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スポティファイは値上げせずに、どのように売上成長を目指しているのか?

モトリーフール米国本社、2018年10月6日投稿記事より

音楽ストリーミング配信サービスで世界最大手のスポティファイは、過去2年間で平均月額料金が減少傾向にありました。そして、第2四半期(2018年6月期)の、平均月額料金は、前年同期比12%減でした。主な原因は、家族割の導入や学割プランの伸長によります。

にもかかわらず、同社の財務部長バリー・マッカーシーは、月額料金を引き上げるつもりはないと述べました。引き続き、増収に注力すべきであり、そのためには値上げするよりも効果的な打ち手が多くあると説明しています。

ちなみに、2004年から2010年にかけてネットフリックスでも財務部長であった彼は、値上げすることなく急成長を実現させました。(両社は、月額課金のストック型ビジネスモデルで、海外展開により成長している点で共通しています。)そして、スポティファイは、以下のような施策を通して、値上げ以外の方法で高い増収増益を持続することを目指しています。

スポティファイは値上げせずに、どのように売上成長を目指しているのか?
(画像=Getty Images)

規模をテコにマージン拡大

スポティファイは月間アクティブリスナーが1億8,000万人を超え、そのうち8,300万人が定額料金を支払っています。同社の有料会員数は、アップル・ミュージックの2倍の規模となっています。この規模を活かして、レコード会社に対し交渉力を発揮し、マージンを拡大することが期待されています。

さらに重要なことは、スポティファイが他の音楽ストリーミングサービスよりも多くの顧客データを保有しており、どの音楽カテゴリが注力分野であるかを見通すことができます。

そして、そのカテゴリにおけるアーティストと直接取引することにより、(レコード会社の取り分がなくなり、)同社のマージン改善に貢献することが期待されます。


海外展開と非音楽カテゴリへの横展開

スポティファイは、上記のようにマージンを拡大するだけでなく、以下のような手段で売上成長を継続しようとしています。

ひとつは海外展開です。スポティファイは現在65カ国で事業を展開していますが、今後約120カ国へ広げると見込んでよいでしょう。市場に参入する前に、進出する国の音楽に関する権利を取得する必要があり、先行投資は避けられませんが、長期的な業容の拡大のためには不可欠な投資です。

もうひとつは、音楽以外のコンテンツを拡充することです。すでにPodcastによる音声配信サービスを構築しており、1.8億人のユーザーに対しさらなるマネタイズの機会を図っています。このように、同社は短期間の利益よりも、長期間でのユーザー数の伸びを重視しています。

こういったスタンスにより、スポティファイは営業利益率の目標については開示していません。第2四半期の営業利益率はわずか0.7%向上しただけです。これは、海外展開も含めた将来の成長への投資のための販管費増によるものです。


プレミアムサービスによりライフタイムバリューを引き上げる

スポティファイは、加入者一人あたりの獲得コストを引き上げて、オプションやプレミアム会員の比率をあげることにより、ライフタイムバリューの向上を狙っています。

2017年からプレミアム会員数は急増ししてきており、アップセルに成功しつつあります。販管費増がライフタイムバリューを大幅伸長につながったことになりました。そして、経営陣は、その傾向は2018年の第1四半期及び第2四半期においても変わっていないと述べています。

このように、会員のライフタイムバリューは、スポティファイの長期的見通しを占う上で重要な指標であるため、投資家は今後も注目していく必要があるでしょう。これらの指標は、同社だけではなく、月額課金のストック型ビジネスには重要なものといえます。(提供:The Motley Fool Japan


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