富裕層・投資家の「今と先」を伝えるキュレーションサイト

トラブルを未然に防止!お客様への資産管理アドバイス【第18回】成年後見の当事者同士での信託契約について悩むお客様

money
(画像=William Potter / Shutterstock.com)

解説

母親の意思能力が衰えてきたことから、屋敷さんは1年ほど前家庭裁判所に相談し、母親の保佐人になった。屋敷さんは長男で、次男と妹の3人兄弟。3人とも母親とは離れ独立して暮らしている。家庭裁判所からは司法書士が保佐監督人に選任され、屋敷さんはこの監督のもと母親の財産保護を行っている。

屋敷さんはその後、保佐人から一歩踏み込んで、母親の財産をしっかり管理したほうがよいのではと考えるようになった。

相談を受けた寄添くんは、屋敷さんが信託受託者となり、自宅不動産など母親の財産の名義を屋敷さんに移転すれば、信託財産の所有者として屋敷さんの裁量で様々な契約ができることを説明。介護費や医療費についても、母親が金融機関から融資を受けるのは難しいが、屋敷さんなら信託財産を担保にお金を借りて賄っていくことができる。

だが、屋敷さんは弟妹の手前、信託財産の管理状況についてはガラス張りにしたい。また、すでに被保佐人となっている母親と保佐人である屋敷さんとの間で、信託契約を締結できるか不安があった。

さらに、信託財産を担保に母親の生活費・介護費等を借り入れる場合、最終的には信託財産である母親の自宅不動産を処分して返済することになるが、このような形での(勝手な)財産処分が可能なのかも疑問だった。

この点について、屋敷さんの母親の余生を支援する福祉型信託(高齢者の生活支援のための信託)なら、結果として母親が亡くなった後に信託財産を返済に充てても、人権侵害にはあたらないと考えられる。福祉型の信託であることを明確に契約に盛り込めば、信託財産処分の内容を盛り込んでおいても、家庭裁判所の承認は得られると判断したのである。

保佐監督人が代理人として手続き