民元高を要請している可能性が高く、本日の米中次官級通商協議、21-22日開催予定の米中閣僚級通商協議に新たなトピックスが加わったと考えらます。中国側が完全に要求を否定するとは考えづらく、ドル安、元高になりやすい状況ができつつあります。

今後の見通し

FXプライム,市況解説
(画像=PIXTA)

黒田日銀総裁発言を受けて、前日から円安基調が継続していますが、米国財務省が毎年4月と10月に公表している為替政策報告書では、2013年からの日本銀行による金融緩和政策を受けて、円安に推移していることが言及されています。介入こそしていないものの、金融緩和策を通じて円安を誘導していると指摘しており、日米通商協議で為替条項が導入される可能性が出てきました。現状は円安に振れやすくなっていますが、為替条項が導入されれば、反動で大きく円高に向かう可能性は考慮した方がよさそうです。

ユーロについては、欧州経済の景気減速により下落基調が強まり、1.1270ドル台まで値を下げたものの、米中通商協議で人民元の安定維持が条項に入るのではとの思惑からドルが売られ、1.1350ドル付近まで反発しています。ただ、これは突発的なドル売り材料が出てきたことが要因であり、ユーロの地合いが強くなったわけではありません。一定の戻り(1.1380-1.1400ドル付近)があったところは、戻り売りポイントとして考えた方がいいかもしれません。

黒田日銀総裁発言で円安も、円独歩安になるとは思えない

黒田日銀総裁の発言により、大きく円安に舵を切りだしましたが、米中通商協議真っ只中であること、その後は日米通商協議が控えていることもあり、大きくレンジを抜けるようなことは難しいと考えています。コアレンジ上限と考えていた110.80円は上抜けましたが、111円をしっかり上抜けることはないのではないでしょうか。110.80円のドル円ショート、損切りは111.20円上抜け、利食いは110.20円を想定します。

海外時間からの流れ

米中通商協議で米国側は中国に対して人民元の安定維持を要求したとの報道により、一番影響を受けたのが豪ドルです。豪ドル円では78.70円付近から79.30円付近まで反発しており、元高が豪ドル高を牽引しています。豪ドル高は資源国通貨なども連れ高にする動きをすることが多いため、米中通商協議はドル高イベントになるかと思われましたが、リスクオンのイベントになるかもしれません。

今日の予定

本日は、独・1月生産者物価指数、米・FOMC議事録公表が予定されております。

(提供:FXプライムbyGMO)

FXプライムbyGMO情報分析チーム
為替のみならず、株式、商品相場の経験者が多角的な目線でマーケットを分析します。執筆者は営業推進部マーケッツグループ長、稲井有紀、グループ長代行、崔 敏樹。