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グーグルとマイクロソフトへのファーウェイ排除の影響は?

モトリーフール米国本社、2019年5月28日投稿記事より

米国政府は中国の通信機器大手ファーウェイに対する排除措置を発表し、今後ファーウェイは米国製品やテクノロジーを使えなくなります。これを受け、ファーウェイは最近、スマートフォンおよびPCの独自オペレーティングシステム(OS)開発を表明しました。これまでOS等を供給してきたアルファベット(ティッカー:GOOG、GOOGL)傘下のグーグルとマイクロソフト(ティッカー:MSFT)への影響はどうなるのでしょうか?結論としては、両社の売上高への直接の影響は小さいとみられます。

影響
(画像=Getty Images)

グーグルの売上高への影響は軽微

グーグルが開発したアンドロイドは、スマートフォン向けのオープンソースOSですが、グーグル・バージョンは同社のサービスと連携しています。もし、ファーウェイがグーグルのアンドロイド・ライセンスを失った場合、独自のアンドロイド・バーションを開発する必要があり、そしてグーグルのアプリが使えなくなります。

アンドロイド関連売上の大半は、Google Playストアからの収入です。Playストアは中国市場では利用できないので、中国スマートフォン市場におけるファーウェイの28%のシェアは、グーグルにとってはあまり関係ありません。なお、Canalysによれば、ファーウェイ製品は欧州スマートフォン市場の約4分の1、ラテンアメリカ市場の約12%のシェアを占めています。

もしファーウェイがグーグル・アンドロイドのライセンスを失った場合、ファーウェイ製品ユーザーはGoogle Playストアが使えなくなり、ファーウェイの独自アプリストアのAppGalleryのみとなります。結局、Nomura Instinetの試算によれば、グーグルのファーウェイ関連売上は4億2,500万ドルで、これはアルファベットの2018年売上高のわずか0.3%に過ぎません。

ファーウェイを失ってもマイクロソフトには問題なし

マイクロソフトのファーウェイ向け売上の大半はウインドウズ・ライセンスを通じたものです。ウインドウズ・ライセンス関連売上はマイクロソフトの全売上高の16%を占めていますが、ファーウェイのシェアは取るに足りません。ファーウェイは、マイクロソフトのサーバー製品やクラウドサービスの売上にも寄与していますが、限定的なものです。マイクロソフトは、ファーウェイのラップトップPCを自社店舗から引き揚げ、ファーウェイのサーバー製品もAzureクラウドプラットフォームから外しました。

しかし、ファーウェイのウインドウズ・ライセンスについては明確な態度を表明していません。これはおそらく、ライセンスを引き揚げた場合、レノボなどの他の中国のPCメーカーや政府機関が独自OSの利用を促してしまうおそれがあるためでしょう。数年前、中国政府は一時的に政府関連PCからウインドウズPCを排除したことがあり、ファーウェイへの対応が再び同様の緊張を生む可能性があります。このため、マイクロソフトはファーウェイのビジネスを失うことに問題ありませんが、予測できない余波が頭痛の種となるかもしれません。

投資家はノイズを無視すべき

ファーウェイはグーグルやマイクロソフトに対して強気のコメントを出していますが、実際の立場は2社よりかなり弱いものです。米国技術の利用禁止措置により、ファーウェイはグーグルやマイクロソフトのOSが使えなくなるばかりか、極めて重要な半導体やワイヤレス技術も使えなくなるからです。米国の制裁措置は、ファーウェイの昨年の売上高の約半分を占める消費者向け事業への障害になるでしょう。

グーグルとマイクロソフトはファーウェイ関連ビジネスを失うかもしれません。しかし、ファーウェイが、グーグルのアンドロイド、マイクロソフトのウインドウズおよびAzure、さらにその他の米国の技術なしに生き残っていけるかは不透明です。(提供:The Motley Fool Japan


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