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デジタル遺産の相続トラブルを回避せよ ネット証券、仮想通貨、FXなどの正しい扱い方

ネット証券やネットバンクなどで管理する「デジタル遺産」が急増し、相続トラブルの内容が様変わりしています。デジタル遺産はご家族が存在に気づきにくいため、ある日突然、「相続税+延滞税・加算税」を請求される可能性もあるかもしれません。今回は、デジタル遺産の相続トラブルを回避するための方法を考えましょう。

市場の急拡大……5年間で預かり資産が倍増したネット証券も

デジタル遺産,相続トラブル
(写真=13_Phunkod/Shutterstock.com)

急増する「デジタル遺産」の相続トラブルのリスクが高まっています。デジタル遺産とは、ネット上やデジタル機器で管理している金融資産のことです。一例としては、次のような場所で管理されている金融資産が挙げられます。

●ネット証券やネットバンクの口座
●ネットによる先物取引やFXの口座
●仮想通貨の口座(FX、レバレッジ取引を含む)またはウォレット

例えば、このうちネット証券だけにフォーカスしても口座数は急拡大しています。業界No.1のSBI 証券の口座数は2013年3月末の2,609万口座から2018年3月末には4,261万口座へ増加しました。5年間で1,652万口座も増加しています。預かり資産残高で見てみると、2013年3月末は6兆円3,600億円であった預かり資産が2018年3月末には12兆8,000億円とほぼ倍増。市場の急拡大に伴い、デジタル遺産のトラブルも深刻化しつつあります。

デジタル遺産で怖いのは突然の相続税。知らないうちのロスカットも

デジタル遺産の相続トラブルについては、「相続発生後の対処」と「相続発生前の対処」があります。まず、「相続発生後の対処」です。一言でデジタル遺産のトラブルといっても、次のようにいくつかのカテゴリに分けられます。その内容によって対処が変わってきます。

●デジタル遺産が存在するか判断できない
●デジタル遺産の存在はわかっているが、口座にアクセスできない
●機器・アカウントのパスワードがわからない

デジタル遺産のトラブルでもっとも深刻なのは、相続税の申告期限の10ヵ月を過ぎてしまい、ある日突然、「相続税+延滞税・加算税」を求められることです。心当たりがあるものの、デジタル遺産の存在場所がつかめない方は、相続を得意とする弁護士に相談するのが賢明です。また、金融機関名はわかっているのに口座番号やパスワードが不明なケースでは、まずは金融機関に問い合わせるのがよいでしょう。

機器のパスワードがわからない場合も、速やかな対処が必要です。ネット上でパスワードの解決方法が多数紹介されています。それらを試しても改善できない場合は、専門業者に依頼するのが安全です。(ただし、規約で本人以外のアクセスが認められていないケースもあります)デジタル遺産のリスクとしては、相続税に加えて、FX(外為・仮想通貨など)などのロスカットもあります。

ご本人が亡くなった後、そのまま長期間放置されるとロスカットによって残高が大きく目減りする可能性もあるので、スムーズな現金化が望ましいと考えられます。

「デジタル遺産の目録」作成が一番のリスク回避

デジタル遺産のトラブルを防ぐには、「相続発生前の対処」が効果的です。具体策としては、遺言書などとは別に、デジタル遺産の目録(紙やCD -ROMなどで保管)を作成しておくとよいでしょう。決まったフォーマットはありませんが、一例としては、デジタル遺産を所有している金融機関およびID・パスワードなどを一覧化しておくことです。

あわせて、所有する金融資産の種類やおおまかな株数などをまとめておき、出力・保管しておくと、被相続人(あるいは受託者)が管理しやすいでしょう。さらに、このデジタル遺産の管理者を遺言書などで指定しておくとよいかもしれません。デジタル遺産の目録の作成後は、現実の変化に合わせた更新が望ましいです。

金融資産に変更があったときにその都度、変更するのは難しいかもしれません。しかし、例えば年に1回、数ヵ月に1回など定期的な更新頻度を決めておくと、目録と現実の差を最小限に抑えられるでしょう。(提供:Wealth Window

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