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ゴルフGTI TCR──サーキットで生まれた最強のVW Golf

由来はレーシングマシン。“史上最速のゴルフGTI”として登場した『ゴルフGTI TCR』 車名にある「TCR」は、WTCRに参戦するレーシングマシンを意味する。モータースポーツに詳しい人なら、『ゴルフGTI TCR』という名が旧TCRインターナショナル・シリーズで過去2勝を挙げている『ゴルフGTI』をベースとするレーシングマシンに由来することがわかるだろう。その公道バージョンとなるのがこのクルマだ。2018年5月にオーストリアのヴェルターゼーでコンセプトモデルとしてお披露目され、今年1月中旬、ついにフォルクスワーゲンから市販モデルのヨーロッパでの受注開始がアナウンスされた。 ベースの『ゴルフGTI』は、1976年に登場した初代『ゴルフ』以来、歴代モデルに設定されてきた高性能モデルだ。実用的なハッチバックであると同時に、スポーツ性を併せもった稀有な存在であったことから、初代は「ホットハッチの元祖」とされている。 今でこそ『ゴルフ』シリーズの頂点は『ゴルフR』に譲ったが、FF(前輪駆動)の最強モデルとしての存在感は高い。『ゴルフ』シリーズの代名詞的な存在であり、ルノー『メガーヌR.S.』などとともに欧州のホットハッチ文化を牽引する一台だ。しかし、WTCR参戦車両の名をもつ『ゴルフGTI TCR』は当然、すべてにおいてこの「GTI」の上をいく。 最高出力は通常の『ゴルフGTI』から大幅アップの290馬力。最高速度は260km/h 搭載される2.0L 直列4気筒ガソリンターボエンジンは、最高出力213 kW(290ps)、最大トルク380Nm(37.7kgm)を発生。同じ排気量の現行『ゴルフGTI』がそれぞれ169kW(230ps)/350Nm(35.7kgm)、『ゴルフGTIパフォーマンス』が180kW(245ps)/370Nm(37.7kgm)だから、出力・トルクともに大幅なパワーアップがはかられている。 トランスミッションにはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)の7速DSGが組み合わされ、0-100km/h加速は5.6秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)。250km/hでリミッターがかかるのは欧州車によく見られるが、オプションのVmaxアップグレードを選べばリミッターが解除され、最高速度を260km/hまで伸ばすことも可能だ。パワーユニットの強化にともないラジエターが2つ追加され、フロントアクスルにディファレンシャルロック、またドリルドディスブレーキを装備するなど足回りも強化された。 このほか、車内からダンパー設定を変更できるアダプティブシャーシコントロール(DCC)を盛り込んだパッケージ、専用チューンのショックアブソーバーが装備される「ファーストホイールパッケージ」、19インチのセミスリックタイヤと19インチホイールが装着される競技仕様の「セカンドホイールパッケージ」もオプションで用意される。 『ゴルフGTI TCR』のドイツ本国での価格は約490万円。日本への導入はあるのか? 「TCR」の名をもつだけに、エクステリアとインテリアの仕立てもいかにもレーシーだ。外観では、専用のフロントスプリッターにサイドシルエクステンション、TCRルーフスポイラー、ディフューザー、ブラックドアミラーキャップといった専用パーツが与えられている。18インチ鍛造アルミホイールの奥からは、「GTI」のロゴが入った真っ赤なブレーキキャリパーが覗く。ボディ側面の下部には「TCR」のロゴがあしらわれた。 さらに、こちらはオプションとなるが、ハニカム模様が印象的なボディデカール、ブラックのルーフ、カーボンファイバー製ドアミラーキャップを選択することもできる。 バケット形状のシートは、マイクロファイバーとファブリックのコンビ素材で、赤いラインがアクセントとして添えられた。この赤は、ステアリングホイールの0時の位置、シフトノブにも施され、サーキット直系の特別な一台であることを主張する。 ドイツ本国での価格は3万8950ユーロから。日本円にするとおよそ490万円だ。DCCや19インチホイールのオプションを選べば500万円代中盤になるだろう。現時点では日本導入のアナウンスはないが、『ゴルフGTI』は日本でも高い人気をもつモデル。「最強のゴルフGTI」のニーズが日本にないとは思えない。導入を期待したい一台である。